韓国 温陽温泉 龍門湯

韓国


(2023年11月訪問)
話の流れとしては前回記事の続編です。大田広域市の儒城温泉でひとっ風呂浴びてさっぱりした私は、ついつい欲が出て更に湯めぐりしたくなったので、大田からソウルへ向かう前に天安牙山駅でKTXを途中下車し、首都圏電鉄1号線に乗り換えて温陽温泉でも軽く湯めぐりすることにしました。

温陽温泉には駅から徒歩圏内に日帰り入浴できる施設がたくさんありますが、今回は日本語サイトでまだ紹介されていないと思われる施設を1ヶ所と、駅至近にあって以前から訪問してみたかった大きな施設1ヶ所、合計2ヶ所をハシゴすることにしました。


まず1軒目はこちらの施設です。線路と並行に東西へ伸びる駅前の大通りを西の方へ歩くと、100メートルも行かないうちにたどり着くのがこの建物。周囲の建物より若干引っ込んでおり、しかも地味な外観なので、ややもすると見つけられずに通り過ぎてしまうかもしれません。壁には「용문탕」と名前が表記されており、これをGoogle翻訳で調べてみると「龍門湯」と訳されましたので、当記事ではこの施設を「龍門湯」と呼ぶことにします。


1階は公衆浴場、2階以上は旅館となっているようです。
上画像は1階屋外にある番台と男女別入口の様子。画像中央の小さな窓口が番台で、公衆浴場利用の場合はここで湯銭5500ウォンを支払います。なお家族風呂もあり、標準的な家族風呂は22000ウォン、大きな家族風呂は35000ウォンとのことですが、今回は公衆浴場を利用しました。


番台で湯銭を支払うと入浴券が渡されるので、男女別の入口からそれぞれの浴場へ入り、中にいる三助さんに券を差し出します。上画像は三助さんの待機場所なのですが、私が訪問した時には三助さんが不在だったので、ひとまず券をロッカーにしまってお風呂に入り、後程いらっしゃった際に手渡しました。


更衣室はこんな感じ。いかにも地元民向けといった地味で鄙びた雰囲気で、観光志向な装飾など無く、それが却って温泉マニアの心をくすぐってくれます。この画像だけ見たら、日本の温泉銭湯とほとんど変わりありませんね。

浴室内は地元のお爺さん達で混みあっていましたので画像はありません。あしからず。
更衣室どころか浴室までも日本の銭湯そのもので、白いタイルが貼られた浴槽の中央に、水色タイルで作られた浴槽が据えられ、その左右に洗い場が配置されています。浴槽に張られたお湯は無色透明無味無臭で癖が無くアッサリとしています。湯加減はちょうど良く、気持ち良く湯あみできました。なお湯使いは不明。湯口からはたくさんのお湯が注がれており、その投入量に見合ったオーバーフローも見られます。


上画像は館内に掲示されていた書類のひとつ。漢字とハングルが混在しており、紙自体もやや劣化しているようですが、日付は1988年1月1日なので決して古いものではありません。温陽市長の名が記されたこの書類は「温泉水質保証書」と題されており、どうやらご当地の温泉法に基づく水質検査の結果としてこの浴場で使用されている温泉の水質を市が保証するという内容のようです。主要成分として水素・塩素・ケイ素・硫酸・ナトリウム・カルシウム・マグネシウムなどの各イオンが列挙されているのですが、何がどのくらい含まれているのかについては記載がありません。


こちらはハングル表記ですが、元素記号と数字が並んでいますので、いわゆる成分分析表に相当するものかと思われます。2012年5月分析のデータで、多いものを搔い摘むと炭酸水素が86.9、ナトリウムが63.2、ケイ酸47.7、塩化物(イオン)31.0、硫酸(イオン)22.5といったところでしょうか。でもこの数値の単位は何なのかしら? 数字だけで単純に考えれば重曹泉型の単純泉なのかもしれませんが、でも単位がわからないから迂闊に断言はできませんね。

ま、そんな細かい屁理屈はさておき、こちらの温泉銭湯は日本の古き良き公衆浴場を彷彿とさせるような趣きある佇まいですので、渋いお風呂が好きな方にはおすすめです。

私の好み:★★+0.5

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