前回取り上げた出谷温泉公衆浴場の隣に位置する露天風呂で、出谷温泉から河原を歩いて行けばすぐ目の前なのですが、経営者が異なり、こちらは旅館神湯荘の所有なので、ちゃんと専用の入口から入りましょう。
左:ここが露天風呂入口。十津川温泉方面から来ると思いっきり鋭角に曲がる必要があるので、車だと何度も切り返さなければ入れません。
右:入口から下っていくと駐車場。ここまでは車で入れます。画像に映っているバラック然とした小屋で料金を支払います
ちょっとわかりにくいかもしれませんが、画像左の小屋が男性用脱衣室で、奥の方に映っているのが女性用脱衣所兼浴場。お風呂は山の傾斜に合わせて2段に分かれて作られており、上段は上物が被さっていて女性用、下段はただ浴槽があるだけで遮るものはなにもなく男性用です。私は男性用脱衣所の存在に気づかず、湯船の前で脱衣してしまいました。
男性用露天風呂。外から丸見えですが、その分開放感は抜群。コンクリート打ちっぱなしの簡素な浴槽で、そこだけ見るとやや殺風景かも。けっこう大きくて、お風呂というよりプールみたいな感じですが、清らかな渓流がすぐ横を流れており、湯加減もちょうどよいので、解放感と相まってとても爽快でした。
塩ビのパイプの湯口からお湯が掛け流し。源泉がすぐ傍というだけあってお湯の鮮度は極めて良好で、とっても熱い。無色透明のお湯からは弱いたまごの匂いが漂っています。典型的な重曹泉で、ヌルヌルスベスベ感が際立ち、肌にも優しく、非常に気持ち良いお湯です。訪問時だけかもしれませんが、すぐお隣の出谷温泉公衆浴場よりもはるかにお湯の知覚や浴感がはっきりしており、鮮度もしっかり感じられました。
対岸の山では野生の藤が花を咲かせていました。せせらぎを耳にしながら、山の緑や花の美しさを目にして湯あみできる、近畿圏屈指のワイルドな露天風呂だと思います。
露天風呂へのアクセスとなる県道735号線には、狭隘な道路ながら路線バスが運行されており、そのバス停がなんとも言えぬ雰囲気を醸し出していました。画像は出谷温泉やこの露天風呂の最寄りとなる上湯バス停。ポールを立てず、看板を古い小さな民家(納屋?)へ直接くっつけているのです。バス停というより、ハイアースやボンカレーなどの昔の琺瑯看板の広告、あるいは専売公社時代の「塩」の看板など、昭和の軒先の風景を思い起こさせます。本数は一日2往復。
Na-炭酸水素塩泉
82℃(その他のデータ入手できず)
奈良県吉野郡十津川村出谷 地図
0746(64)0256(神湯荘)
神湯荘ホームページ
9:00~17:00(土曜は清掃のため16:00まで) 不定休
500円
備品類なし
私の好み:★★★
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