湯の小屋温泉 葉留日野山荘

群馬県

※2013年に休業することとなったそうです。

 
湯の小屋温泉の中でもちょっと異色なお宿が「葉留日野山荘」。廃校になった分教場の木造校舎を改築して旅館として転用しており、いかにも学校らしい木造の建物、そして朱色のトタンを載せた三角形の尖がり屋根が特徴的です。本当は避暑を兼ねて一泊したかったのですが、なかなか時間がとれなかったので日帰り入浴してきました。

 
元々は学校ですから敷地内にはかつて校庭だったスペースもあるわけでして、思わず童心に戻ってかけっこしたくなりました。その一角にうんていと思しき施設を見つけたのですが、よく見たら藤棚でした。
玄関の下では先生じゃなくて宿のスタッフの方が草刈の真っ最中。お仕事中ごめんなさいと断った上で日帰り入浴をお願いしました。


お風呂は校舎ではなく、旧グラウンドの校門寄りに建てられているこの離れにあります。なお、この棟が湯屋であることを示す案内や表示はありません。

 
浴室棟は無人ですが、脱衣所は白基調で明るく清潔感が漲っています。


お風呂は内湯のみで露天はありません。
浴室はかなり広々としており、大きな窓のおかげもあって、開放的ながらも落ち着いた雰囲気です。また窓から見える木々の緑によって、今自分が自然豊かな山の中にいるんだということを実感させてくれます。浴槽は側面が黒色系のタイル貼りですが、浴室の床、浴槽の底、ともに鉄平石が用いられています。

 
梁がむきだしになっている高い天井も、開放的な入浴空間づくりに一役かっています。窓の外は旧校庭ですが、目隠しの御簾が立てられています。

 
洗い場にはシャワー付き混合栓が2基と、押しバネ式の水栓が3組設置されています。こちらで用意されているシャンプーは秘湯の会のものです。そういえばこちらのお宿は秘湯を守る会の会員なんですね。

 
備え付けの石鹸は、職人さんが一週間かけて作り上げたシャボン玉石鹸。肌にとっても優しく、洗髪にも使えちゃうんだとか。

 
浴槽は10人同時に入っても問題無さそうなゆとりのあるサイズで、ラッキーなことに、訪問時はこの大きなお風呂を一人で独占しちゃいました。デカい風呂を独り占めできる幸せや嬉しさって、言葉では表現できませんね。
浴槽へ入る箇所には小さな踏み台が沈められており、子供やお年寄りにとってはうれしい配慮と言えそうです。

 
湯口から源泉がしっかり投入されており、上述の踏み台が沈められているステップ付近の縁から惜しげもなくふんだんにお湯が溢れ出てゆきます。オーバーフローのお湯が流れてゆく床の鉄平石は石膏の影響なのか白っぽくコーティングされているようであり、その白色の着色具合によってはっきりと流路がわかります。また浴槽の縁は御影石が用いられていますが、この石材にも石膏が析出して、白い波状の模様を形成していました。

お湯は無色澄明で、薄々茶色の浮遊物(湯の華)がちらほらと湯中を舞っています。そして芒硝と石膏の味と匂いがそれぞれほんのりと感じられます。前回取り上げた「湯元館」で使用されている源泉は1号泉でしたが、こちらのお湯は2号泉であり、1号泉と比べて塩気が全くなく、全体的にあっさりしており、湯中の肌をさすってみるとツルスベの中に硫酸塩泉的な引っかかりが少々混在しているものの、湯上りはサラサラと優しい感触が得られました。また加水が無い完全掛け流しのお湯が提供されており、そのため訪問時はやや熱めの湯加減でしたが、懸命に湯もみをしたところ、水で薄めずに入浴することができ、湯の小屋温泉のお湯を混じりっ気のない状態で楽しむことができました。
緑豊かで静かな環境の中、澄み切った鮮度の良いお湯を味わうことができる、とっても素晴らしい施設でした。

湯の小屋温泉2号泉
単純温泉 63.4℃ pH8.2 蒸発残留物0.479g/kg 成分総計0.52309g/kg
Na+:114mg, Ca++:21.8mg,
Cl-:95.2mg, SO4–:110mg, HCO3-:54.4mg,
H2SiO3:95.3mg,

JR上越線・水上駅から関越交通バス・湯の小屋行きで終点下車、徒歩5分(水上駅より湯の小屋まで約50分)
群馬県利根郡みなかみ町藤原6289  地図
0278-75-2210
ホームページ

日帰り入浴時間14:30~18:00
500円
シャンプー類・ドライヤーあり

私の好み:★★★

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