青い森鉄道・乙供駅から近い温泉旅館。東北地方に湧く温泉であることに間違いありませんが、上北郡東北町にあるから東北温泉なわけです。でもGoogleで「東北温泉」で検索しても、当温泉に関する事項はあまり上位にヒットせず、東北地方の温泉に関するポータルサイト的なページばかりが出てきてしまうのが、ちょっと悲しいところ。おそらくこの記事もgoogleではめちゃくちゃ下位のまま浮かび上がらないこと必至…。
ちなみに県内では珍しい黒湯を楽しめる温泉として、ファンの間では結構名が知れ渡っているみたいです。以前はかなり鄙びた建物でしたが、最近前面改築され、鉄筋造の立派な施設に生まれ変わりました。玄関・ホール・脱衣所・浴室、どこも綺麗です。
青森県の温泉公衆浴場は、どれだけ新しい施設でもカランは昔ながらの押しバネ式に拘るところが多く、この東北温泉もご多分に漏れません。広い洗い場にはオールドスタイルのカランがズラっと並んでいます。内湯は、大きなガラス窓に面した主浴槽の他、壁際に高温槽(といっても大して熱くない)・泡風呂・電気風呂・子供風呂・水風呂、そしてサウナが横並び、バラエティに富んでいます。
緩やかに傾斜している屋外の敷地は潅木がたくさん植えられた庭園で、みんな丸く刈られちゃっているのが芸に欠ける気もしますが、それはともかく、この庭園の中に露天風呂が設けられていて、湯に浸かるとちょうどこの庭園を見上げるような感じになって、なかなかいい気持ちです。
さて肝心のお湯。コーヒーのような黒に近い濃い褐色で、透明度は30cm程でしょうか、底は全然見えません。ほぼ無味ながら、たまごのような(似て非なる)硫黄的匂いが湯口で弱く香っていました。つるつるすべすべ気持ちよい浴感です。露天風呂では湯口付近で若干の泡つきもありました。内湯も露天も掛け流し。カランから出てくるお湯も源泉です。
館内の説明には「黒い湯と思われる北海道から東京までの数十ケ所を(上述の教授氏に)分析してもらった結果、この湯の黒さは最も高い数値となりました。東京以南については、インターネット及び電話での調査の結果、一番黒い湯と判明致しました」と書かれています。先生、本当ですかぁ? ちょっと首を傾げたくなりますが、まぁ確かに東北地方でこの黒さは珍しいかもしれません。またこの説明掲示ではモール泉を謳っており、確かに褐色でつるすべ感の強い特徴はモール泉ならではですが、いわゆるフミン由来のモール臭はあまり感じられず、つるすべ浴感も他のモール泉に比べたらそんなに強いわけでもないような気がしました(蛇足ですが、私の自宅の近所にある「湯快爽快・くりひら」の方が循環しているくせに余程ヌルヌルスベスベします)。本格的なモール泉である北海道の十勝川温泉や、黒湯の本場である東京の城南地区・横浜・川崎の温泉を知っちゃうと、ちょっと物足りなさを感じてしまいますが、東北地方においては確かに個性的な存在感を放っているように思います。モール泉という点に拘るから余計なことを言いたくなっちゃいますが、お湯そのものは良好ですし、浴槽もいろいろあって使い勝手が良いので、浴場としては十分評価できると思います。いつも混んでいるのが、その証拠。
上笹橋温泉(再)
単純温泉 47.5℃ pH8.4 400L/min 溶存物質0.5917g/kg(成分総計も同数値)
青い森鉄道・乙供駅より徒歩6~7分(約600m)
青森県上北郡東北町字上笹橋21-18 地図
0175-63-3715
ホームページ
5:00~23:00
270円
100円リターン式ロッカー・ドライヤーあり、石鹸類は販売
私の好み:★★
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