(2025年9月訪問)
前回記事に引き続き道南の川汲温泉を取り上げます。当地には「明林荘」の他にもう1軒の旅館である「川汲温泉旅館」がありますので、こちらでもお風呂に入ってみました。
幕末から明治にかけての箱館戦争では、土方歳三率いる旧幕府軍の一隊は当地で野営を行って当時「鶴の湯」と呼ばれたこの温泉に入って疲れを癒したんだそうです。お宿の前にはそのことを記す看板と戦没者慰霊碑が建立されており、けだし幕末歴史マニアにとっては垂涎の地なのでしょうね。
さて館内に入りましょう。ロビーで日帰り入浴をお願いしますと、快く受け入れてくださいました。外観こそ年季が入っているように見えますが、館内は綺麗に維持されているので快適です。なお帳場の傍にはロッカーが設置されていますので、入浴の際には貴重品をこちらへ預けましょう(更衣室にロッカーはありません)。
ロビーの奥へ伸びる廊下をどんどん進んでゆくと、右手に休憩室があり、そこには当地や周辺を写した古い写真が飾られていました。いまでこそ過疎化が深刻な当地ですが、かつては多くの人で賑わっていたんですね。
廊下の突き当たりが浴室です。この先の画像は無いため、文章のみでのご紹介となります。ご了承ください。
浴場はおそらく昭和30もしくは40年代から使われ続けているものと思われ、大小様々な大きさが入り混じったの白と黒の豆タイルが床にはめ込まれており、側面は水色のタイルと白い塗装が施されています。浴場は上から見ると六角形のような形状をしており、それを男女で半分ずつに分けているようなスタイルです。最も長い対角線で男女両浴場が仕切られ、その線に沿って大きな浴槽がひとつ、それとは反対側の辺に沿って小さな浴槽がひとつ、奥には窓が設けられ、その窓の手前に洗い場が、それぞれ配置されています。洗い場にシャンプーや石鹸などの備え付けはありませんので、事前に用意するか帳場で購入しましょう。
両浴槽とも木材で縁取られ、浴槽内には青いタイルが張られています。対角線に沿った大きな浴槽は4~5人サイズで一般的な深さ、湯加減は適温です。一方、小さな方は3人サイズで少々深めの造り、湯加減はやや熱めです。
両浴槽とも自家源泉のお湯が注がれており、完全かけ流しの湯使いで、縁からしっかりお湯が溢れ出ています。無色透明で甘みを伴う石膏味が僅かに感じられ、ほぼ無臭ながら微かにタマゴ臭があったように記憶していますが、タマゴ臭に関しては前回記事で取り上げた「明林荘」のお湯の方がはっきりしていました。その一方、湯温は「明林荘」より熱く、厳冬期でもしっかり温まることができます。硫酸塩泉型の単純泉ですが、アルカリ性だからかサラスベ感が得られ、とても良いお湯でした。
なおこちらのお宿は素泊まり専門で、一泊6,000円という非常にリーズナブルな価格設定です。歴史ある温泉で旅の疲れを癒すと、その気持ち良さもひとしおですね。今回は日帰り入浴でしたが、それでも十分思い出に残る素敵な一浴でした。
川汲温泉旅館源泉
アルカリ性単純温泉 46.1℃ pH9.0 161L/min(自噴) 溶存物質0.725g/kg 成分総計0.725g/kg
Na+:99.4mg(43.68mval%), Ca++:110.6mg(55.81mval%),
Cl-:21.5mg, OH-:0.2mg, HS-:0.8mg, SO4–:431.5mg(90.71mval%),
CO3–:7.2mg,
H2SiO3:37.2mg, HBO2:13.5mg,
(平成29年9月8日)
北海道函館市川汲町2019
日帰り入浴6:00~19:50
400円
ロッカー・ドライヤーあり
石鹸類無し
私の好み:★★+0.5

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