(2020年11月訪問)
前回及び前々回記事で取り上げた大鰐温泉「ヤマニ仙遊館」の隣には当地に複数存在する公衆浴場のひとつ「大湯会館」がありますので、せっかくだから入ることにしました。こちらは2019年6月に完全リニューアルして以前と全く異なる姿に変貌しております。リニューアル前の「大湯会館」については拙ブログの以前の記事をご覧ください。
なお今回は夕食後に訪問したため(しかも翌朝外観の撮影を失念してしまったため)、外観の画像が暗くて見難くなってしまいました。申し訳ございません。
予めネットでリニューアル後の様子を見ていましたが、それにしても本当に全然違う建物になってしまったんですね。この画像ではわかりにくいのですが、玄関の上に唐破風のような庇を載せており、新しい建物ながらも伝統的な雰囲気を後世に伝えていこうとする地元の意思が感じられます。
いかにも公共施設といわんばかりの少々無機的な館内ですが、さすがに新しいだけあり、広く綺麗でバリアフリーも図られているので、どなたも安心して利用できるでしょう。この新しい建物は地域の集会所としても機能も兼ね備えており、玄関付近には集会室が2室も設けられています。
そんな集会所を横に見ながら、ボタンが大きな新しい券売機で湯銭を支払い、券を窓口のおばちゃんに手渡します。訪問時、壁には「入浴者10万人達成」と書かれた紙が貼られていました。生まれ変わってからも、以前同様に地元の方のみならず観光客等からも愛されている施設になっているようです。
暖簾が掛かった男女別浴室入口の奥には小さな休憩スペースもあり、湯上り後にひと息つける場所が確保されています。自販機も設置されているので乾いたのどを潤すことも可能。なおロッカーは受付付近にありますので、貴重品は浴室へ入る前にロッカーへ預けましょう。
更衣室は明るく綺麗で使い勝手が良いのですが、とはいえ没個性な感も否めず、以前のような風情は完全に喪失してしまいました。利便性と風情はトレードオフの関係になりやすいため、致し方ありませんね。
(浴室内の画像は大鰐町公式サイトより借用)
お風呂も明るく綺麗になり、使い勝手が格段に向上しました。天井が高いので実際の床面積以上に広く開放的に見えます。更衣室同様に以前の「大湯会館」らしい風情は過去のものとなってしまいましたが、その名残惜しさを補って余りあるほど居心地や利便性が向上され、地元の方はもちろん外来者にも優しい造りになりました。
洗い場には10ヶ所ほどのシャワー付きカランが設けられています。カランは青森県の温泉銭湯でよく見られるような宝式(押しバネ式)ではなく、ちゃんとした大手メーカー製のオートストップ式水栓です。なおカランから出てくるお湯は温泉です。
浴槽は適温と高温の2つに分かれています。適温槽は内部にオフホワイトのタイルが採用され、縦横の寸法は約3メートル四方。一方高温槽はその3分の1程度の大きさで、内部には淡い赤色のタイルが用いられています。熱いイメージを表現するために赤のタイルが採用されたのでしょうか。
いずれの浴槽にも温泉が掛け流されています。こちらに引かれている源泉は大鰐統合源泉。少々の塩味とともにしっかりとした芒硝感が得られます。ただ、不特定多数が利用する公営の入浴施設だからか、塩素消毒が実施されているようでした。とはいえ、良いお湯であることに変わりありません。大鰐には他にも「若松会館」や「青柳会館」といった公衆浴場がありますが、地元の共同湯にあまり慣れない方や、ご当地の熱いお風呂が苦手な方など、大鰐ビギナーの方には断然この「大湯会館」が利用しやすいかと思います。
大鰐統合源泉(青柳3号・植田3号・赤湯2号・石原)
ナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩温泉 68.6℃ pH記載なし 溶存物質2.445g/kg 成分総計2.473g/kg
Na+:613.2mg(70.09mval%), Ca++:186.3mg(24.44mval%),
Cl-:905.6mg(68.62mval%), SO4–:441.6mg(24.69mval%), HCO3-:140.8mg(6.21mval%),
H2SiO3:81.3mg, HBO2:22.2mg, CO2:27.8mg,
(平成28年2月22日)
加温循環濾過なし
消毒あり
青森県南津軽郡大鰐町大字蔵館字村岡53-2
0172-47-8244
6:00~21:00 第2水曜定休
220円
ロッカー(100円リターン式)・ドライヤーあり、石鹸類は番台で販売
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