会津・芦ノ牧温泉の外れに位置する国道沿いのお土産屋さんです。昭和から時が止まっているかのようなこちらの店舗には温泉浴場が付帯しており、公衆浴場感覚で利用することができると聞いていたので、国道118号を走って会津若松へ向かっていた某日、立ち寄ってみることにしました。
訪問時は日が暮れてまだ間も無い時間帯だったのですが、お店の看板には照明が燈っておらず、てっきり閉められちゃったのかと半ば諦めつつ 車を降りて店の前に立ってみると、店の奥の方で「ドライブ温泉大浴場入口」と書かれたアクリルの看板にぼんやりと明かりが点いていたので、多分営業中なんだろうと判断して、中へ入ってみることにしました。
強烈にB級感が漂ってくる入口周りの佇まい。中に入るとテーブルで子供たちが無邪気に遊んでいました。店の奥へ声をかけるとアンニュイなおばさんが現れ、専用レジでまずはお支払いです。料金表のボードには「その筋の達しにより貸タオル、貸石ケンはいたしませんので店内でお買い求めください」と書かれており、「その筋」という表現に思わず笑ってしまいました。
お風呂は昨年(2010年)夏に改修され、タイルの張替などが行われたそうですが、その事実を知らなければ「レトロな感じだね」と口にしてしまうこと必至な、いかにも昭和然とした造りです。実際、私も改修されたことを知ったのは利用した数日後でして、入浴時には結構草臥れているような印象を受けました。
洗い場のカランは3つあり、うち1つは古い浴室に不釣り合いなデジタルタイマー付きのシャワー付き混合栓が設置されていました。
浴槽は二分割されており、「あつい湯」と「ぬるい湯」に分かれています。湯口上に取り付けられたヘロヘロ文字の浴槽名が、いかにも手作り感に溢れていて微笑ましいです。ぬるい方は源泉投入量が少なくて本当にぬるく、それどころかお湯がかなり鈍り気味でした。一方、熱い方はちょうど良い湯加減で、お湯の投入量もチョロチョロながら必要最低限は確保されており、鈍っているような質感は受けませんでした。無色透明、石膏および芒硝の味と匂いがそれぞれ感じられます。キシキシとした浴感でしっかり温まりました。窓側側面の塩ビパイプから排湯されており、洗い場へのオーバーフローは一切ありませんが、循環しているような気配も無いので、おそらく掛け流しに近い湯使いではないかと思われます。
屋外には露天風呂もありますが、建物の山側に位置している上、周囲を塀に囲まれているため景色はまったく楽しめず、しかも訪問時はお湯の投入が止まっていて、湯舟はかなり冷めており、底の方に至っては水と化していたので、この露天には入りませんでした。
改修しても古臭さが抜けないユルユルな雰囲気のお風呂ですが、B級感を味わうなら一度訪問するのも面白いかもしれません。
(小谷揚湯組合所有源泉)
カルシウム・ナトリウム-硫酸塩温泉 55.8℃ pH8.1 42.9L/min(動力揚湯) 溶存物質1.213g/kg 成分総計1.213g/kg
Na:201.1ng(48.99mval%), Ca:175.9mg(49.16mval%), Cl:111.1mg(18.69mval%), SO4:621.8mg(77.31mval%)
福島県会津若松市大戸町小谷湯平89
0242-92-3032
ホームページ
8:00~19:00(受付は18:30まで)
400円
簡易ロッカー・有料ロッカー(100円/5分)あり、石鹸など販売
私の好み:★★
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