山形温泉 蔵王荘

山形県

※残念ながら閉館しました。


蔵王温泉から路線バスで山形駅へ戻る途中、「山形温泉口」という名前の停留所があったので、そこで降りて温泉を探してみることにしました。辺りを見回すと、停留所目の前にあるベンツのディーラー付近でバス通りの県道から東側へ逸れてゆく路地(おそらく県道の旧道)があり、その道沿いに「蔵王荘」と書かれた古い鉄筋コンクリート造の建物があるのを発見。歩いて2~3分ぐらいでしょうか。建物前には10台くらいは余裕で停められそうな駐車場があります。

 
中に入ると、玄関ホールにはブルーシートが敷かれてその上に大きな木の枝が置かれていました。一体これはなんだろう。入浴を乞うべく声を掛けても誰も出てこない。仕方ないので勝手に靴を脱いで中へ上がって奥の方へと歩いてゆくと、やっと宿のおばさんが登場し、笑顔で入浴を受け入れてくださいました。浴室は玄関から廊下を進んで突き当たりを右折し、すぐ左側にありました。


男女別の内湯が一室ずつ。脱衣所手前にちょっとした休憩スペースがあって、そこには飲み物の自販機の他に4つほど貴重品用ロッカーも設けられています。

 
脱衣所はこんな感じ。あまり広くはありませんが、ちゃんとお手入れされています。ウッディな内装ですね。


タイル貼の浴室には、窓際に浴槽が1つ据えられ、その手前両側にシャワー付き混合栓(カラン)が3基ずつ(計6基)。カランから出るお湯は源泉使用です。ガラス窓の向こうはすぐに板塀なので景色を楽しむことはできませんが、窓と塀の間は植木が配され、ちょっとした箱庭みたいな感じです。


コップが置かれたカエルさんの湯口からは、加温加水循環消毒一切ない源泉のままのお湯が投入され、浴槽の縁から静かにオーバーフローしています。湯船に入るとお湯が一気にザバーっと溢れだし、豪快な気分が味わえます。

見た目は山吹色で笹濁り(ほぼ透明だが底がボンヤリ霞む)。味は薄塩味+鉄っぽい明瞭な金気+芒硝味+弱タマゴ味、匂いは弱い金気臭+土気臭+タマゴ臭でして、タマゴ的な味と匂いに関しては、一般的なタマゴ湯にありがちな知覚と異なり、モール的というか沃素っぽいというか海水っぽいというか、ちょっと不思議で表現しにくい味でした。芒硝泉ですが、重曹が多いためか硫酸塩泉的なキシキシ感はあまり感じず、むしろハッキリとしたツルツルスベスベ感が楽しめる、実に気持ちの良い浴感です。何度も肌をさすりたくなりました。尚、泡付きはありません。硫酸塩泉は無色透明でわかりやすい知覚的特徴に欠けることが多いのですが、ここのお湯はその例を覆すかなり特徴的な知覚が感じられました。とっても良いお湯です。

さてお湯から上がって玄関へ戻ると、先程はガランとしていた玄関に4~5人ほど爺さん婆さんが集まり、掌で紅色や白色の餅を丸めながら、それをブルーシート上の枝に刺していました。なるほど、餅花しだれを作ってるんですね。いかにもお正月らしい光景です。

ナトリウム-硫酸塩温泉 50.0℃ pH7.8 蒸発残留物3045mg/kg 溶存物質3222mg/kg

山形交通バス・蔵王温泉行または上山(高松葉山)行で山形温泉口バス停下車、徒歩2~3分
(蔵王温泉行は山形駅前から、上山行は駅から徒歩3~4分の山交ビル角から乗車)
山交バスホームページ

山形県山形市蔵王成沢173  地図
023-688-3333

10:00~21:00
300円
貴重品ロッカー・シャンプー類・ドライヤーあり

私の好み:★★★
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コメント

  1. henron より:

    Unknown
    はじめまして。いつも色々と参考にさせていただいております。
    蔵王荘、2015年3月で閉鎖したそうです。残念です・・・。

  2. K-I より:

    Unknown
    henronさん、はじめまして。いつもご覧くださりありがとうございます。噂には聞いていましたが、やはり半年前に閉館していたんですね。もうあのお湯に入れないのかと思うと、とっても残念です。教えて下さりありがとうございます。

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