(2024年8月訪問)
日帰り入浴を楽しむべく、私の大好きな奥日光湯元温泉へやってまいりました。この温泉地で私は既に多くの施設で入浴を果たしているため、今回は初訪問となる施設を目指すことにしました。中心部から白根通りを進んでゆくと、右手に小西ホテルが見え、その奥に位置しているのが今回訪ねた「樹林(旧称日光グランドホテル)」です。
アプローチを進んでエントランス前の車寄せへ向かうと、「日帰り温泉」の幟が立っていました。各地を温泉巡りをしていると、この手の幟をはためかせておきながら「入浴できません」とけんもほろろに断ってくる施設と遭遇することがあるので、謝絶されることを覚悟しながらフロントで入浴をお願いしますと、快く対応してくださいました。ほっと一安心です。
浴場は通路を進んだ奥にあるのですが、その途中に「龍神の水」なる水場があり、手に取って飲んでみると清冽爽快でとっても美味。この水はホテルの敷地内から湧出しており、館内で使われる上水は全てこの湧水で賄っているとのこと。
長い通路をどんどん先へ歩いてゆくと、「鳳凰」と記された扁額がかかる浴室入口に行き当たります。右が男湯で、左の階段を上がった先が女湯。どうやら男女の暖簾は固定されているようです。なおこの先は撮影禁止のため、浴室内の画像は公式サイトから借用しております。
森の中に佇む木造の浴場はなかなか大きな建物で、窓に向かって低くなる片傾斜の屋根を戴いているのですが、強烈な硫黄による腐食を防ぐためなのか武骨な鋼材でしっかり補強されており、その影響でかなり圧迫感があり、そもそもの建物が持つウッディな雰囲気伝わりにくいかもしれません。公式サイトによれば2022年に改修が行われたらしく、この武骨な補強はその改修の結果なのかもしれません。更衣室から浴室に入ると、左右両側に洗い場が設けられており、左側は仕切板を伴う形で6個のシャワーが、右側(露天風呂側)は仕切り無しで5個のシャワーがそれぞれ並んでるのですが、私の訪問時は左側のシャワーの水圧が悉く弱く、それゆえ入浴客は皆さん右側を使っていらっしゃいました。木々を眺める窓の下に設けられた内湯は横長の造りで、温度調整のため加水されており、奥日光湯元温泉の他施設よりお湯が若干薄まっているような感を受けました。加水されているとはいえ湯加減はちょっと熱く、かといって適温まで下げちゃうとお湯の濃度もより薄まってしまうため、その辺りのバランスのとり方は難しいところですね。
露天風呂は木立の中の裏庭みたいな空間に設けれられおり、木組みの浴槽でキャパは4~5人程度。内湯と違って露天は加水無しの完全かけ流しです(加水せずとも高原の冷涼な空気で冷めるようです)。なお湯口から出てくるお湯は激熱ですから迂闊に触っちゃだけですよ。奥日光湯元温泉のお湯ですので、青白く濁る湯船からは硫黄の香りが強く放たれ、酸味は弱い代わりに苦味や渋味、そしてえぐみなどがはっきりと感じられます。実に良いお湯です。
余談ですが、お風呂から上がって施設を出てバス停方面へ向かって歩いている時、近隣ホテルの敷地内でシカの親子と遭遇しました。かわいらしいですね。
奥日光開発1~7号、森林管理署源泉混合泉
含硫黄-カルシウム・ナトリウム-硫酸塩・炭酸水素塩温泉(硫化水素型) 75.7℃ pH6.5 437L/min(掘削自噴及び動力揚湯) 溶存物質1.399g/kg 成分総計1.519g/kg
Na+:165.0mg(37.91mval%), Ca++:219.2mg(57.76mval%),
Cl-:112.5mg(17.56mval%), HS-:6.7mg, S2O3–:1.2mg, SO4–:490.6mg(56.62mval%), HCO3-:267.6mg(24.32mval%),
H2SiO3:87.0mg, HBO2:22.1mg, CO2:95.0mg, H2S:24.1mg,
(令和6年8月14日)
加温循環ろ過消毒なし
気温の高い時期のみ湧き水にて加水あり
栃木県日光市湯元2549-7
0288-62-2411
ホームページ
日帰り入浴時間は施設へお問い合わせ
1000円
シャンプー類・ドライヤーあり
私の好み:★★+0.5
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