千葉 弁天鉱泉 前編(お部屋・お食事)

東京都・埼玉県・千葉県


(2024年3月訪問)
全国津々浦々に多くの温泉宿や鉱泉宿があり、その一部では入浴するだけの利用も可能ですが、宿泊しないとお風呂に入れない宿も多く、そうした入浴のハードルが高いお風呂に入って気持ち良い思いをしますと、温泉ファンとしては喜びや達成感もひとしおです。今回訪ねた千葉県南房総市の「弁天鉱泉」も入浴のみの利用ではお風呂に入れない鉱泉宿の一つ。かつては日帰り入浴も受け入れていたそうですが、私が利用した2024年3月時点では宿泊客や食事付き入浴プラン(昼食・夕食)の利用客のみ入浴が可能で、日帰り入浴は不可能でした(※)。宿泊客は1日4組のみ。以前からこちらのお宿の鉱泉に興味があり、是非一度入ってみたかったので、2024年3月某日、一泊することにしました。

(※)今回記事を書くにあたって現状を確認したところ、2024年11月から事前予約制で日帰り入浴の受け入れを再開したそうです。詳しくは公式サイトをご覧ください。


今回通されたお部屋がこちら。庭を眺める2間続きの広い和室です。
なお露天風呂付のお部屋もあるんだそうですが、今回のお部屋にお風呂はありません。


お庭の先は東京湾。視界が澄んでいれば、三浦半島や富士山も眺められるそうですが、この日は晴れていたにもかかわらず春霞がひどく、富士山は全く見られず、それどころか東京湾の対岸が微かに視認できる程度でした。でも小さな濡縁に腰かけて春の麗らかな陽光を浴びながら庭や海をぼんやり眺め、静かにのんびりと過ごすだけでも、日頃の憂さが晴れていきました。


広縁に置かれた箪笥の引き出しを開けると・・・


中にはタオルやアメニティ、そして浴衣が収められていました。浴衣は複数あるので、自分の好みやサイズに合った浴衣を取り出します。


このお宿はとにかくお食事が素晴らしく、地の食材を多用しているのは勿論、特に魚介はその時々に地元で獲れたものだけを調理してくださいます。客に迎合して業者から仕入れる当地とは無縁のマグロやサーモンなどがお皿に並ぶことはありません。
またお食事はお部屋出しで提供されますから(私が通されたお部屋だけ?)、わざわざ移動することもなく、風呂上がりのまま寛いだ状態でお食事をいただくことができました。
上画像は夕食で、前菜各種と揚げたての天ぷら、イサキの塩焼きです。


どうですか、このお造り!
房総で獲れたイサキ・金目・カンパチ・アジ・アワビ・サザエ・イセエビです。
いずれも本当に美味い!
しかも・・・


イセエビのお刺身については、食べ終わったあとの頭部等のアラを一旦厨房へ引き取ってもらい、再度お鍋に入れてお味噌汁にしてくださるのですが、このイセエビの味噌汁が絶品。メチャクチャ美味い! こんな美味い味噌汁が世の中にあったのかと驚いてしまいました。
また、ご飯も房総半島の美味しいお米ですからお櫃があっという間に空になっちゃいました。あくまで個人的な好みの問題ですが、私は以前から房総半島産のお米が大好きで、いわゆる米どころの特Aランク米より美味しいのではないかと思っており、わざわざアクアラインで房総へ渡って当地の農協直売所へお米を買い出しに行くほどです。


こちらは朝食です。アジの開きを中心に、サラダや冷奴、もずく酢など、寝起きの胃袋に優しい献立が並びます。こちらも大変美味しく、あっという間に平らげてしまいました。

こちらの食事の美味しさは私の記憶に強く残っており、おそらく生涯消えることは無いでしょう。それほど素晴らしいお食事でした。これだけでも宿泊した甲斐があるのですが、今回宿泊した本来の目的は鉱泉ですので、次回記事ではとても個性的な鉱泉についてご紹介してまいります。

次回記事に続く
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