陽明山天籟温泉付近の民泊

台湾

※今回取り上げる施設は、場所や名称などを具体的に公表して良いか判断しかねるため、念のため、曖昧な表現とさせていただきます。もし詳細を知りたい場合は、本記事にコメントをお寄せいただくか、私個人あてにメールをお送りください。

このブログをご覧の方なら想像に難くないかもしれませんが、台湾にはたくさんの温泉宿があり、庶民派から高級リゾートまで、あらゆるニーズに応えてくれる施設が各地に点在しています。大都市台北の近郊にも多くの温泉ホテルがあり、特に北投温泉は台湾の温泉事情を知らない日本人旅行者の利用も多いようですが、北投の後背に位置する陽明山エリアにも温泉宿泊施設がたくさん営業しており、その一部は大手宿泊予約サイトからの予約も可能です。とはいえ、そのようなサイトからできる予約できる台北近郊の施設は、総じてお値段が高い傾向にあるため、個人旅行者はちょっと躊躇ってしまうかもしれません。かく言う私もその一人であり、いままで何度か台北近郊の温泉ホテルで宿泊を検討したのですが、コストパフォーマンスを考えて敬遠しておりました。

そんな私が2019年3月の旅で利用したのが民泊の“Airbnb”(エアビーアンドビー)。台北から近い場所で温泉に入れる施設を調べたら、大手予約サイトよりも高い料金設定の施設が表示されて驚いたのですが、台北からちょっと離れて金山方面で再検索すると、白濁のお湯に入れ、かつ比較的お手頃な価格で宿泊できる場所を見つけたので、どんなところか興味津々で泊まってみることにしました。

陽明山国家公園の中を貫く陽金公路を北東に向かってドライブ。陽明山の中心部から金山に向かって山を下り、八煙温泉付近で右手へ逸れる道に入り、坂道をちょっと上がると、有名な温泉リゾートホテル「陽明山天籟温泉」があります。アプリ内で施設のホストと連絡をかわした際、まずはこのホテルの前で待っていてほしいとメッセージを受け取ったので、その通りに待っていると、数分後にホスト(※)の女性が車でやってきて、私の車を誘導してくれました。
(※)ホストの女性という表現には不自然さを覚えますが、AirBnBでは物件所有者をホストと呼んでいるため、ここでの表現はホストで統一させていただきます。


「陽明山天籟温泉」の南側には、自然豊かな山の中の静かな環境とは不釣り合いなマンション群があるのですが、私の車はその中へと導かれました。おそらくここは別荘用に開発されたものと思われますが、その中の一室が今回の宿泊先のようです。なお具体的な場所については触れないでおきます。


マンションはメゾネットタイプで、外観から推測すると4~5階建のようですが、私は階段を上がった2階にある扉から入るよう案内されました。玄関から中に入ると、リビングルームが広がり、その先の障子のようなもので隔てられた奥の部屋がホストの方の生活スペースとなっているようです。
リビングルームは宿泊者共有のスペースとして開放されており、本棚には日本語の書籍もたくさん並んでいます。ホストの女性は日本語を学習なさっていたらしく、私とは日本語でお話ししてくださいました。海外旅行先で自分の母国語が使えると、とても安心しますね。


この日私が案内されたのは、2階のこのお部屋(上画像)。オーナーが女性だけあって、枕元にぬいぐるみが置かれていたり、ガラスのフィルムにメルヘンチックなイラストがプリントされていたり、備え付けのマグカップがスヌーピーだったりと、室内はとてもファンシーな雰囲気です。清掃も行き届いており、実に綺麗でした。


水回りも清潔感が漲っており、そんじょそこらのホテルは顔負け必至です。後述する温泉のお風呂のほか、お部屋に付帯しているシャワールームで汗を流すことも可能です。


上述のリビングルームがあるフロアから階段で1階層下った先にあるのが、上画像に写っている温泉露天風呂。当然私はこのお風呂に入りたくて、こちらの施設を予約したのでした。民泊なのに温泉露天風呂に入れるだなんて驚きです。露天といっても周囲は塀に囲まれているため開放感はありませんが、ゆとりのある空間で外気を感じながら温泉入浴できるのですから、それだけでも十分幸せです。


壁には温水シャワーも完備。


浴槽は2つあるのですが、今回使わせていただいたのは、そのうちの一つ。施設内を案内されるとき、このお風呂についても説明してくださいますが、基本的には自分でお湯を調整します。湯口の脇にあるコックを開けて一旦部屋に戻り、30分ほど待ってから再びお風呂へ下りると、いい塩梅で白濁のお湯が浴槽に張られていました。


いい湯だなぁ。
源泉から引いたお湯をそのまま浴槽へ注いでおり、かなり良いコンディションの白濁湯を堪能することができました。馬槽、八煙、焿子坪など、陽明山エリアの北東側には白濁湯の温泉が点在していますが、ここもその典型例であり、ややグレー色を帯びて濁るお湯はマイルドな酸味と砂消しゴムのような硫黄味を有しています。どの源泉からお湯を引いているのかわかりませんが、場所的には焿子坪に近いため、ここのお湯の特徴は焿子坪に似ているような気がします。湯加減を自分で調整できるため、私はちょっとぬるめにして、じっくりと長湯を愉しみました。

私は夜と朝、それぞれ一回ずつ白濁湯に入らせていただきました。良いお風呂に入れるひと時ほど、幸せを感じる瞬間はありません。ホストの方は笑顔が素敵な明るい方で、滞在中は不便が無いようにいろいろと配慮してくださいました。お部屋は綺麗、ホストの方は明るく親切、そして白濁の硫黄泉に入れちゃう…。とても満足度の高いお宿でした。

路線バスでアクセスする場合は皇家客運1717バスの「金山農場(天籟溫泉會館)」で下車することになるかと思いますが、具体的にはアプリで当施設を見つけ、ホストの方にお問い合わせください。

新北市金山區山城路

詳しくはAirBnBで「新北市金山」エリアの施設(天籟温泉付近)を検索してください。
なおこちらでの宿泊をご検討の場合、付近には商店が何も無い為、食事や宿泊中の軽食(飲料)などは事前に調達しておくことをお勧めします。

私の好み:★★★

コメント

  1. Lunta より:

    Unknown
    先日松山空港に着陸する前、山の中に高層マンションが立ち並んでいるのを見て驚いたのですが、こちらもそのうちの一つでしょうか。
    温泉はマンションの共用施設なのですよね。
    お住まいの方は台北まで通勤するのかな。
    うらやましい住環境ですね。
    台湾に移住したくなっちゃいます。

  2. K-I より:

    Unknown
    Luntaさん、こんばんは。
    台湾旅行記、楽しく拝読しています。故宮南院の評判は私も聞いていますが、まだ行っていないので、今度是非足を運んでみます。
    確かに松山空港へ着陸する前に山の中のマンション群が見えますね。松山からこの場所まではちょっと離れていますが、もしかしたら、こちらもその一つかもしれません。
    ちなみに温泉のお風呂は各住戸にあります。つまり私が入った温泉に入れるのはオーナーと宿泊客のみです。私が泊った晩の客は私ともう一人の計2人でしたから、ゆっくり入れました。
    とても良い環境でした。
    台北は

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