ビジネスホテル五井温泉 入浴利用

東京都・埼玉県・千葉県


(2024年1月訪問)
千葉県の外房で釣りをした真冬の某日、いつもだったらアクアラインで東京湾を横断して帰るところを、その日の限って市原方面へ北上し、五井市街地にある「ビジネスホテル五井温泉」でひとっ風呂浴びてから帰宅することにしました。こちらではホテルの大浴場に黒湯の鉱泉を使用しており、そのお風呂を日帰り入浴客にも開放しています。


駐車場に車を停めて玄関から館内へ入り、フロント右手に設置されている券売機で料金を支払って、発券された入浴券をフロントへ差し出して男女別のお風呂へと向かいます。フロントではスタンプカードの有無を確認されたので、どうやら日帰り入浴の受け入れに積極的のようです。なお普通の入浴料金は600円ですが、レンタルタオル付で780円の料金プランもあり、これです180円プラスするだけで大小のレンタルタオルがついてくるので、貸しタオルの価格としては他の温泉浴場よりリーズナブルかと思います。かく言う私もその安さに惹かれて、レンタルタオル付きの料金で利用することにしました。


入口入ってすぐ右に女湯の暖簾、左手に男湯の暖簾が下がっていました。なお男女の浴場は日替わりなのか固定されているのか、その辺りは不明です。元々宿泊客だけが利用するという前提で設計されているのか、暖簾の先にある更衣室はちょっと狭いのですが、エアコン完備で飲用水の用意もあり、ロッカー(縦長のスチールロッカー)は無料で、ドライヤーも2つ備え付けられていますから、使い勝手はまずまず良好です。


浴場内撮影禁止のため、お風呂の画像は公式サイトから借用させていただきました。ご了承ください。
あくまでビジネスホテルの浴場ですので、更衣室同様にお風呂場自体もさほど広くありません。この日利用した浴室は入って左側に洗い場が配置されており、シャワー付き混合水栓が7基並んでいます。一方、右側には内湯の浴槽が据え付けられていますが、この内湯浴槽は無色透明無味無臭の真湯であり、鉱泉ではないようです。


内湯浴槽の脇にはビニルカーテンがさがっており、その先の屋外側にあるのが露天風呂です。露天と言っても頭上は屋根でしっかり覆われており、周囲の壁も高いため景色は全く望めず、露天風呂に期待したくなるような開放感は特に得られません。都市部の露天風呂によくある構造で、露天というより単に屋外にあるお風呂といった様相ですが、外気が入ってきますので適度に気持ち良くクールダウンできるのはありがたいところです。

でもこの露天風呂に入らなければここに来た意味がありません。露天の浴槽に張られているお湯こそがホテルご自慢の黒湯の鉱泉なのです。浴槽の大きさは目測で1.8m×3m程度でしょうか。黒湯と銘打っていますが、浴槽のお湯は比較的透明度がある薄いコーヒーもしくは麦茶のような色合いをしており、東京湾から近い場所なのに塩味は無く、その代わりにほろ苦みが感じられます。分析表の数値によれば純重曹泉と言って良いような成分構成です。お湯に肩まで浸かると、弱いツルスベ感の中に少々パウダリーな浴感が混じって肌に伝わります。なお館内表示によれば加水は無く、加温循環消毒が実施されているそうです。湯面から強い塩素消毒臭が漂っているのは致し方ないところ。


館内には泉質に関する説明などが展示されています。こちらはボーリングのサンプル。


上画像は牛乳瓶に入れられた黒湯の比較で、左が「千葉県の黒湯」 、右がこのお風呂のお湯である「五井温泉」とのこと。右はさておき、左側の「千葉県の黒湯」って一体どこのことでしょうか。千葉県内では黒い温泉や鉱泉が随所で湧出しており、その濃淡も源泉によって様々で、正直なところ五井温泉よりも濃くて黒い鉱泉だってありますので、それらを十把一絡げにしちゃう比較の手法はちょっと大雑把ではないかしら…。


この五井温泉で個人的に最も興味深かったのが、玄関前に設置された源泉が垂れ流されているオブジェです。浴場のお湯と違い、こちらの鉱泉はおそらく掛け流し状態であるためか特徴がはっきりと表れており、具体的には黒みが濃く、ちょっと舐めてみたところ重曹のほろ苦みやモール泉に似て非なる有機的風味もしっかり感じられました。なおお風呂のお湯と同じくこちらも塩味はありません。純重曹泉なのですね。


館内に掲出されている分析表で、溶存物質量や成分総計量をそれぞれ1771g/kg、1803g/kgと表記していますが、これは1771mg/kg 1803mg/kgの誤記でしょう。また東京湾岸の黒湯なのでてっきりフミン質(腐植質)を含んでいるのかと思いきや、その項目に数値の表記は無く横棒のみでした。検出限界以下ということなのでしょう。

いずれにせよ、リーズナブルに純重曹泉の黒湯に入れますので、利用価値は高いかと思います。私もこの日は釣りで冷え切った体を黒湯でしっかり温めてから帰宅しました。

五井温泉
ナトリウム-炭酸水素塩冷鉱泉 18.9℃ pH8.1(※) 溶存物質1771mg/kg 成分総計1803mg/kg
Na+:431.3mg(91.19mval%),
HCO3-:1148mg(89.29mval%),
H2SiO3:62.9mg, CO2:31.7mg,
平成26年6月16日
加水無し
加温あり(入浴に適した温度に保つため)
ろ過あり(温泉資源の保護と衛生管理のため)
消毒あり(次亜塩素酸ソーダ12%を自動薬注装置で注入)
(※)pH値は分析表に記載無く、公式サイトに表示されていたため、その数値を転載しました。

千葉県市原市五井5918-2
0436-23-2617
ホームページ

日帰り入浴11:00~20:00 不定休
600円(大小レンタルタオル付き780円)
ロッカー・シャンプー類・ドライヤーあり

私の好み:★★+0.5

コメント

タイトルとURLをコピーしました