出町温泉

青森県


青森市内、三内小学校付近の住宅街にある温泉銭湯。建物自体は大きいのですが、表通りから路地をちょっと入った奥に立地しているので、見つけにくいかもしれません。金曜日の夕方に訪れたところ、沢山の常連さんで賑わっており、地元に愛されていることがよくわかります。

スピーカーから演歌が流れてくる玄関に置かれた券売機で入浴券を購入。それを番台のおばちゃんに手渡します。演歌は脱衣所でも流れているのかと思いきや、館内には響いておらず、それに代わってテレビがついていました。広々とした脱衣所には棚の類が無く、籐の籠がたくさん積まれています。このため脱衣所の床はお客さんの衣類が入った籠で埋まっている状態。いまどき珍しい光景かもしれません(三千石浴場や黒石市の岩木温泉など、青森県内にはここと同じく棚が設けられておらず籠を床に置いて使うところが残っているんですよね)。


浴室も広く、カランがズラリと並んでいます。正面奥の浴槽上には、富士山のような山と松のペンキ絵が描かれていて、いかにも昭和の銭湯を強く感じさせる雰囲気。船底に塗るような鮮やかな水色塗料で塗られた四角錐の高い屋根も印象的。浴槽は向かって左側3分の2が一般的な深さで20人近く浸かれそうな大きさ。やや熱め。青森県の銭湯ではお馴染みの泡風呂になっています。右側は4人サイズで若干深めでちょっぴり湯温が低く、こちらにも泡発生設備が装備されています。両方とも泡風呂なので、この手の設備が苦手な人にとってはちょっと騒々しいかも。

無色透明無味無臭の癖が無いお湯。左側の大きな槽の中央に飛び出た、ドーム状の骨組みで覆われた湯口から源泉が大量に供給され、洗い場へ向かってオーバーフローしていきます。その様を見ていると実に豪快。加温加水循環なしのかけ流しで、塩素消毒されているようですが、ほとんど気になりませんでした。カランから出るお湯も当然源泉のもの。


ちなみに「出町」とは創業当時のオーナーさんの名前なんだそうです。玄関には昭和44年の分析表が残っていました。今も昔も泉質は単純泉で変わらず、以前の源泉温度は47℃(現在44.9℃、以下同様)でこちらも大した変化はありませんが、現在ではナトリウムイオンと塩化物イオンがそれぞれミリバル%で7割と8割を占める食塩泉型であるにもかかわらず、以前は炭酸水素イオンが131.427mg(56.2mg)もあって陰イオンの7割以上を占めており、ツルスベ感が強いことの多い重曹泉型であったようです。でも成分総計が0.3985g/kg(0.686g/kg)で現在よりもかなり薄いので、そんなに実感は得られなかったのかもしれませんね。あるいは以前の分析結果が不正確なのかも。

出町温泉2号泉
単純温泉 44.9℃ pH不明 溶存物質0.686g/kg(成分総計も同数値)

青森県青森市西滝2-6-23  地図
017-781-2531

6:00~23:00
400円
ドライヤー10円、石鹸類販売、ロッカー無し

私の好み:★★

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