連続して取り上げてまいりました草津温泉の共同浴場ですが、今回の「千歳の湯」でひとまず区切りをつけることにします。皆様御存知のように草津温泉の共同浴場は19ありますから、まだ拙者ブログに載せていない浴場の方が多いのですが、またいずれの日にか取り上げることにしましょう。
「千歳の湯」は町役場の西側に位置する本町区の共同浴場で、スーパーマーケットの裏手にあり、周辺は住宅密集地ですから、いかにも地元の方々のためのお風呂といった雰囲気です。浴場の前は車が駐められそうなスペースがありますが、駐車禁止ですので、お車で訪問の際は、近隣の公共駐車場のご利用を。木造の湯屋は右肩上がりの片傾斜ですが、後述するように、高い方の屋根は湯気抜きとしての機能しています。
草津の共同浴場では典型的な造りであり、出入口から男女に分かれており、無人施設で番台はありません。ゴミ一つ落ちていない綺麗な室内は、他の浴場と比べると幾分広く、床には簾模様がプリントされたビニルシートが敷かれていました。風呂上がりは体が火照って汗が止まらなかったので、備え付けの団扇をありがたく使わせていただきました。
脱衣室と浴室を仕切る壁には小窓が設けられており、入浴中でも脱衣室の様子を確認することができました。
浴室も当地の共同浴場の標準仕様。内装は木造で、床や側壁の立ち上がり部分など、お湯が掛かるところは、モルタルの上に防蝕塗装が施されています。塗装の色は浴場によって異なるわけですが、こちらの場合はオパールグリーンと表現したら良いのか、淡いグリーンを帯びた白系の色合いでした。どの浴場でも共通ですが、この手の塗装床は大変滑りやすいので、慣れない方はくれぐれも滑らないようご注意を(実際に滑ってコケた私が、自戒の念を込めて申し上げております)。
冒頭でも申し上げましたように、湯屋は正面から見て右側へ傾斜しているのですが、高くなっている部分はは、右(下)画像のように湯気抜きになっており、明かり取りも兼ねているのでした。
他の共同浴場と同様、洗い場にシャワーは無く、水道の蛇口が2つあるばかり。壁には荷物を掛けるフックが取り付けられていました。
浴槽は目測で1.8m×3mほどで、キャパは4人くらい。底には板状の石材が沈められており、ステップ代わりになっています。洗い場の床と同じように槽内も塗装されているのですが、なぜか縁だけはコンクリがむき出し状態。その縁の上をお湯がどんどん溢れ出ていました。
バルブに接続されたホースは槽内へと伸び、湯面下でお湯が供給されています。こちらに引かれている源泉は湯畑源泉で、ほぼ無色透明ですが、湯中では白い湯華がチラホラ浮遊しています。湯面からはうっすらと硫黄臭が香り、口腔を強く刺激する収斂酸味が感じられます。ヌメリを伴うツルスベは、強酸性のお湯ならではのフィーリング。私が訪問した時の湯加減は、体感で45℃近くあり、強酸性ゆえのピリピリ刺激も加わって、入りしなはかなり体に堪えましたが、我慢して加水せずに湯に浸かっているうち、体が熱さに順応して身も心もシャキッと蘇り、気持ち良く湯あみを愉しむことができました。
湯畑源泉
酸性・含硫黄-アルミニウム-硫酸塩・塩化物温泉 51.3℃ pH2.1 自然湧出 溶存物質1.65g/kg 成分総計1.69g/kg
H+:8.91mg(36.54mval%), Na+:56.0mg(10.06mval%), Mg++:36.3mg(12.33mval%), Ca++:73.5mg(15.16mval%), Al+++:43.8mg(20.14mval%), Fe++:17.5mg,
F-:9.9mg, Cl-:311mg(35.63mval%), Br-:1.3mg, SO4–:640mg(54.16mval%), HSO4-:192mg(8.04mval%),
H2SiO3:216mg, H2SO4:4.3mg, CO2:36.7mg, H2S:7.1mg,
(平成25年5月15日分析)
24時間開場(午前9時頃から清掃時間あり)
備品類なし
私の好み:★★
コメント
まさに草津
草津温泉の共同浴場といえば、まさにこのタイプ(^^)ノシ
白い壁に素っ気ない浴槽
緑のホース、赤のコック
私のイメージの中ではこれが草津スタンダードです(^-^)
リンクありがとうございました
こちらもリンク張らさせて頂きますねヾ(^▽^)ノ
Unknown
.>Danさん
まさに草津の共同浴場の雛形みたいな造りですよね。
観光エリアから離れた住宅街にあることも、
外湯好きな者としては魅力に感じてしまいます。
リンクありがとうございます(^^)
「蔵王高原荘」、初めて知りました。機会があれば立ち寄ってみます。