四川省涼山彝族自治州 螺髻九十九里温泉(後編)

中国

前回記事の続編です。

マイクロバスを降り、飛び石のアプローチを渡っていったら・・・

まずはこちらの建物でバスタオルとバスローブを受け取ります(料金にはレンタルのバスタオルとバスローブが含まれています)。そして女性は2階、男性は3階の更衣室で水着(要持参)に着替えます。ロッカーはたくさんあり、空いている任意の場所を使えるはずなのですが、ここで私はちょっとした問題に直面してしまいました。施錠にはウィーチャット(微信)の画面上で操作する必要があるのですが、中国国内の電話番号を持っておらず、外国人として登録している私のウィーチャットではエラーが出てしまったのです。近くにいたスタッフのお兄ちゃんに施錠できないことを伝えても、ウィーチャットを使えば良いじゃん、といった感じで雑に扱われる始末。私は外国人で、国内の電話番号を持っていないんだ、と丁寧に繰り返し説明したら、お兄ちゃんはようやく状況を理解してくれたらしく、ウィーチャットが不要なロッカーを案内してくれました。これに限らず今回の中国旅行で私はウィーチャットに関するトラブルに何度も悩まされました。高度に進んだ中国のデジタル化はたしかに便利なのですが、これはあくまで中国国内で生活する人に限った話であり、外国人旅行者にはむしろデジタル化による障壁が生まれてしまったような気がします。

当地は山奥に設けられた日帰り入浴専門施設であり、この温泉の他には何もありません。でも施設内には売店や軽食を提供するスタンド等がありますので、特に不自由は感じないかと思います。

入浴エリアには橋で渓流の対岸へ渡るのですが、その手前にはこんな立派な飲泉所が設けられているのです。

実際に飲泉してみますと、見た目は無色透明でほぼ無味無臭ですが、舌の上でお湯をよく転がしてみると若干甘みと、やや重みのある味が得られたような気がします。

飲泉所には泉質に関する説明文が掲示されていました。私の苦手な簡体字の文章なので自信は無いのですが、ここに書き写した上で翻訳してみます。

可观、可饮、可抗衰老的天然温泉(氡温泉)。
螺髻九十九里的温泉水经过四川省地质工程勘察院环境工程中心的检测结果显示,其所有指标符合国家天然饮用矿泉水标准,属国内最优质的天然矿泉水,可直接饮用。氡温泉在医疗上的登用有:浴疗,饮疗和吸收法并用

【日本語訳】
観賞、飲用、アンチエイジングに良い天然温泉(ラドン温泉)。螺髻九十九里の温泉水は、四川省地質工程勘察院環境工程センターによる検査の結果、すべての指標が国家天然飲用鉱泉水(ミネラルウォーター)基準に適合しており、国内最高品質の天然ミネラルウォーターとして直接飲むことができます。ラドン温泉の医療における利用方法には、浴用(入浴)、飲用、および吸入法の併用があります。

ほほぉ、ラドン温泉なんですね。そもそも日本でラドン温泉を称するところは、一部を除いてその効能に科学的な裏打ちが無かったりしますが、こちらはどうなのでしょうか。然るべき入浴法を取り入れたらホルミシス効果が得られるのでしょうか。まぁそんな疑念はさておき、橋を渡って入浴エリアへ向かいましょう。なお橋の近くでは野生のサルがキーキー騒ぎながら訪問客の荷物を奪おうとしていましたので、所持品はしっかり管理しましょう。

おお! すげー!
温泉の滝だ! しかも滝壺が大きな浴槽になっている!
日本にもカムイワッカ湯の滝や川原毛地獄など、入浴できる温泉の滝はありますが、螺髻九十九里温泉も負けず劣らずの規模があり、とりわけ湯量が非常に豊富です。崖の上から落ちてくる温泉の滝は滝つぼの浴槽へお湯を溜め・・・

そこから溢れたお湯は渓流へと溢れ出てゆきます。

滝直下の滝壺のみならず、その周辺の洞穴やくぼみにもお湯が注がれているので、温泉滝の崖や洞窟を探検しながら奥の湯船を見つけてみるもの一興。しかも絶妙な良い湯加減なんですよ。

 

温泉滝の様子を動画でもご覧ください。

滝の先には多くの人工的な浴槽が設けられ、好みの浴槽で湯浴みできます。深く刻まれた渓谷というロケーションなので、浴槽は渓流付近の他、渓谷の崖上にもたくさん設置されており、谷底から急な階段を上がって行けば行くほど、景色の良い浴槽に巡り合えます。浴槽により適温、ぬるめ、水風呂など湯温も様々。なお階段はかなり急でしかも長く滑りやすいため、自身が無い方は無理して上の方まで登らない方が良いかも。

帰りは、往路の乗合自動車を下車した駐車場付近の国道まで出て、特にバス停は無いものの、路傍でしばらく待っていたら、普格方面からバスがやってきたので、手を上げて自分の存在をアピールしたら止まってくれました。

車内で車掌のお姉さんに西昌まで乗りたい旨を告げ、料金を支払います。都市部ではアリペイ(支付宝)とウィーチャットペイ(微信支付)の両方を使える場面がほとんどですが、地方部では微信支付しか使えない場面が多く、この路線バスでも同様で、私の微信支付はなぜか支払いの場面でエラーを連発してしまったため、現金で支払いました。ネット上には「中国では現金支払いを断られる」という情報も見受けられますが、少なくとも私が今回訪ねたところで現金を謝絶されたところはありませんでした。

峠を越えたバスは邛海を見下ろしながら西昌の街に近づき・・・

往路と同じく約1時間20分で西昌のバスターミナルへ到着しました。

私は翌日の早朝に西昌を発って雲南省方面へ向かう予定だったため、バスターミナル目の前に位置する上画像の「星程酒店」で一泊しました。このホテルは安いのに広くて綺麗、しかもスタッフの皆さんがとっても親切でしたよ。

私が螺髻九十九里温泉を訪ねたのは平日の日中でしたが、それでも老若男女問わず多くの観光客で賑わっていました。日本から容易にはアクセスできない場所ですので、気軽に訪ねるわけにはいきませんが、もし四川省成都方面へお出かけで、日程に余裕があればこのダイナミックな温泉滝を体験してみてください。成都を朝に出て計画的に行動すれば、日帰りで成都へ戻ることも何とか可能です。なお螺髻九十九里温泉周辺の国道沿いには温泉ホテルもあるようですから、当地で宿泊するのも良いかもしれませんね。

四川省凉山彝族自治州普格県蕎窩鎮螺髻
ホームページ(簡体字中国語)

利用料金200元
(朝7:00~9:30と17:30~24:00は140元)
旅行エージェントを通じて事前購入可能

私の好み:★★★

 

 

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