さて、お風呂へと参りましょう
以前拙ブログでこちらのお宿を取り上げた時には日帰り入浴でしたから、紹介できるお風呂は限られていました。でも今回は宿泊ですから、昼夜暖簾替えのお風呂でも両方に入ることができます。今回記事では本館2階の廊下を進んだ先にある2つの浴室「石橋の湯」と「芍薬の湯」をたずねます。
●石橋の湯
前回記事でもこの「石橋の湯」を取り上げました。仲良く並ぶ「石橋の湯」と「芍薬の湯」は、真夜中の0時に男女の暖簾が入れ替わり、前回訪問時はこの「石橋の湯」に男湯の札がさがっていましたが、今回もチェックインした日はこちらが男湯でした(0時を超えると女湯)。秘湯を守る会の提灯を診ながら中へお邪魔しましょう。
前回訪問から1年程度しか経っていませんから、お風呂の様子は前回記事と全く変わっていませんでした。
石材が多用されている浴室は、落ち着きと気品を兼ね備えた空間。今回は日没後にチェックインしたため、このお風呂を利用した時、既に窓の外は漆黒の闇でしたが、日中でしたら遠くまで広がる山の景色が眺められ、屋内でありながら非日常的な開放感を楽しむことができます。室内の洗い場にはシャワー付きカランが5基並んでいます(カランから出てくるお湯は真湯です)。
4~5人サイズの浴槽は大きな岩を鑿で刳り抜いたような形状。その厚い縁はやわらかな曲線を描いており、石材なのに柔らかな温かみが伝わってきます。明るい時間に湯船へ入ると、窓外の景色を一望することができますよ。優しさと落ち着き、そして重厚さを兼ね備えたような趣きのあるお風呂です。
前回訪問時は、熱いお湯を冷ますためなのか、投入量が絞られており、それゆえお湯の鮮度感が若干心細かったのですが、今回は投入量がやや増えており、鮮度も向上していました。その分、湯加減がちょっと熱めでしたが、しっかり掻き混ぜればちょうど良い具合に落ち着いてくれました。
●芍薬の湯
暖簾替えされた翌朝は、その隣の「芍薬の湯」へ。
浴室のコンセプトは「石橋の湯」とほぼ同じですが、室内レイアウトのほか浴槽の形状が若干異なり、「石橋の湯」の浴槽を歪な形にして一回り小さくしたような感じです。洗い場にはシャワー付きカランが5基(4基?)設けられ、カランからは真湯が出てきます。
入り心地の良い浴槽。湯口から注がれる温泉は非常に熱いので、投入量を絞ってチョロチョロと注がれています。その絞り具合が実に良い塩梅であるため、浴槽の湯加減も最適温。私は後述する露天よりもこの内湯ばかりに入っていました。適温且つニュルニュルのうなぎ湯は実に気持ち良いですよ。
「石橋」と「芍薬」で決定的に違うのは、露天の有無。「芍薬」には露天風呂が付帯しているんですね。露天といっても一人用の樽風呂なのですが、高台に設けられたテラスの先端に設置されており、湯船に浸かりながら中山平温泉や鳴子峡上流の景色を眼下に見下ろすことができるのです。しかもちょうど真下に陸羽東線の線路が横切っています。チェックイン時にお宿の方が「運が良ければ列車が走る姿を見ることができますよ」と言っていたのですが、今回の旅行で同行した私の親族はその言葉の通り、実際に入浴中に列車と遭遇したそうです。
内湯同様に湯口から注がれるお湯は大変熱くてチョロチョロと絞られているのですが、外気の影響を受けにくい内湯と異なり、この露天は思いっきり冷めやすい環境ですから、まだ残雪が目立っていた早春の朝は、正直なところかなりぬるく、あまり長湯できませんでした。せっかく素晴らしい景色なのにもったいなかったのですが、季節によっては適温の状態で素敵なパノラマをほしいままにできるものと思われます。特に秋の紅葉シーズンは最高だろうなぁ・・・。
次回記事では他のお風呂を取り上げます。
次回に続く・・・
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