私のような粗忽者が各地を湯巡りして何か所もの温泉施設を訪れていると、以前に入湯しているにもかかわらず、そのことを忘れて再び訪問してしまうことが度々起ってしまうのですが、白布温泉の「東屋旅館」もその好例。奥羽三高湯のひとつである白布温泉には、西屋・中屋・東屋という3軒の茅葺屋根の旅館が連なり、その昔ながらの風景には誰しもが心を惹かれたのですが、2000年に発生した火事によって中屋と東屋が烏有に帰し、中屋は別の場所へ移転、東屋は新たに建て直され、茅葺屋根は西屋だけになってしまいました。
(画像は左(上)が2004年冬、右(下)が2010年初秋)
私は2004年冬に東屋へ入湯したことがありました(その時たまたま西湯は日帰り入浴がNGだったため)。既に東屋は新しい建物になっていましたので、東屋と西屋の外観の区別は明確なはずですが、脳味噌の皴が少ない私の頭は年月の経過とともに両者が混同してしまい、昨年(2010年)初秋に白布を訪れた際、以前に行っていない方を選ぼうと考えたのですが、どちらがそれに該当するか分からなくなり、長半博打のつもりで訪ったのが東屋。
玄関に入っても過去に訪問したことには気づかず、廊下を歩いているうちに「あれ、怪しいな」と思い始め、浴室の様子を見てようやく「あ、ここ以前にも来てるじゃん」と確信するに至りました。
気付かずに再訪したからって、全く気落ちすることなく、むしろ浴室に入った途端、3本の滝湯が大音響を轟かせながら浴槽へ落ち行く様と再対面して大興奮。湯量豊富な温泉は何度見ても良いものです。西屋の内湯にもほとんど同じスタイルの滝湯がありますから、白布温泉の湯屋はこれが標準なんでしょうね。ということは焼失した中屋がどうなっていたかも知りたいものです。
滝湯から注がれた大量のお湯が浴槽を満たし、その量があまりに多いため、お湯は浴槽から豪快に溢れ出てゆきます。湯船の中には真っ白な大小の湯の華がたくさん舞っており、黒い石造りの浴槽の底に沈殿した白い湯の花がスポットライトに照らされ、白黒のコントラストが鮮明になって実に美しい。絶え間なく大量投入される新鮮なお湯は無色透明、弱タマゴ臭+石膏臭、弱タマゴ味+石膏味+甘みを帯びています。石膏泉はキシキシする浴感であることが多いのですが、こちらのお湯は石膏泉ながらキシキシよりスベスベの方が勝っていました。
(画像は左(上)が2004年冬、右(下)が2010年初秋)
内湯のみの西屋とは異なり、東屋には庭園風の露天風呂が用意されています。前回訪問時はここで欧米の方が露天風呂を楽しんでいたのが印象的でした。伝統的な温泉旅館で露天風呂に入ることこそ、まさに日本観光の真髄じゃないかと思います。
粗忽な私は貸切風呂が使えることをすっかり忘れ、二度の訪問のいずれにおいても、うっかり貸切風呂に寄らずに帰ってしまいました。貸切風呂は2室ありますが、うち1室の浴槽は岩をくりぬいて造られたとっても趣のあるものです。
何度入っても良い温泉には飽きることがありませんね。今度は宿泊で利用したいものです。
白布温泉分湯枡(白布第1号・第2号・第3号源泉)
カルシウム-硫酸塩泉 56.8℃ pH7.8 蒸発残留物1262mg/kg 溶存物質1244mg/kg
米沢駅から山形交通バス・白布温泉行で白布温泉下車(約40分・920円)
バス時刻表
山形県米沢市大字関1537 地図
0238-55-2011
ホームページ
日帰り入浴11:00~17:00
500円
シャンプー類・ドライヤーあり、貴重品は帳場預かり
私の好み:★★★
コメント
ここんちだぁ!
駐車場で従業員の親父に『そこは、宿泊者専用だ』と難癖を付けられました、そこまでしてお客を不快にするなら、解り易く表示しとけ!
その後、入浴は腹立たしくなり取止めました!
もう、どんな良い湯でもリストからはずしました、二度と宿泊も日帰りも無いです!