話の流れとしては前回記事から続きます。
宜蘭県大同郷の清水地熱へ向かったにもかかわらず、以前あったはずの野湯に入浴できず落胆した私は、そこを去って別の野湯へ移動することにしました。その名は排骨渓温泉。排骨渓という小さな川の川岸に湧く小さな野湯です。スペアリブ(排骨)がプカプカと流れてきそうな名前ですが、お肉料理とは無縁な山の中にあり、野湯のわりには楽にアクセスできるため、台湾の温泉ファンや一部のアウトドア愛好家の間では名の知られた場所のようです。私も6年前に一度訪れたことがあり、渓流と一体になったワイルドかつ麗しいロケーションで野湯に入れたという悦びに心から感動しました。その感動をもう一度味わいたく、今回の旅行で再訪することにしたのです。
拙ブログでは2013年に取り上げております。その時の記事はこちらです。
「 排骨渓温泉」(2013年4月26日)
上の前回記事を書いたときには、吊り橋の下に車を停めて歩いたのですが、今回は川の水嵩が低かったため、レンタカー(普通の乗用車です)で直接川を越え、細い道を行けるところまで進みました。
舗装路が尽きるところで車を停め、更に道を歩き・・・
足元に気を付けながら坂を下りてゆくと・・・
川に出ました。
ここまでの道のりは前回と同じ。ここを右に曲がて下流側を目指せば良いはずです。
大きな岩を乗り越えて、先が見通せる場所(↑画像の場所)まで進むと、何かに気づいて一旦停止しました。
足元には、明らかに人間が掘った(あるいは堰き止めた)と思しき小さな池が複数個並んでいたのです。
池には温泉が流れ込んでおり、その温度は53.3℃という高温なのですが、いかんせん湧出量が少なく、そればかりか・・・
流れ込む川水の量が多いため、池では23.8℃まで下がっていました。また、池そのものも作られてから日数が経っているのか、砂利が入り込んでかなり浅くなり、人が入れるようなサイズではなく、せいぜい足湯をするのが精いっぱいでした。残念です。
入浴できずに落胆する私をあざ笑うかのように、池を堰き止める石の上ではカジカガエルが美声で歌いながら、重なり合ってイチャイチャと愛を育んでいたのでした。
でも6年前に入浴した野湯はここではなく、更に数十メートル下流へ進んだところでしたから、まだ諦めるのは早い。
川の中に入りながら、6年前に私が入浴した野湯があった場所へ向かったところ・・・
湯溜まりらしきものは皆無でした。おや、上画面の右の方で、岩の色がちょっと赤くなっている箇所があるぞ。
その変色している箇所に温泉が流れ込んでいるのは明らかなのですが、でも川水の流入が多く、とても野湯を楽しめる状況ではありません。
岩の隙間を調べたら、私の推測を裏付けるようにちゃんと温泉が湧出していたのですが、その量は僅か。これでは圧倒的に多い川水に負けてしまい、野湯どころではありません。
他にも湧出箇所は無いかと周囲を調べてみましたが、ここと同じく滲み出るような僅かな湧出が見られるだけで、入浴に適した湧出や、入浴に適したような湯溜まりの存在は確認できませんでした。6年の間に川の流れや河原の場所、そして湧出する温泉の状況が変化してしまったのですね。仕方ありません。
前回記事の清水地熱に続いて、ここでも野湯を諦めざるを得ませんでした。
残念です。
ここもダメならあそこしかない。「三度目の正直」と言う言葉を信じ、私は自分を再度奮い起こして、別の場所へと向かったのでした。
(次回に続く)
宜蘭県大同郷排骨渓
私の好み:評価不可
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