北浦温泉 北浦荘

茨城県

(2024年11月訪問)
過日仕事で茨城県へ行く機会があったので、仕事終わりにちょっと足を伸ばして「北浦温泉 北浦荘」へ行ってみることにしました。周囲にレンコン畑が広がる北浦の湖畔、鹿行大橋の西側橋詰に位置している、行方市の公共福祉施設です。とはいえ、私が訪れたのは20時直前で辺りはすっかり闇夜の中。湖畔ならではの美しい景色を楽しむことはできませんでした。


昭和の公共施設らしい香りを強く放つこの外観。暗いと余計に古めかしく見えてしまいますが、建物上部には大きく「源泉かけ流し」と表記されており、温泉マニアである私の眼にはその部分だけ燦然と輝いているように感じられました(どうやら眼科で診てもらう必要がありそうです)。
事前に情報ではいつも混んでいるとのことだったので、閉館間際に行けば多少は空くだろうと考えて敢えて遅い時間を狙ったのですが、駐車場には多くの軽トラや軽自動車が停まっており、その時点で当てが外れた
ことを悟ったのでした。

玄関を入って左手に設置されている券売機で料金を支払い、窓口の方に券を手渡します。なお下足入れは受付の反対側に設置されており、鍵が無い代わりに番号札が各収納スペースに掛っているので、各自でその番号札を取って、退館時(靴を履く時)に札を戻して靴を出す流れになります。

受付の前には地元食材(農産物など)が売られていました。地方の温泉施設でよく見かける光景ですね。

温泉施設というより田舎の保健所か昭和の学校を思わせる廊下。この途中の自販機コーナーにロッカーがありますので、貴重品はそちらへ預けましょう(更衣室にロッカーはありません)。

廊下の左側には休憩用の座敷があるのですが、老人福祉施設のような雰囲気が横溢しており、私は入室をためらってしまいました

そんな廊下の突き当たりにトイレ・・・ではなく男女別の浴室が位置しています。ドアを開けた先の更衣室はエアコンが設置されており、常連と思しき爺様達はこの更衣室のベンチに腰掛け、軽くうなだれながら、湯船から出て真っ赤になった体をエアコンの風に当ててクールダウンさせていました。


私の利用時は洗い場がほぼ埋まるほどの利用者がおり、かなり混雑していましたので、浴室内の画像はございません(浴室の画像は行方市公式サイトから借用しました)。ご了承ください。
お風呂は内湯のみで露天はありません。洗い場は室内の左右に分かれて配置され、計6個のシャワー付き混合水栓が取り付けられています。浴槽は室内奥の窓下に5~6人サイズの主浴槽がひとつあるほか、出入口付近の浴室手前右側に扇形の小浴槽(2人サイズ)もあり、いずれにも熱く加温された麦茶色の鉱泉が放流式の湯使いで注がれています。

大小両浴槽からオーバーフローするお湯は、オフホワイトの床タイルの上を流れており、その流路になっているタイルは茶色に染まっています。なお、奥の主浴槽は2つの水栓から、手前の小浴槽は1つの水栓から、それぞれ加温鉱泉が投入されているのですが、私の利用時、主浴槽の水栓からはぬるいお湯が、小浴槽の水栓からは熱いお湯が出ていました。しかしながら両浴槽とも湯温はかなり熱めの43~4℃でしたから、お湯を投入する水栓の温度は適宜熱くなったりぬるくなったりするのかもしれません。湯使いに関して、浴槽内での吸引や投入が行われているかについては、夜間で浴場内が薄暗かったため、確認することができませんでした。

さて、こちらの鉱泉に関するインプレッションですが、見た目は薄い麦茶色で、口に含んでみるとちょっとしょっぱく、且つ若干重曹的な清涼感を伴う苦味があったような気がします。湯船に浸かった時には食塩泉らしいツルスベ浴感が少々得られ、熱い湯加減ながら肩までしっかり浸かると大変気持ち良く湯あみできました。この日は外気温が3~1℃まで下がっていたので、湯上がり後に得られる食塩泉的な力強い温浴効果が有難く、体の芯までいつまでもポカポカが持続したのですが、常連の爺様たちみたいに、体を茹で蛸の如く真っ赤にさせちゃうのは、さすがに温まり過ぎかと思いますので、長湯せずに程ほどの入浴で切り上げた方が身体の為には良いでしょう。ちなみに常連曰く今日はいつもより熱いとのこと。ボイラーが変に頑張っちゃったのかしら。
それはともかく、加温された鉱泉なのにかけ流しを実現しているところは素晴らしく、周辺の他県に比べて温泉資源が乏しい茨城県では貴重な存在です。

近くには北海道のローカルコンビニ「セイコーマート」があったので、迷わず入ってドリンクやお弁当やら、いろんなものをたくさん買っちゃいました。北海道に行ったことがある方ならご存じかと思いますが、「セイコーマート」は原則的に北海道内を営業拠点としており、道内ならばかなりの僻地にさえ店舗を展開しているのですが、北海道以外にはほとんど店舗がありません。その例外となる地域が茨城県南部と埼玉県東部にかけての一帯です。どういう理由でこのエリアに店舗展開しているのか知りませんが、私は「セイコーマート」のオリジナル商品が大好きで、会員カードを持っているほどのファンですから、まるで誘蛾灯におびき寄せられる虫のように、店舗を見つけるたびに利用してしまうんです。東京都内にも開店してくれないかな。

ナトリウム-塩化物冷鉱泉 16.6℃
(その他のデータは不明。平成31年)
(平成17年の温泉利用許可には「炭酸水素ナトリウム含有泉 16.5℃」との記載あり)

茨城県行方市山田121
0291-35-2821

10:00~21:00(最終受付20:00) 毎週月曜定休(祝日の場合は翌日)
420円
ロッカー・シャンプー類・ドライヤーあり

私の好み:★★+0.5

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