湯宿温泉 金田屋旅館

群馬県

 
上州の湯宿温泉は私が好きな温泉地の一つでありまして、当地では以前に湯本館で一泊お世話になったことがありましたが、今回は金田屋旅館にお邪魔して日帰り入浴させていただきました。路地を跨ぐ渡り廊下の光景が印象的です。

 
帳場の前にさがっている「旅人宿」の札が宿の歴史を感じさせますね。

 
ロビーには明治初期に造られた箪笥が置かれていました。磨き直されているために明治の物とは思えないほど肌は白い輝きを放っており、また箪笥金具が描く麗美な幾何学模様にも心が奪われます。

 

内装が木曽檜張りの脱衣室を抜け、「弘須の湯」と称されている男湯の浴室へ。落ち着きと明るさを兼ね備えた清潔感の溢れる綺麗な室内からは、老舗旅館らしい矜持が伝わってきます。浴室の右側にはシャワー付き混合水栓が3つ並んでおり、左側にはヒサゴをを逆さにして半分に割ったような形状の、4~5人サイズの湯船が据えられています。浴槽の縁の全辺から静かにお湯が溢れ出ていました。

 
 
お湯は溶岩のようなゴツゴツとした岩から落とされて、賽銭箱のような木の蓋の箱に流れ込み、その箱の短い樋に載っている銅板上を流れて浴槽へと注がれています。その投入口の傍では、丸みを帯びた古そうな石のカエルが湯船を見つめていました。こちらに引かれているのは窪湯源泉でして、そのお湯は無色透明で清らかに澄み切っていますが、湯口の周りには白い析出がビッシリとこびりついており、このお湯が只者ではないことをビジュアル的に入浴客へ訴えかけているようです。お湯からは石膏や芒硝の味と匂いがはっきりと現れており、特に芒硝感がはっきりと伝わってきました。源泉温度が高いために加水されているそうですが、お陰で実に良い塩梅の湯加減となっており、しっとりと包み込んでくれる浴感や落ち着いたお風呂の雰囲気と相俟って、時間を忘れてずっと浸かっていたくなりました。

 
浴室入口付近には、赤谷川付近の湧水を冷やしたタンクが用意されており、湯上がりに一杯いただくと、キリリと冷えたその清水は実にのど越しが良く、体にスゥーッと素早く吸収されていきました。

窪湯
ナトリウム・カルシウム-硫酸塩温泉 59.1℃ pH8.0 蒸発残留物1.372g/kg 成分総計1.31g/kg
Na+:227mg, Ca++:156mg,
Cl-:120mg, SO4–:693mg,
H2SiO3:60.6mg,
源泉温度が高いため加水

JR沼田駅・後閑駅・上毛高原駅から関越交通バス・猿ヶ京行で湯宿温泉下車(沼田駅から約50分。沼田駅発のバスは後閑駅と上毛高原駅を経由します)
群馬県利根郡みなかみ町湯宿温泉608  地図
0278-64-0606
ホームページ

日帰り入浴13:00~16:00
550円
シャンプー類・ドライヤーあり、貴重品帳場預かり

私の好み:★★+0.5

コメント

  1. とんとん より:

    湯宿…
    湯宿温泉は、金田屋さんに限らず湯本館、大滝屋、太陽館… すべてどこに泊まっても 夕方から 四つの共同浴場(確か、竹の湯は閉まっているかな?)を巡る楽しさがあります。共同浴場は熱いです。お陰でかなり熱い湯にも入れるようになり、最近は ゥッとこらえて湯に入り 熱さにクラッとくる快感にも目覚め 都会の銭湯の熱い湯にも免疫ができました。
    でも旅館の湯は、みんなマイルドな温度(湯本館以外)です。ぬる湯好みの方も安心してください。

    観光地とは言えないこの温泉町に毎年10回は泊まってます。

  2. とんとん より:

    湯宿…
    湯宿温泉は、金田屋さんに限らず湯本館、大滝屋、太陽館… すべてどこに泊まっても 夕方から 四つの共同浴場(確か、竹の湯は閉まっているかな?)を巡る楽しさがあります。共同浴場は熱いです。お陰でかなり熱い湯にも入れるようになり、最近は ゥッとこらえて湯に入り 熱さにクラッとくる快感にも目覚め 都会の銭湯の熱い湯にも免疫ができました。
    でも旅館の湯は、みんなマイルドな温度(湯本館以外)です。ぬる湯好みの方も安心してください。

    観光地とは言えないこの温泉町に毎年10回は泊まってます。

  3. とんとん より:

    湯宿…
    湯宿温泉は、金田屋さんに限らず湯本館、大滝屋、太陽館… すべてどこに泊まっても 夕方から 四つの共同浴場(確か、竹の湯は閉まっているかな?)を巡る楽しさがあります。共同浴場は熱いです。お陰でかなり熱い湯にも入れるようになり、最近は ゥッとこらえて湯に入り 熱さにクラッとくる快感にも目覚め 都会の銭湯の熱い湯にも免疫ができました。
    でも旅館の湯は、みんなマイルドな温度(湯本館以外)です。ぬる湯好みの方も安心してください。

    観光地とは言えないこの温泉町に毎年10回は泊まってます。

  4. K-I より:

    Unknown
    >とんとんさん
    仰るように、観光地らしくない佇まいと、お宿の間を縫うように伸びる石畳の路地が、なんとも言えない風情ですよね。私も好きな温泉地のひとつです。
    湯宿の共同浴場はどこも熱いですよね。以前、夏に湯本館へ泊まって、その晩に共同浴場をハシゴしたことがあるのですが、その時は熱いお湯で体が火照って、フラフラになってしまいました(笑)。温泉に入って体調を崩すのは、私の悪い癖です…。今のように寒い冬に、あのような熱い風呂に入って、地元のお年寄りは倒れたりしないんでしょうか…。

  5. K-I より:

    Unknown
    >とんとんさん
    仰るように、観光地らしくない佇まいと、お宿の間を縫うように伸びる石畳の路地が、なんとも言えない風情ですよね。私も好きな温泉地のひとつです。
    湯宿の共同浴場はどこも熱いですよね。以前、夏に湯本館へ泊まって、その晩に共同浴場をハシゴしたことがあるのですが、その時は熱いお湯で体が火照って、フラフラになってしまいました(笑)。温泉に入って体調を崩すのは、私の悪い癖です…。今のように寒い冬に、あのような熱い風呂に入って、地元のお年寄りは倒れたりしないんでしょうか…。

  6. K-I より:

    Unknown
    >とんとんさん
    仰るように、観光地らしくない佇まいと、お宿の間を縫うように伸びる石畳の路地が、なんとも言えない風情ですよね。私も好きな温泉地のひとつです。
    湯宿の共同浴場はどこも熱いですよね。以前、夏に湯本館へ泊まって、その晩に共同浴場をハシゴしたことがあるのですが、その時は熱いお湯で体が火照って、フラフラになってしまいました(笑)。温泉に入って体調を崩すのは、私の悪い癖です…。今のように寒い冬に、あのような熱い風呂に入って、地元のお年寄りは倒れたりしないんでしょうか…。

  7. とんとん より:

    聞いたとこによると
    地元に聞いたら昔から お湯で倒れた話は聞いたことないとのことです。
    中には、40度くらいに20分くらい入っている入り方は水圧がかかり身体に悪いんでないかい…とか言われました。
    生まれた時から入っているし…

    上野の六龍鉱泉の熱湯とか、下町の銭湯の方が熱いですね。

    金田屋さんは、湯宿で初めて入った湯です。この待合で つげ義春を知りました。

  8. とんとん より:

    聞いたとこによると
    地元に聞いたら昔から お湯で倒れた話は聞いたことないとのことです。
    中には、40度くらいに20分くらい入っている入り方は水圧がかかり身体に悪いんでないかい…とか言われました。
    生まれた時から入っているし…

    上野の六龍鉱泉の熱湯とか、下町の銭湯の方が熱いですね。

    金田屋さんは、湯宿で初めて入った湯です。この待合で つげ義春を知りました。

  9. とんとん より:

    聞いたとこによると
    地元に聞いたら昔から お湯で倒れた話は聞いたことないとのことです。
    中には、40度くらいに20分くらい入っている入り方は水圧がかかり身体に悪いんでないかい…とか言われました。
    生まれた時から入っているし…

    上野の六龍鉱泉の熱湯とか、下町の銭湯の方が熱いですね。

    金田屋さんは、湯宿で初めて入った湯です。この待合で つげ義春を知りました。

  10. K-I より:

    Unknown
    >とんとんさん
    わざわざ教えてくださりありがとうございます。慣れが大きく左右しているのかもしれませんね。
    つげ義春の作品に影響されて温泉めぐりをなさっている方も多いかと思います。さすがに当時の面影をそのまま残すお宿はほとんど無いでしょうけど、あの影の濃い作風を見ながら、その時と現在を比較するもの面白いですね。

  11. K-I より:

    Unknown
    >とんとんさん
    わざわざ教えてくださりありがとうございます。慣れが大きく左右しているのかもしれませんね。
    つげ義春の作品に影響されて温泉めぐりをなさっている方も多いかと思います。さすがに当時の面影をそのまま残すお宿はほとんど無いでしょうけど、あの影の濃い作風を見ながら、その時と現在を比較するもの面白いですね。

  12. K-I より:

    Unknown
    >とんとんさん
    わざわざ教えてくださりありがとうございます。慣れが大きく左右しているのかもしれませんね。
    つげ義春の作品に影響されて温泉めぐりをなさっている方も多いかと思います。さすがに当時の面影をそのまま残すお宿はほとんど無いでしょうけど、あの影の濃い作風を見ながら、その時と現在を比較するもの面白いですね。

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