海潮温泉 (農村環境改善センター)桂荘

島根県

 
海潮温泉の温泉街からちょっと赤川の下流側へ外れたところに建つ公共施設。県道からゆけむり橋を渡ってすぐの目の前にあるので、迷うことなく辿りつけました。いかにも公営の箱物らしいファサードで、昭和の老人ホームを思わせる無機質な建物です。

 
玄関に入ると、正面に台車がちょこんと停められており、その上には透明アクリルの料金箱とともに「かじか荘」で見られたものと同じような入場者数を記録する台帳が開いて置かれていました。旧大東町域の入浴施設では、利用者がセルフで台帳記入によって来場者数をカウントするのがお決まりになっているのかもしれません。


館内も古い病院みたいに無味乾燥としていますが、お手入れはちゃんとなされており、廊下も脱衣所も経年程度の割には綺麗です。ロッカーの扉が交互に黄色と緑に塗られており、無駄に派手なのが面白いというかユルいというか…。

 
お風呂は内湯のみで、浴槽は10人が同時に入れそうな大きなものです。浴槽には湯口から源泉がふんだんに投入され、見ていて気持ちよいほど浴槽の縁からたっぷりオーバーフローしています。

 
カランはシャワー付き混合栓が5基と立って使うシャワーが3基。使い勝手は良いですよ。


浴室の壁には「完全掛け流し温泉」というシールが貼ってあるように、冬季は加温されているようですが、その他の加水・循環・消毒は行われていないようです。そのお湯は無色澄明、弱い芒硝の味と匂いが感じられますが、いずれもはっきりとしたものではなく、また「かじか荘」で感じられた出汁のような味や匂いも感じられませんでした。その代わり食塩泉から塩気を抜いたような薬品的な味を微かに帯びていたように思われます。源泉から離れた位置まで引湯しているので、ただでさえ繊細で弱めの質感がその間に失われてしまったのかもしれません。でも気泡の付着は確認できますし、「かじか荘」で得られた軟らかい浴感はそのまま、そして湯加減がとっても良好です。ややぬるめで長湯仕様の湯温なので、一度肌に優しいこのお湯に包まれてしまうと、ついまどろんで眠くなってしまいました。長湯必至かも。

雲南市では市内の温浴施設を整理統合する方向で検討しており、この桂荘もその対象になっているようですが、このまま残されるのか、あるいは大規模改修されるのか、気になるところです。どのような形になっても、掛け流しの湯使いはそのままであってほしいなぁ…。

ナトリウム-硫酸泉・塩化物泉 45.9℃ 溶存物質1.06g/kg 成分総計1.06g/kg
(加温する場合あり) 

島根県雲南市大東町中湯石204-1  地図
0854-43-2414

10:00~20:00 毎週火曜定休
200円
備品類無し

私の好み:★★

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