馬場温泉 外風呂

宮城県


鳴子温泉ファンのみならず全国の温泉ファンならみなさん御存じの超有名な温泉「馬場温泉」。こちらには日帰り入浴ができる旅館の他、昔ながらの風情が味わえる小さな湯小屋があって、ここを訪れる温泉ファンなら誰しもがその湯小屋を目当てに訪れるかと思います。私は旅館の方のお風呂なら入ったことがありますが、一棟まるごと貸切の湯小屋には、先客が利用中だったなどの理由で、いままで利用できる機会に恵まれず、食事で好物を最後まで残しておく性格の私は、その後何度も鳴子界隈を訪れていながら、敢えて湯小屋に踏み込もうとはしませんでした。でもさすがにそろそろ我慢も限界に達し、皆さんが絶賛するお湯を体験してみたくなったので、2012年1月某日、駅からてくてく歩いて馬場温泉へと向かいました。


まず旅館の帳場で料金を支払います。残念ながら湯めぐりチケットは使えないんですね。

 
旅館の並びに建つ母屋は登録有形文化財。見惚れちゃいます。

 
さて、お目当ての湯小屋へ。昔は湯小屋も登録有形文化財の指定を受けていたんだそうでしが、2001年に建て替えられたそうです。たしかに全体的に新しいのですが、それでも伝統的な湯屋の形状をしっかり踏襲しており、木造建築ならではの趣ある佇まいがそこかしこから漂っていました。
余談ですが、むかしの便所(雪隠)ってこんな感じでしたよね。

 
裏にまわると温泉の排湯を活用した洗濯場が…。昔ながらの生活密着型の温泉って良い風情じゃありませんか。そして隣接する池にも管からお湯が落とされていました。

 
このお風呂は貸切ですから、利用する際はこの札を裏返して「入浴中」にします。

 
脱衣室と浴室一体型の伝統的な構造に思わず心がときめきます。室内にはモール泉の芳醇な香りが充満していました。この室内と匂いだけで既に大興奮。


棚と籠しかない至ってシンプルな脱衣所。棚の上に掲げられた扁額の注意書きには「入浴は三十分以内」と書かれていました。貸切ですからあまり一人占めしちゃいけませんよね。

 
モルタルの床に浴槽が据えられている極めて簡潔な造り。全体的にお湯によって薄らコーヒー色に染まっています。浴槽は2人サイズ、湯口から注がれた源泉そのままのお湯は、浴槽縁の切り欠けから溝へと流れ、裏手の洗濯場へと落ちていきます。

 
加水されない黒いお湯は結構熱め。浴槽内は成分付着により、まるで漆器のように美しく黒光りしていました。なんて美しいんでしょう。元々琥珀色透明のお湯は、この槽内着色のために、更に濃くコーラのような色に見えました。モール臭が強く、これに微かな鉱物油臭と石膏を焼いたような匂いが混ざって、湯面から香っています。また口に含むとほろ苦みと重曹味に加えて弱い炭酸味が感じられます。
湯口から浴槽へ落とされる時点で、既に湯面が泡でいっぱいなのですが、もちろん泡の多さは見た目のみならず…


お湯に入ると全身忽ち泡だらけ。これには声を上げて大興奮してしまいました。泡のおかげもあって、非常にツルツルスベスベ気持ち良い浴感。ちょっと熱めですが、体が慣れれば問題なくじっくり浸かれました。
熱いお湯なので湯上がりはかなり火照りますが、モール泉のおかげで決してベタつくことはなく、むしろホコホコしているのに非常にサッパリとした爽快感が持続しました。天下の名湯ここにあり。温泉ファンのみならず、ここを訪れた皆さんが異口同音に称賛する気持ちに、ようやく私も追いつけました。もっと早く訪問しておくべきだった…。いや、1400近い温泉に入ってきたからこそ、ここのお湯の良さを実感できたのかもしれません。

馬場の湯1号泉
ナトリウム-炭酸水素塩温泉 47.2℃ pH6.8 蒸発残留物1200mg/kg 溶存物質1809.0mg/kg
Na:420.0mg(93.36mval%), HCO3:1121.5mg(92.78mval%),
H2SiO3:190.0mg, 遊離CO2:283.5mg,

JR陸羽東線・鳴子御殿湯駅より約17分(1.3km)
宮城県大崎市鳴子温泉字馬場102  地図
0229-83-3378

9:00~19:00
300円
備品類なし
ちなみに旅館のお風呂は11:00~20:00、400円
両方利用する場合は500円

私の好み:★★★

コメント

  1. しーさん より:

    いいですね~
    泡付きの良さは今も健在のようですね。画像からもよ~くわかります。

    泡付きの良い温泉のほとんどが「温いお湯」だと思っていましたが、ここは熱くて泡付きの良い、めずらしい温泉だと思ってます。

    私も数年前に入浴させていただきましたが、熱くて苦労したのを思い出しました。その時は数十回、掛け湯をしてようやく湯船に浸かることが出来たのでした(^^ゞ

    レポートにも書かれていますが、このお湯って湯上りが爽快なんですよね。

    鳴子が自宅から近ければなぁって思ってしまします。

  2. K-I より:

    感動のアワアワ
    こんばんは。
    >ここは熱くて泡付きの良い、めずらしい温泉
    おっしゃる通り、珍しい存在ですよね。しかも、入るのに難儀するほど熱いお湯なのに、その熱さで体がのぼせても、湯上がりの極上な爽快感のおかげで、火照りをすっかり忘れてしまうのも、なんとも不思議な体感でした。半端ない泡付きや濃いモール的特徴のみならず、あの爽快さに比類する温泉って他になかなか思い浮かびません。お風呂から上がって鳴子御殿湯駅まで歩く道すがら、あまりの身の軽さに思わずスキップしたくなったほどです(^^)

  3. ぱと より:

    Unknown
    馬場ですね!若女将さんは元気でしたか?馬場デビューした時に湯小屋の札を返し忘れて、オバチャンが入って来てギャーと叫ばれました(汗)裸を見られたのは自分なのに…!鳴子温泉を語る上で馬場の湯小屋は外せない極上の一湯ですね!去年は震災があったので鳴子には行きませんでしたが今年は是非伺いたいです!

  4. K-I より:

    Unknown
    >若女将
    この時はお目にかかれませんでした。
    馬場は内風呂なら以前に利用したことがあるのですが、外風呂は今回が初めてでして、どうしてもっと早く入らなかったんだろうと後悔しきりでした。でも本当に極上の湯ですね。あのお湯の感触は忘れられません。ぱとさんも是非今年は鳴子へGOです(^^)

  5. 国民温泉 より:

    Unknown
    昨日1泊しました。内も外も存分に堪能できてよかったです。
    外湯は毎日午後2〜5時頃、地元の”まゆみちゃん”が制限時間30分のところ1時間半くらい入るので、決して怒らず内湯で穏やかに待つのが良いですね。
    私はスモールピープルなので、無茶苦茶イライラしました(笑)

    女将が面白く。チェックアウト後30分くらい話し込んでしまいました。
    浴用に供されていない”馬場の湯3号泉”があるのですが、新潟からわざわざタライを持って入りにきた人がいるそうです。
    これって要するに、ヤフーブログで「宮城県の”とある地方”にやってきました」とか書いてる”とある人”のことですよね?(笑)

  6. K-I より:

    Unknown
    国民温泉さん、こんにちは。
    お泊りになったのですね。私はまだ宿泊利用したことがないので、いずれは泊まってゆっくり過ごしたいものです。午後2〜5時頃のお話も初めて知りました。なるほど、そのような事情があるのなら、その時間を避けたほうがよさそうですね。お知らせくださりありがとうございます。

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