いこいの湯多摩境店に復活の動き

東京都・埼玉県・千葉県

昨年(2018年)9月に拙ブログで「Good bye forever! いこいの湯多摩境店」と題し、私の嘆きとともに東京都町田市の「いこいの湯多摩境店」が閉店してしまったことをお伝えしました。山奥の秘湯や海外の温泉など、普通の人はあまり行きそうにない温泉をメインに取り上げている拙ブログですが、こんな変わり者の私が好きで足繁く通っていた温泉は、東北の秘湯でも海外の名湯でもなく、東京郊外の住宅地にあるスーパー銭湯「いこいの湯多摩境店」だったのでした。「なんだ、ブログでは秘湯好きをアピールしておきながら、普段は都市部のスーパー銭湯に通っていただなんて、所詮は腰抜けじゃないか」と仰る方もいらっしゃるかもしれません。たしかに腰抜けどころか、腑抜けの大マヌケであることは平素より自認しておりますが、山奥だろうが都会だろうが、自分の好みのお湯が湧いていればそれで良いのであって、生まれてから今に至るまで東京を生活圏とする私にとって地方の温泉地に出かけることは、時間的・経済的負担を伴うため、そう簡単なことではありません。もちろん人里離れた秘湯も非常に魅力的であり、万難を排してでも行ってしまうほど蠱惑的でもあります。でも「遠くの親類より近くの他人」ではありませんが、私の日々の疲れを癒してくれるのは、遠方に名湯より近くのスパ銭の温泉だったのです。

↓「いこいの湯多摩境店」の位置

ではなぜ私が「いこいの湯多摩境店」をこよなく愛していたかと言えば、かつて私が住んでいた街から比較的近いところにあったこともさることながら、私が大好きなモール泉っぽい食塩泉の高温泉をかけ流しているという決定的な要因があります。たしかに店員が無愛想だったり、大学生の集団客がうるさかったりと、いくつかの難もありましたが、それらを補って余りあるほど私の体に合うお湯だったのです。

そんな大好きな温泉施設が2018年3月24日に閉鎖されてしまいました。どうやら建物自体に問題があったらしく、同年3月上旬から臨時休業となってから復旧することなく閉鎖されてしまったようです。慌てて店じまいしてしまったのですから、状況はよほど深刻だったのでしょう。

もうあのお湯には入れないのか・・・落胆していたところ、今年(2019年)の6月頃から現地で工事車両が出入りするようになったとの書き込み情報が拙ブログに寄せられました。その刹那は大いに喜びましたが、工事とはいえ必ずしも温泉施設として復活するとは限りません。もしかしたら解体して更地にしたり、あるいは全く別の商業施設に生まれかわってしまうかもしれない…。そんなことを予測しながら、自分の目で何としてでも現状を確かめたいと願っていたところ、先日(2019年12月下旬)たまたまこの方面へ出かける機会がありましたので、現場へ立ち寄ってみることにしました。

以下の画像は2019年12月下旬に撮影したものです。


現地の前に到着しました。この辺りはあいかわらずコストコの駐車場待ちによる渋滞がひどいですね。
さて、そんな通りに面して建つ大きな看板は以前のままですが、かつてたくさんの車が停まっていた駐車場はガランとしており、その駐車場に入るゲート部分には、当然ながらバリケードが設置され、中へ入れないようになっていました。


バリケードの脇には工事に関する各種の表示が掲示されていました。


大きく目立っているのは「町田小山温泉改修工事」と書かれた工事名。この名称により、旧いこいの湯は、温泉施設のまま改修されていることが確認できます。ロードサイド店舗やマンションにならなくて良かった…。

この土地は以前から京王電鉄が所有していたらしいのですが、目の前に高圧電線が架かっており、また真裏に火葬場(南多摩斎場)があるという敬遠されがちな土地であったためか、1991年に京王線の多摩境駅が開業してからもこのエリアだけは開発が遅れ、2004年にいこいの湯が開業してからも鬱蒼とした雑木林に覆われていました。むしろ、そんな場所だったからこそ大きな駐車場を擁する大型温泉施設を設けることができたのかもしれません。
私の記憶に間違いがなければ、この温泉は東電系の不動産子会社が運営を始めたのち、運営会社が何度か変わっていますが、そもそも土地の所有者が京王なので、今回の改修工事に当たってはその子会社である京王建設に任されることとなったのでしょう。


労災保険関係成立票には、その期限として令和2年5月31日までと記されていますが、5月31日が明けたら工事が終わって即座に開業という意味ではなく、単に工事開始日(令和元年6月1日)から1年間という意味に過ぎないかと思われます。従いまして、2020年6月に営業が再開されるとは限りません。むしろ工事が遅れる可能性もありますし、よしんば工事が早めに竣工したとしても、お役所仕事の典型である保健所の検査と許可という面倒なハードルがその先に立ちはだかっていますので、そう簡単には営業再開に漕ぎ着けられないでしょう。気長に待つほかありません。


駐車場の奥に並ぶ建物群をアップしてみましょう。
画像の左側に写る三角屋根の建物は、受付や食堂・休憩室等があった旨です。内装はわかりませんが、少なくとも外観は以前と大差無いようです。
一方、右側の建物はかつて男女別浴場があった棟で、改修後も浴場棟として使われるはずですが、全体を覆うように足場が組まれ、(この日の時点では)屋根を中心に工事が進められていました。噂によれば建物の耐震性に重大な懸念があって急な閉業に追い込まれたらしいのですが、その噂が本当ならば、常に湿気を受け続ける浴場棟の屋根に何らかの深刻な問題が認められ、その問題点を解決すべく、上画像のように屋根を大規模改修しているのかもしれません。

繰り返しますが、建物の改修が終わったからといって、すぐに営業を再開できるわけではありません。保健所の許可がいつ下りるか、スタッフは確保できるか、周辺の住民への説明等、いろんな問題をクリアしなくてはなりません。かといって、土地を所有している企業としても、いつまでも塩漬けにして無駄に固定資産税を払うわけにはいきませんから、当然ながら早期の営業再開に向け努力するはずです。
私個人の希望を申し上げれば、可能ならば2020年内に再開していただきたいものです。そして、以前と同様、掛け流しの湯使いを続けていただきたいと切に願っております。どの企業が運営してゆくのかわかりませんが(おそらく京王電鉄か)、せっかくの良質なお湯をダメにするような湯使いだけは勘弁してほしいものです。

景気の良いインバウンドの流れが嘘のように、ここ数年、日本全国では温泉施設の休廃業が相次いでおり、残念ながら温泉界は着実に先細りしていますが、今回、温泉界の数少ない明るい話題を提供することにより、温泉界に対する来年以降への期待を表明させていただきました。

さて、次回記事では今年入った温泉のベスト5をご紹介して、今年の記事を締めくくりたいと思っています。

コメント

  1. あんちゃん より:

    Unknown
    こんばんは。再開の兆しが見えるというのは嬉しいニュースですね。
    当方は近場の温泉はかなり回ってしまい、辛うじて月に1軒程度新規温泉に入湯しています。遠隔地の未湯温泉は、時間的・金銭的制約があり、なかなか行けません。また最近は、気力体力の低下のせいで、温泉施設の記録保存よりも既に記録保存が完了した施設でのんびり湯に浸かりたい傾向が強くなっております。そうこうしている間に、次々と温泉施設が閉鎖・廃業しており何とも残念な気分です。でも、無理してあちらこちら回る気力も金ないので仕方ありません。

    今年の年末は、今年のお盆に行って凄く気に入った伊豆の宿を再訪し、今年一年で溜まってしまったどす黒いものを落とします。

    ではまた。

  2. K-I より:

    Unknown
    あんちゃんさん、こんにちは。
    私もそのお気持ちわかります。いくつか巡りたい候補がありながら、いざ休日になっても出かける気力が湧かず、気づけばお昼になっていた、ということも何度かあります。もう歳なのかな・・・なんて思ったりします(苦笑)。
    伊豆で一年のお疲れを落としながら、よい歳の瀬をお過ごしください。

  3. ぬる湯マスター より:

    Unknown
    こんばんわ^^。
    もうここは、ほぼ私の地元ですね~。
    この近辺は、今でこそコストコとカインズで賑わっていますが、
    25年ほど前は、それこそ雑木林だらけでした。
    あちらこちらで造成が始まると、更地になった所には、
    ゴルフの練習をする人、ラジコンヘリを楽しむ人、
    そんな懐かしい風景が今も脳裏には残っていますね^^。
    ここの温泉も、湧き出した直後は白濁した硫黄臭のあるお湯で、
    年々色が薄くなって行ったと聞いておりますね。
    我が家の兄が、K1殿同様、足繁く通っていました。
    来年2020年に再開した折には、私も行ってみます^^b

  4. K-I より:

    Unknown
    ぬる湯マスターさん、こんばんは。
    このあたりもすっかり変わりましたね。鶴見川源流付近だけかろうじてかつてのままの姿が残っていますが、それもいずれは過去の景色になるのかもしれませんね。仰るようにわたしも、当初と比べてお湯が薄くなっていったように感じていました。温泉に含まれる可燃性ガスに対して規制が厳しくなったことも一因なのでしょうか。年々薄くなりつつも、日によって濃淡のコンディションの違いもあり、状態の良い日にあたるととても幸せでした。
    復活が待ち遠しいです。

  5. Unknown より:

    Unknown
    てっきり、潰した跡地を売り飛ばして
    老人ホーム、介護施設にしてしまうのだろう
    と思っていましたが。もしかすると入浴施設として
    の復活ですか?

    多摩境などに他の同様の施設が出来たことが
    客足が減った理由だと思いますが。

    コロナの影響で作業が遅れているだろうかなと
    思いますが、どうなんでしょうか?

  6. Unknown より:

    Unknown
    多摩境に、よみうりランドの「日帰り温泉施設」出店へ。閉鎖された「いこいの湯」を改修
    https://kawariyuku-machida.com/article/22750.html

    開店日: 2020年秋(予定)

    ちょっと、うれしい

  7. Unknown より:

    Unknown
    相模原町田経済新聞 2020.05.29
    多摩境の温浴施設「いこいの湯」新装オープンへ よみうりランドが運営
    https://machida.keizai.biz/headline/3083/

  8. Unknown より:

    Unknown
    スーパー銭湯全国検索
    名称 未定(旧いこいの湯)
    2020年秋リニューアルオープン予定
    https://www.supersento.com/kanto/tokyo/machida.html

  9. K-I より:

    Unknown
    3連続の投稿ありがとうございます。投稿の数から喜びと興奮が伝わってきます。よみうりランド系の施設に生まれ変わるんですね。私も近日中に現地を確認してまいります。

  10. こうなって再開 より:

    こうなって再開
    多摩境天然温泉 森乃彩(たまさかいてんねんおんせん もりのいろどり)
    2020年10月1日(木)9:00 オープン
    9:00-24:00
    定休日:3月・6月・9月・12月の第2火曜日
    入館料:平日780円、土日祝930円。
    https://morinoirodori.com/

  11. K-I より:

    Unknown
    ようやく待ちに待った営業再開の日がやってくるのですね。うれしい情報をありがとうございます。

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