大川原温泉 ふくじゅ草会館


国道394号線を黒石から八甲田方面へ登ってゆく途中の山間にポツンと存在する大川原は林業を生業をしてきた集落で、切り出した木材の集積所や加工所が点在しています。この大川原集落の共同浴場が「ふくじゅ草」会館。温泉とは縁の無さそうな山林の集落にも掛け流しの温泉浴場が存在しているんですから、青森県って本当に凄いですね。国道の現道から在地へ下りる旧道への分岐点に看板が立っていますから、それに従って進んでゆくと、やがて集落の中心部に辿りつき、会館もすぐ目に入ってきます。訪問時は夕暮れ時の最混雑時間帯だったようで、老若男女を問わず、小脇に桶を抱えた集落の皆さんが次々に建物へ吸い込まれていました。


昼間は地元の老人会の方々が受付を担当していますが、朝8時前や夕方5時以降はお爺さんお婆さんがおうちへ帰っていますので係員不在となり、各自で専用の料金入れにお金を投入します。
脱衣所手前の小ホールの壁には蓑やすげ笠、そしてたくさんの写真が掲示されていますが、いずれも当地を象徴する奇祭「火流し」にまつわるものです。「火流し」については関係諸ページ(こちらこちらなど)をご覧ください。
館内は脱衣所を含めてよく手入れされており、清潔で気持ち良く利用できました。


浴室は全面タイル貼りでこじんまりとした造り。洗い場カランはシャワー付き混合栓が6基、一列に並んでいます。浴槽は窓の下に2つ並んでおり、手前側は長方形の形状でやや熱めのお湯が張られ、奥は五角形の形状でお湯は加水されており丁度良い湯加減でした。お湯は無色澄明無味無臭(強いて言うならアルカリ性泉的な微収斂が僅かに感じられました)、クセが無く当たりの優しいスベスベの浴感で、よく温まるのに湯上りはさっぱり爽快、お肌もしっとり潤います。
特筆すべきは掛け流されているお湯の量でして、洪水ほどではありませんが、両方の浴槽とも縁から絶え間なくたっぷりとオーバーフローしており、お風呂では常に新鮮なお湯が楽しめました。

上述のように大混雑時間帯(日曜の夕方)に訪問してしまい、浴室に6~7人、そして脱衣所に3~4人が常時入れ替わっているような状態でした。それだけ地元の皆さんに強く強く愛されているお風呂なんですね。

萢森温泉(再分析)
アルカリ性単純温泉 51.9℃ pH8.93 湧出量測定不可(動力揚湯) 溶存物質0.278g/kg 成分総計0.278g/kg
Na:64.1mg(98.59mval%), HCO3:74.0mg(42.91mval%), CO3:18.0mg(21.27mval%)

弘前駅もしくは黒石駅より弘南バス・大川原行で終点下車すぐ(黒石駅から約45分・一日4往復)
青森県黒石市大字大川原字萢森下8  地図
0172-54-2249

6:00~21:00
200円
貴重品ロッカーあり、他の備品類なし(販売もなし)

私の好み:★★

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