大間温泉 大間温泉養老センター

青森県


松林の中にひっそり佇む小さな入浴施設。養老センターという名前ですが、誰でも利用可能なんですね。鄙びた外観が温泉ファンの心を鷲掴みしてくれます。でもよく見ると外壁は綺麗。どうやら最近塗装し直したみたいです。


駐車場の脇に納屋のような小さな小屋を発見。モーター(ポンプ)が動く音が聞こえてくるので、おそらく大間温泉の源泉井でしょう。本州最北の温泉源泉なわけです。ここから汲みだされる源泉は、大間温泉養老センターの他、ご近所の海峡保養センターでも使われています。

 
玄関に入ると左手に鰻の寝床のような座敷が、そして券売機がある男湯と女湯の間のスペースに休憩室が設けられていました。この時はまだオープンして30分しか経っていない時間だったので、誰もいませんでした。

 
施設自体はごく普通の共同浴場で、受付は番台式。広からず狭からずの脱衣所です。男湯の浴室にはオフホワイトのタイル貼りで、シャワー付き混合栓×7基と押しバネ式のカランが1組が左側にズラリと並び、その反対側に角の欠けた四角い浴槽がひとつ、奥の角には湯口があってお湯がドバドバ投入されています。そして大量に浴槽の縁から溢れ出ており、湯使いに関する館内の表示には「循環」と書かれていましたが、ここでは明らかに放流式でしょう。湯口付近の壁に飲泉用のコップが掛けられているので、そのことも循環ではないことを物語っているものと思われます。まさか循環しているお湯を飲ませるわけありませんし。
養老センターという名前ですが、館内のあちこちを見回しても、お風呂の造りを観察しても、特にバリアフリーに配慮されているような構造ではなく、単に「老人がお風呂で集えればいいじゃん」程度の認識で建てられたのでしょうね。もっともバリアフリーなんて概念が常識になる以前の建物であることが大きい理由なのでしょうが。換気がよろしくなく浴室内は湯気でかなり視界不良状態でした。


さて大間温泉養老センターといえば温泉ファンの間では濃い橙色の濃厚な食塩泉として有名ですが、ここ数年の間にろ過装置が組み込まれ、現在お湯は無色透明になっちゃいました。でも浴槽の縁やタイルは赤黒く変色したままで、これはろ過せずに源泉を使っていたころの名残なんでしょう。ろ過しているものの、濃い食塩泉であることには変わらず、湯口のコップで飲んでみると、かなりしょっぱく、薄い苦汁の味と血液のような赤錆の味が混じっていました。赤錆のような金気臭もしっかり感じられます。いくらコップがあるとはいえ、こんな塩辛いお湯をゴクゴク飲む人いるのかしら。
ツルスベの中に軽くひっかかりが混じる浴感。やや熱めのお湯である上、濃い食塩泉なので、強烈に体が火照ります。夏の暑い日に入ると忽ちフラフラになっちゃいそう。厳しい寒さの冬でもかなり長い間湯冷めしないでしょう。訪問時も先客の爺さん二人がお湯の熱さにやられたのか、洗い場でトドになっていました。

ナトリウム・カルシウム-塩化物泉 48.5℃ 溶存物質13.807g/kg 成分総計13.909g/kg

大間フェリーターミナルより徒歩35分(2.5km)
青森県下北郡大間町大字大間字内山48-1  地図
0175-37-2411

4月1日~10月31日→9:00~21:00
11月1日~3月31日→9:00~20:00
370円
備品類なし

私の好み:★★

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