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井上靖が投宿して『海峡』を執筆したことで有名な下風呂の老舗旅館です。下風呂に宿泊した人限定で販売される温泉手形「遊めぐり」で入浴させていただきました。
これが温泉手形「遊めぐり」。青森ヒバ製。3箇所巡れて800円。3枚のシールが貼ってあり、入浴する際には、訪問先でシールをはがしてもらいます。これは3連の玉ですが、この他にペン立てやイカ形のものもあります。ちなみに私は全種類持ってます(^^)
玄関を上がって廊下を進み、赤い手摺の階段を下りて、更に奥の階段をくだるとようやく浴室にたどり着きます。
お風呂は男女別の内湯がひとつずつ。これといった飾りっ気はなく、それほど大きくも無い、こじんまりとしたお風呂ですが、浴室の扉を開けた途端に、硫黄の刺激臭が鼻腔をくすぐってきます。硫黄の匂いと言っても実に様々ありますが、こちらの匂いは、耳鼻科でネブライザーを受けたときのような鼻の奥にツンとくるような刺激が特徴的でした。
湯口からは源泉から引いてきたままのお湯が投入されており、めちゃくちゃ熱いので、水で薄めながら入浴します。湯口の熱いお湯は青みと黄色みを帯びた白色に濁っていますが、水で薄めると黄色っぽさも希薄になり、お湯の温度差が色ではっきり分かれているのが観察できます。透明度は30~40cm程度でしょうか。大きな湯の華は無く、沈殿も無く、万遍なく白濁している感じです。オーバーフロー部や湯口は硫黄の付着で真っ黄色になっています。
口に含むとレモン汁+塩味+歯が少々キシキシするような酸味が感じられます。ツルツルスベスベの気持ちよい浴感で、臭覚味覚ともにはっきりとした酸性泉ですが肌への刺激は少なく優しく全身を包んでくれます。さすが老舗宿のお湯は上品ですね。
ちなみにカラン(蛇口)は2組。海に面した明るい浴室ですが、窓を開けると目の前が国道なので、少々騒がしいかもしれません。熱いお湯ですが慣れればへっちゃら、硫黄感の強さとお湯の優しさが相俟って、後をひきます。
なお下風呂温泉の源泉は大きく分けて、大湯系・新湯系・浜湯(海辺地)系の3つに分かれ、長谷旅館は大湯系含まれますが、その中でも大湯2号という他ではなかなかお目にかかれない源泉を引いている貴重な宿でもありますので、他の大湯系(1号)のお風呂に入った方は是非こちらにも足を運んで、同じ大湯系でもどのような違いがあるか、チェックしてみてください。 個人的には…
色:1号=白が強い濁り、2号=黄色っぽい濁り
濁り方:1号>2号
熱さ:2号>1号
沈殿の多さ:1号>2号
のような気がするのですが、いかがでしょうか。
明治36年に作成された下風呂温泉の案内書。館内に掲示(クリックで拡大)
大湯2号
含石膏-食塩硫化水素泉 60.5℃ pH3.0 固形物総量3867mg/kg 成分総計4271mg/kg
(昭和49年9月25日分析の数値)
JR大湊線・下北駅から下北交通バス佐井・大間方面行で下風呂下車(約1時間10分) バス停すぐ
青森県下北郡風間浦村下風呂字下風呂75 地図
0175-36-2221
温泉手形「遊めぐり」での入浴可能時間 7:00~21:00
現金での入浴は直接問い合わせされたし
備品類無し
私の好み:★★★
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