先日アップしました九州最大規模を誇る某所の野湯を楽しんだ日は、私にとってのちょっとしたanniversary。いつもはお手頃な宿で晩を過ごしていますが、せっかくですからこの日ばかりは記念日にふさわしい素敵な宿に泊まろうと考え、霧島山麓の丸尾温泉にある評判のホテル「旅行人山荘」で一晩を過ごすことにしました。インターネット上では一人客の予約を受け付けていないようですが、直接電話すると、空室状況によって受け入れてくれます(一人で宿泊する場合は追加料金が発生します)。
山荘という名前とは裏腹に、建物は立派ですし、ロビーもラグジュアリー感が漂っています。ラウンジにはグランドピアノが置かれており、時間によって演奏も行われるようです。
エレベータホールにも臙脂の絨毯が敷かれていました。格調高い館内です。
今回の客室は、一般客室よりお値段がちょっぴり高い、改修済みの洋室(禁煙ツインルーム)をチョイスしました。広々している室内はとても綺麗で、ひと通りの家電類も揃っています。Wifiも飛んでいるのでネット環境も問題無し。なぜか枕元には「古事記」が置かれていたのですが、これって特別な意味でもあるのでしょうか。
客室内に取り付けられている洗面台は深くて広い使いやすいタイプが採用されていました。なお、バスルームにはバスタブも設置されていましたが、次回記事以降で紹介するように、館内にはたくさんのお風呂はあるため、客室のお風呂は利用しておりません。体に障害をお持ちの方など、大きなお風呂の利用が難しい方にとっては、こうした部屋付きの風呂が重宝するかと思います。
全客室は南側を向いており、霧島の山腹に位置するこのホテルからは、錦江湾へと広がる山懐と国分平野、そして湾越しに聳える桜島を一望することができました。この日は遠方に薄い雲がかかり、またPM2.5の飛来もあったのか、晴れていたわりには視界がいまひとつでしたが、空がクリアに澄むと開聞岳まで眺望できるんだとか。
ホテルの庭では、早朝にシカが餌を啄ばんでいました。
上の画像でシカがお腹を満たしていた芝生の庭へ出てみましょう。
庭の一角には、石垣に囲まれた立派な造りの飲泉所が設けられており、石臼のような注ぎ口から無色透明の温泉が落とされていました。説明によれば、このお湯は丸尾12・13・14・15号混合泉という源泉で、泉質名は単純泉ですが、実際に飲泉してみますと硫化水素の匂いが香り、硫黄泉のような味わいが口に広がりました。なおこのお湯は次回記事で取り上げる2つの大浴場などにも引かれていますので、お湯に関する細かなインプレッションはまた改めて記載させていただきます。
広い庭の南端には足湯「龍石の湯」が設けられていました。足湯の中央に据え置かれているオブジェを兼ねた湯口が龍石なのでしょうね。もちろん眺望の先には錦江湾が広がり、桜島が聳えています。
●食事
お食事は眺めの良い食堂でいただきます。電話予約の際に夕食のグレードアップをお願いしておきました。鹿児島県産の食材を使った懐石料理とのことですが、果たしてどんな食事を楽しむことができるのでしょうか。まずはアペリティフの梅酒で口の中を湿らせます。
上画像はお宿オリジナル「大隈鍋」味噌仕立て。黒豚ばら肉・赤鶏つみれ・地元の野菜などの具材を、名前の通りの味噌仕立てスープでグツグツと煮込みます。
左(上)画像に写っているお造りは、白身魚・花エビ・まぐろ。
右(下)画像の上は黒豚軟骨煮(さつまいもやこんにゃくとともに)、そして下の横に長いものは、大名竹の焼き物。酢味噌でいただきます。季節ならではの味覚ですね。
溶岩焼きで使われる溶岩は、先ほど客室の窓から眺めた桜島で採れたもの。この上で和牛・エリンギ・そしてお野菜をジュワーっと焼きます。多孔質の溶岩が余計な脂を吸収してくれるので、いい感じに焼きあがるんですね。
右(下)画像はきびなごの天ぷらです。きびなごは鹿児島県の郷土料理には欠かせない、ご当地ならではのお魚ですね。
終盤にいただくのは、かやくご飯やお吸い物、そして締めくくりのフルーツです。
前菜からメイン、そしてデザートに至るまですべてがブリリアント。
品数が多いので、中盤あたりで満腹感を覚えるのですが、それでも美味しさが食欲を後押しするので、次から次へどんどん箸が進み、さすが無芸大食を自認するだけあって、気づけば全てを平らげていました。
こちらは朝食。小鉢類が多くて彩り豊かですね。鉄板で干物を炙るので、焼きあがる頃に鉄板から漂ってくる芳ばしい匂いが、白いご飯をより一層美味しくしてくれました。
さて次回記事からは温泉浴場に関して触れてまいります。
次回に続く。
コメント
Unknown
旅行人山荘、設備も食事もサービスも良くていいですよね。
名前でちょっと損をしているような気もします(笑)が、すでにかなり人気があるようなので問題ないのでしょう。
さて、K-Iさんはどの露天に入られたのか、楽しみです。
Unknown
Luntaさん、こんばんは。
こちらへ泊るにあたっては、Luntaさんのブログも参考にさせていただきました。おかげさまで素敵なひと時を過ごすことができました。サービスもロケーションも素晴らしかったです。でも、たしかに名前だけ見ると、トレッキング客が雑魚寝するようなイメージを受けますよね(笑)。
>さて、
あはは、恐縮です(笑)。貸切露天は2ヶ所入りました。その3とその4で述べるつもりです。うち一つはLuntaさんもお入りになったあの人気の露天です。詳しくはまた改めて(^^)
Unknown
こんばんわ^^。
はて?ここはK1殿のブログでしょうか?
前回のおどろおどろしい記事の次が、
この様な華やかであるハズが無いッ・・・!
まさか、私は先週から狐にストーキングを・・・?
もう一度確認しましたが、間違いなくK1殿の記事でした^^。
良いですね!やはりこの様な記事も良いものです。
私も明日から3泊で小旅行ですが、ビジホですよ^^;
年末には万座が控えていますが、もうしばらく温泉は我慢。
ロビーもラウンジも、部屋も素晴らしいではありませんか!
朝起きたら、何も無い所で寝ていたと言う、
ドラクエの様なオチが無くて良かったです^^b
Unknown
ぬる湯マスターさん、こんばんは。
いつもは温泉界のもののけや珍獣たちを多く取り上げている拙ブログですが、この記事だけはちょっと変化球を投げてみました。たまにはラグジュアリ感の漂う宿もいいものですね。
私はこの三連休も出かけることなく東京です。帰宅してビールをちびちび飲みながら、日本シリーズを観戦しております。年末まで果たして温泉い出かけることができるかどうか・・・。