青森県鶴田町の梅沢温泉は、東北を拠点に活動なさっている温泉ファンから高い人気を集めているちょっとマニアックな温泉です。拙ブログでは6年前の2010年に取り上げたことがありますが(当時の記事はこちら)、2015年秋に青森県へ出かけた際、久しぶりに再訪してみることとしました。
敷地内には湯屋の他、民宿棟や母屋などいくつかの棟がありますが、入浴する場合は駐車場の奥に立つ数寄屋門をくぐって、湯屋へ直接向かえば大丈夫。
門の近くには源泉があり、その手前には梅沢温泉名物の「悪く思わないで下さい」看板が立っています。オーナーさんの気持ちがダイレクトに伝わって来るハートウォーミングな表現ですが、このプレートをつくった業者さんは、クライアントから上がってきた原稿を見てどう思ったのでしょうか。
民宿棟と高架タンクの間に挟まれた湯屋専用の玄関へ。
下足場の右手には常連さんの風呂道具がたくさん並んでいました。地元の方々にとっては大切な湯浴みの場なんですね。
玄関を上がった先にある小さな机の上には長手盆が置かれており、入浴する際にはメモに自分の名前を書いて、そのメモと一緒に湯銭をお盆の上へ載せておきます(お釣りはないので、あらかじめ小銭を用意しておきましょう)。このようなスタイルで記名して入浴する浴場は、全国でも珍しいのではないでしょうか。
渋い佇まいの浴室も以前とまったく変わっておらず、窓があるのになぜか薄暗く、天井のてっぺんに湯気抜きがあるのに室内には湯気がこもり気味です。でもそうしたファクターがむしろ落ち着きをもたらしており、静かな環境で心穏やかに湯浴みすることができました。
室内に取り付けられている混合水栓は計4基。浴場のキャパから考えると明らかに過多な数の風呂桶が、洗い場の出っ張りに積まれています。
カランからは琥珀色をした温泉のお湯が吐出されます。また熱いお湯に影響されるのか、水のハンドルを回したらぬるい水が出てきました。一部のカランには、お湯に混じる固形物を濾しとるためか、蛇口の先に網が巻かれていました。
木箱の湯口上で湯浴み客を見つめる牛の置物も以前のまま。ポストみたいに細長い口から熱いお湯が注がれているのですが、湯加減調整のため、投入量は若干絞り気味です。それでも湯船は(私の体感で)44℃前後はあったかと思います。
床タイルはタイル張りですが、浴槽は立派な総木造で、1.5m×2mの四角形。3〜4人サイズといったところでしょうか。私が湯船に入ると、ザバーッと音を轟かせながら豪快にお湯が溢れていきました。完全掛け流しの湯使いですので、人が入らなくともお湯は絶え間なく浴槽縁の上を越えて洗い場へと溢れ出ています。
薄いコーヒーのような色を帯びた半透明のお湯には、茶色い湯の花がたくさん舞っており、口に含むと薄い出汁味を伴うしょっぱい味が感じられます。そして弱い臭素臭とアブラ臭が嗅ぎとれます。板柳から鶴田にかけての一帯には、茶色くてアブラ臭を漂わせる食塩泉系の温泉が点在していますが、こちらもそうした温泉のひとつに属するかと思われます。ツルツルスベスベの滑らかな浴感は大変気持ち良く、いつまでも浸かっていたいのですが、湯船のお湯が熱く、それでいて火照りやすい泉質ゆえ、決して長湯することはできません。むしろ下手に長湯すると疲労感を負ってしまうかもしれません。でもそれだけパワフルな熱の湯であり、津軽の厳しい寒さを乗り越えるための心強い味方なのであります。
佇まいといいお湯といい、まさに温泉ファン(というかマニア)受けしそうな至極の一湯でした。
ナトリウム-塩化物泉
49.8℃
(詳細な分析表の掲示なし)
青森県北津軽郡鶴田町横萢松倉51 地図
0173-28-2275
6:00〜21:00
200円
備品類なし
私の好み:★★★
コメント
相変わらずいい湯でした
K-Iさん、ご無沙汰しております<(_ _)>
先週、ここに3泊し、仰る通りのパワフルな湯を堪能してきました(^o^)
青森はどこに行っても個性豊かな温泉があって飽きないですね~♪
相変わらずいい湯でした
K-Iさん、ご無沙汰しております<(_ _)>
先週、ここに3泊し、仰る通りのパワフルな湯を堪能してきました(^o^)
青森はどこに行っても個性豊かな温泉があって飽きないですね~♪
Unknown
hiroさん、こんばんは。
こちらへ3泊なさったんですか。羨ましいです。あのお湯に連夜浸かれば、すっかり身体が元気になりそうですね。
おっしゃるように、青森県は個性豊かな温泉ばかりで、湯巡りをしていて飽きることがありませんよね。いま赤道近くにいますが、北国が恋しいです。
Unknown
hiroさん、こんばんは。
こちらへ3泊なさったんですか。羨ましいです。あのお湯に連夜浸かれば、すっかり身体が元気になりそうですね。
おっしゃるように、青森県は個性豊かな温泉ばかりで、湯巡りをしていて飽きることがありませんよね。いま赤道近くにいますが、北国が恋しいです。