飯坂温泉 仙気の湯(2013年1月再訪)

福島県

 
以前拙ブログで飯坂温泉の共同温泉のひとつである「導専の湯」を取り上げた際に、同施設が2010年に福島市の事業によってリニューアルされたことをレポート致しましたが、他の浴場もその事業対象に含まれており、各浴場とも大なり小なりそれなりに工事が施されております。その中でも今回は改修後になかなか行く機会がなった「仙気の湯」を再訪してみることにしました。改修は2~3年前に既に完了しており、いまさらリニューアルを伝えても記事としては微塵の価値もありませんが、ま、ここはひとつ大目に見てくださいな。拙ブログでは当浴場を改修前の2009年に一度取り上げていますが(当時の記事はこちら)、その時と比べますと建物の躯体こそそのままですが、なまこ壁が目を惹く外観はすっかり綺麗に生まれかわっており、建物も人間も化粧一つでこうも見違えてしまうものかと感心させられます。

 
名前が刻まれた石は新たしい台座に載せ替えられ、以前は素っ気がなかった頭上の扁額は墨痕鮮やかなものに掛け替えられていました。


改修後の大きな変化の一つが、(後述しますが)熱い浴槽のほか加水された浴槽が増設されたことでしょう。窓の格子には現況の湯船の温度が掲示されており、私の訪問時は熱い湯が45℃、温かい湯(つまり加水された浴槽)が43℃と記されていました。43℃でも人によっては熱いかもしれませんが、飯坂基準で考えるとかなり世間に歩み寄っている感じがします。

 
番台や脱衣室は以前とほぼ同様でしたが、大きく生まれ変わったのが浴室です。といっても、訪問時は2~3メートル先すら見えないほど湯気が立ち込めて曇っていたため、ご覧のように何を写しているんだか全くわからない画像しか手元に残りませんでした。ごめんなさい。

いつものように下手クソな文章でどのように変貌を遂げたのかご説明しますと、以前は浴室の中央に今川焼のような形をした浴槽がひとつ据えられ、その真ん中に立ち上がっている湯口から激熱湯が注がれて湯船の温度計が常に47~8℃を指しているような状態でした。それが、リニューアル後は(男湯の場合は)浴槽が室内右側に寄せられ、その浴槽は前後で二分割され、手前側が分湯槽から引かれたまんまの熱いお湯、奥側が加水されたぬるめの湯(といっても上述のように43℃)となりました。そして両浴槽の間には福島市観光PRキャラクター「ももりん」の石像が立ち、その下から両浴槽へ温泉が供給されています。「ももりん」の両耳には手桶が被せられており、こちらの常連さんにしてみれば「ももりん」の耳は単なる用具掛けに過ぎないのかもしれません。両浴槽からお湯は洗い場へザブザブと溢れ出ており、以前と同様に放流式の湯使いが堅持されています。

飯坂のお湯を愛する常連さんはてっきり熱いお湯が好きなのかとばかり思い込んでいましたが、皆さんこぞってぬるい方ばかりに入っており、熱い方へチャレンジする人に対しては常連同士で「おっ、やるねぇ」なんて冷やかしあっていました。かつては外来客が熱いお湯を水で薄めようとすると地元の常連客に怒られた、なんてトラブルを耳にしたことがありましたが、なんだぁ、本当は常連も適温のお湯が好きなんじゃん。今まではみんな意地張って我慢して熱い湯へ入っていたのかぁ。改修によって一般的な温度の浴槽が供用されて良かったですね。もう頑固になる必要はないのであります。

外観がなまこ壁を模したデザインとなったこと、浴室の片側へ寄せられて温度が異なる2つの浴槽が設けられたこと、そして「ももりん」の存在・・・。リニューアル後の「導専の湯」に瓜二つなんですね。両者はロケーションも近所ならば設計すらも似ており、しかも同じ若竹分湯槽の湯を引いているという、まさに兄弟分というべき浴場と言えそうです。

若竹分湯槽
アルカリ性単純温泉 60.2℃ pH8.7 動力揚湯 溶存物質0.7894g/kg 成分総計0.7894g/kg
Na+:198.6mg(84.05mval%), Ca++:30.1mg(14.59mval%),
Cl-:93.8mg(25.00mval%), SO4–:321.1mg(63.11mval%),
H2SiO3:74.8mg,
(平成23年12月9日)

福島交通飯坂線飯坂温泉駅より徒歩5~6分(約400m)
福島県福島市飯坂町湯野愛宕前35
飯坂温泉公式HP

6:00~22:00 木曜定休
200円
ロッカーあり、他の備品類なし(基本的な入浴グッズは番台で販売)

私の好み:★★

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