蔵王温泉 KKR蔵王白銀荘

山形県

 
今回から数回連続で、今年(2017年)冬に訪れた山形県蔵王温泉のお風呂を取り上げます。まずは蔵王中央ロープウェイの駅前に位置している「KKR蔵王白銀荘」から。KKRとは、池袋界隈を地盤にしている路線バスの会社ではなく(国際興業、略称KKK)、RKK熊本放送でもなく、国家公務員共済組合連合会のローマ字表記を略したものであり、正しくは国家公務員共済組合連合会蔵王保養所というんだとか。いわゆる共済施設であり、その無骨な外観や昭和なネーミングは、いかにもお役所関係の保養施設といった感を受けます。私は国家公務員とは無縁である零細企業の一介の社員にすぎませんが、そんな公務員ではない私でも利用できます(国家公務員ならば各料金が安くなります)。建物こそ年季が入っていますが、リーズナブルに利用できる上、ロープウェイの駅、そしてコンビニや各種商店・飲食店などが並ぶ蔵王で最も賑やかなエリアに位置していますから、利用価値がかなり高い宿と言えそうです。
今回私は立ち寄り入浴でお邪魔しました。一般客の日帰り入浴料金は650円ですが、国家公務員の場合は割引料金が適用されるようです。


玄関でスリッパに履き替え、フロントで料金を支払い、ロビーを抜けた先にある階段で1フロア下ると、お風呂の暖簾が掛かっていました。2室ある浴場はいずれも内湯のみですが、23時に暖簾が入れ替わるので、宿泊すれば両方に入ることができます。私が訪れた時には左側の浴室に男湯の暖簾がさがっていました。

 
冬に訪れたため、浴室は湯気で真っ白に煙っており、このような見辛い画像となってしまいました。申し訳ございません。お風呂の様子をよくご覧になりたい方はお手数ですが公式サイトでご確認ください。
脱衣所から浴場へ入ると、まず左手の壁に沿って洗い場が配置されており、計6基のシャワー付きカランがL字形に並んでいます。一方、右側の壁沿いには2〜3人サイズの小さな浴槽が据えられ、ぬるいお湯が張られていました。


窓側に設けられている主浴槽は(目測で)2m×5mという大きさで、浴槽内こそタイル張りですが、縁には石材が用いられています。この石の縁ですが、長年にわたって使われ続けているのか、温泉に含まれるイオウのこびりつきによって元々の色がわからないほど白く染まっていました。

 
小さな浴槽と大きな主浴槽を仕切る形で上画像の湯口が設置されており、仕切りの上から太い塩ビ管の中へアツアツの温泉を落とし、温度を落ち着かせてから浴槽へ注ぐ仕組みになっていました。館内表示によれば温度調整のため加水が実施されているそうですが、加温循環消毒は無い放流式で、実際に湯船のお湯は洗い場側に設けられた湯尻から溢れ出ているほか、人が湯船に入るとお湯は縁の上を乗り越えてオーバーフローしていました。
こちらのお宿に引かれているお湯は上の川源泉。蔵王のお湯ですから酸性の硫黄泉である点は他の源泉と同じですが、泉質由来なのかはたまた湯使いが良いのか、他宿のお風呂で見られるような濁りや沈殿が少なく、うすくボンヤリと白く霞む程度です。いくら湯船のお湯を動かしても濁り方は変化せず、沈殿が舞い上がるようなこともなく、底面は常にはっきりと目視できるほど透明度が安定していました。味に関しては、梅干の汁のような塩分の効いた収斂酸味がはっきりと感じられる一方で、柑橘系のようなフルーティーさは少ないように思われます。絶妙の湯加減に調整されているため、肩までお湯に浸かると誰しもが「ふぅ」と息を漏らしてしまうこと必至。また湯中では強酸性のお湯らしいヌメリを伴うツルスベ浴感が肌を覆いますので、その気持ち良さがより一層湯浴み客を寛がせてくれることでしょう。

上の川源泉
酸性・含硫黄-硫酸塩・塩化物温泉 60.6℃ pH1.6 自然湧出 溶存物質2521mg/kg 成分総計3045mg/kg
H+:23.1mg(60.54mval%), Na+:38.2mg, Mg++:82.1mg(17.86mval%), Ca++:58.3mg, Al+++:27.7mg, Fe++:4.8mg,
F-:9.0mg, Cl-:312.0mg(23.80mval%), HSO4-:742.9mg(20.69mval%), SO4–:962.7mg(54.21mval%),
H2SiO3:199.1mg, H2SO4:43.0mg, CO2:515.7mg, H2S:8.3mg,
(平成28年1月15日)
加水あり(源泉温度が高いため)
加温循環消毒なし

山形県山形市蔵王温泉904-8  地図
023-694-9187
ホームページ

日帰り入浴時間は直接施設へお問い合わせください
650円
シャンプー類・ドライヤーあり

私の好み:★★

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