アイスランド ブルーラグーン(Blue Lagoon)

アイスランド

今回のアイスランド旅行の実質的な最終日は、世界最大の露天風呂にしてアイスランド屈指の観光名所である「ブルーラグーン」で入浴し、以て当地における温泉巡りの締めとすることにしました。以前に書籍のグラビアやテレビで、広大な敷地に青白い神秘的なお湯が湛えられているブルーラグーンを見て以来、一度でいいから行ってみたいという強い憧憬を抱いていたのですが、ついにその願いを叶える日がやってきたのです。私は食事の際に好物を残しておいて一番後にいただく性格なので、温泉巡りに関しても同じような予定の組み方にしてしまいました。こういう性格の人間は『若きウェルテルの悩み』の主人公ウェルテルみたいに、シャルロッテへの想いに煩悶しつづけるものの、いろんな事情が重なった挙句、結局願い叶わずバッドエンドを迎えることが多いわけでして、今回もブルーラグーンを一番最後に回して、もし当日天気が荒れたらどうするんだ、予定がメチャクチャになって立ち寄れない事態になるかもしれないのに、などと心配していたのですが、雨男の私の来訪にもかかわらず、車を駐車場に止めると、それまで降っていた霧雨がピタっと止んで、何らの支障なく入浴できるコンディションとなってくれました。

 
ブルーラグーンは現地語では”Bláa lónið”と表記するんだそうでして、道路標識もこの現地語表記でした。
訪問時には駐車場にはたくさんの車がとまっており、人気の程がうかがえます。溶岩で覆われた土地を切り拓いたアプローチを進んで本館へ。駐車場の前に建物がいきなり建っているのではなく、あえて溶岩に挟まれた通路を歩かせる演出は、まるでテーマパークのアトラクションに入場するかのような高揚感をもたらせてくれます。


エントランスは意外と小さいんですね。観光客がひっきりなしに出たり入ったりしています。


北欧らしいガラスを多用した明るい館内は、奥に長い構造をしており、エントランスの小ささとは裏腹に、内部はかなり広い空間。さすがは世界に名の知れた施設だけありますね。レセプションの奥はカフェテリア、その手前はお土産売り場。


レセプションは個人客用と団体客用に分かれていました。一人旅の私はもちろん個人客用の窓口へ。料金は4800kr(この日のレートでは日本円で約3200円)という観光客の足元を見ているようなバカ高い設定。ユーロ支払いも可能で、その場合は30ユーロなんですが、ケチ臭くレートを計算したらアイスランドクローネで支払った方が若干安いことがわかったので、現地通貨で支払いました。なおレンタルタオルは800kr。
入場料の支払いを済ませると、このようなリストバンドが手渡されます。これは入退場の管理の他、ロッカーの施錠開錠、また場内における飲食などの精算に使用します。まずこのバンドの白い部分(チップが埋め込まれている)をゲートの受信部に当てて改札を通過し、ロッカールーム(更衣室)へ。大勢の客を捌くべく、ロッカールームは男性の場合A・B・Cの3室に分かれており、好きなところが使えたので、私は空いていそうなCを利用しました(女性もほぼ同様)。


ロッカーも空いている任意のところを利用します。ロッカーの施錠には先ほどのリストバンドを使用するのですが、その方法は…
(1)まず着替えを済ませて衣服や荷物をロッカーに入れる
(2)扉を閉めると、そこから最も近い読み取り機(↑画像下部に写っています)にその扉の番号が表示される
(3)番号に間違いなければ、読み取り部分にリストバンドをタッチ
(4)機械の読み取りから5秒後に施錠完了
という流れです。尤も、ロッカーにはちゃんと図示されていますから、その通りに操作すれば問題なし。開錠は同じ機器に再びリストバンドをタッチすればOK。ただし、施錠後の自分のロッカー番号はどこにも表示されませんから、番号やおおよその位置はきちんと記憶しておく必要があるかと思います。

このロッカールームは係員さんが床を清掃してくれているのですが、シャワーエリアとフラットになっている上に客が多いため、床がビショビショで着替えしづらかった…。着替え後はシャワーで全身をくまなく洗います。なおシャワーには「ブルーラグーン」ブランドのシャワージェルが備え付けられていました。買うと結構高いものですが、ここでは使い放題なので、嬉しいあまり、入浴前も後も、このジェルでこれでもかという程、徹底的に体を洗っちゃいました。またシャワーエリアには入浴後の水着を入れるビニール袋が用意されていました。

 

おお! これが夢にまで見たブルーラグーンか! めちゃくちゃデカイ! そしてお湯が神秘的な色だ!
このラグーンはなんと5000平米もあるんだとか。そのうち浴用に開放されているのは約半分の約2,400平米ですが、それでも十分に広いですよね。

 
巨大な露天風呂のみならず、打たせ湯があったり、サウナがあったり、よりどりみどり…


プールサイドには露天風呂に入りながら飲み物などを購入できるスタンドがあり、みなさんビールなどを買って、グビグビ飲みながら湯浴みを楽しんでいました。

 
ブルーラグーンといえば、温泉泥パックが有名なので、さっそく実践してみました。プールサイドには白い泥が入っている箱が何箇所か置かれているので、そこから金属のオタマで泥を掬いあげ、手で顔など好きなところに塗ります。泥はちゃんと箱に入っているものを塗ってくださいね。浴槽の底に沈殿しているものは汚いから使っちゃダメ。
顔面を白い泥で塗りたくっている東洋人は、まぎれもなく私です。気味悪い写真でゴメンなさい。

 
露天風呂の奥の方には、湯口が石灰華に覆われ山のようになっている箇所がありました。これに寄りかかると、いい具合に体にフィットするので、ここに腰かけながらじっくりのんびりお湯を堪能。
湯温は38℃前後なので、日本人には若干ぬるめですが、長湯するにはちょうど良い湯加減。いつまでもお湯に浸かっていられます。気持ちよくて出たくない…。


蒸気に隠れて見えにくいのですが、ラグーンの向こうに建っているのはスヴァルトセンギ地熱発電所です。ブルーラグーンのお湯はこの地熱発電所でタービンを回すために使われた地熱海水が二次利用されたもので、人工的に造られたお湯なんだそうですが、珪素をはじめとするミネラルを豊富に含み、特にアトピーや湿疹など皮膚疾患に効能があるんだとか。海水由来のお湯なので、口に含むと苦みとしょっぱさが感じられました。ツルスベ浴感も気持ち良く、何度も肌をさすりたくなります。このラグーンには常に600万リットルもの地熱海水が貯められており、40時間ですべての海水(温泉水)が交換されてゆくそうです。

広さ、湯加減、お湯の質、そして神秘的なお湯の濁り方など、感動する要素が満載で、料金の高さなんか忘れてしまうほど、非常に気持ちよい露天風呂でした。念願のブルーラグーンに入浴できて本当に幸せ…。
ここは露天風呂に浸かるだけでなく、エステやレストランなどいろんなサービスがあるのですが、それはまた次の機会にでも。
なお、帰りにはお土産コーナーへ立ち寄り、世界的に有名なブルーラグーンのスキンケア用品をしこたま購入。帰国後方々へ差し上げたのですが、特に女性陣からは大好評でした。

所在地:Blue Lagoon 240 Grindavík  地図
電話番号:+354-20-800
ホームページ

9月1日~5月31日→10:00~20:00
6月1日~8月31日→9:00~21:00
年中無休

大人4800kr(30ユーロ)、14~15歳1600kr(10ユーロ)、13歳以下無料
レンタルタオル・レンタル水着:各800kr(5ユーロ)

コメント

  1. shao より:

    ロッカーについての質問
    はじめまして、shaoと申します。

    アイスランドの温泉旅行記、楽しく拝見しております。
    今回、質問がありましてコメントしております。

    私は今月アイスランドに行きます。
    ブルーラグーンとミーヴァトンのNature Bathにも行く予定ですが、着替えのロッカーは、何度でも開閉自由でしたか?それとも1回限りですか?
    1日ゆっくりと浸かろうかなと思っているので、気になっております。

    ご存知でしたらおしえて頂けると幸いです。
    よろしくお願いいたします。

  2. K-I より:

    Unknown
    shaoさん、はじめまして。
    今月アイスランドへご旅行なさるんですね。とっても羨ましいです。私も再び行きたいなぁ…。ご出発を控えて、期待に胸が膨らんでいらっしゃる頃かと思います。

    さてご質問の件ですが、私が訪れた当時(4年前)と設備が変わっていなければ、両施設のロッカーとも、何度でも出し入れ可能です。ブルーラグーンはリストバンドのICチップで施錠するのですが、どこを使おうが何度施錠と開錠を繰り返そうが、利用客の自由でした。
    一方、ミーヴァトンは、ロッカー専用のトークン(コイン)を使うのですが、利用後はロッカー扉の裏側に落ちるだけでして、開錠時にそれを取り出せば何度でも使えました。日本の温泉施設ですと、施錠時に使う100円玉が使用後リターンされるロッカーがありますけど、あれと同じような感じです。
    ヨーロッパのみなさんは、温泉で日がなのんびり過ごしますので、むしろ日本のように一回きりというロッカーは少ないような気がします(というか見たことがありません)。ですので、shaoさんのご計画は全く問題ないかと思います。
    世界最大の露天風呂でごゆっくり寛いでいらっしゃってください。お気をつけて良い旅を(^^)

  3. shao より:

    アイスランド行ってきました
    先日はご回答ありがとうございました。ロッカーは。確かに何度も使える形式でした!
    また、良いめぐり合わせがあり、上記2施設以外にも予定外の野湯や温水プールなどへも行けました。
    文字通りの「温泉旅行」となりました。

    ブルーラグーンは強風の日に行ってしまったことと、観光客の多さにあまり落ち着かなかったです。塩辛いのと広範囲で低温なのがちょっと日本人向けではないなあと思いました。
    でも、サウナは好きで、たくさん利用しました。

    その後に入ったミーヴァトン・ネイチャーバスは本当に最高でした!
    お湯の色もピュアなブルーという感じですね。(ブルーラグーンはホワイトブルーグリーンって感じだったので。)
    温かく、塩辛くない、明らかに肌によさそうなぬるぬる感…とてもリラックスできました。
    雪が周囲の岩場積もっていたのも風情がありました。雪があっても無風だったので寒く無かったですし。。。

    グリョゥタギャウの温泉も入れそうな温度でした!手で触ったら、40度程度かな~?って感じでした!
    ツアーなので入れませんでしたけど(・ε・`)惜しい…。

    アイスランド、最高でした。今度はバスで周遊するために夏に行きたいなあと思いました!

  4. K-I より:

    Unknown
    shaoさん、おかえりなさいませ。お疲れ様でした。
    ロッカーに関して、お役に立てて嬉しく思っています。
    >アイスランド、最高でした。
    ですよね!! 私はよく「(旅行は)どの国が良かった?」と訊かれるのですが、その都度アイスランドと答えています。shaoさんのご旅行も「温泉旅行」になったとのことで、さぞ当地の大自然を満喫なさったことと思います。ミーヴァトンについては私も同意見です。グリョゥタギャウにも行かれたとのこと。ツアーのために入れなかったのは残念でしたが、地球の割れ目と言うべきあんな場所にも温泉が湧いているんですから、アイスランドの自然って本当に魅力的ですよね。
    地球の裏側で、日本とは全く異なる自然や文化なのに、なぜか日本人の心を感動させてくれる要素がたくさん詰まっているのですから、本当に不思議なものです。
    コメントありがとうございました。おかげさまで、私も自分の旅行を改めて想い出し、その時の感動が蘇ってきました。

タイトルとURLをコピーしました