(2023年11月訪問)
引き続き韓国の釜谷温泉を巡ります。せっかくですので、宿泊したホテル以外でもお風呂に入ってみたかったのですが、この釜谷温泉にはどうやら公衆浴場に相当する施設が無いらしく、その代わりに一部のホテルで入浴のみの利用が可能となっています。ネット上にはメインストリートに面した立派なホテルで入浴した記録が散見されますが、温泉マニアとしては綺麗で立派な施設よりも、古くて草臥れている施設の方に心が惹かれますし、且つお湯が良い傾向にありますので、そうした条件に合う施設を探して裏路地をあてもなく散策していたところ、上画像のホテルに遭遇しました。その名は「オリオンホテル」。古い建物から漂う渋い佇まいに惹かれるものを感じ取った私は、入浴できるか確認すべくエントランスを入ったのでした。
日本的に表現すれば「昭和の香り」と言うべき雰囲気が横溢するフロントにおばちゃんが立っており、このおばちゃんに「モギョOK?」と聞いたところ、すんなり応じてくれました。ちなみに「モギョ」を感じで書くと「沐浴」となり、日本語では「入浴」に相当する言葉です。韓国で温泉巡りをする際には覚えておくと便利なフレーズです。
さてこちらの湯銭は5000ウォン。その安さに2つの意味で嬉しくなりました。1つは金額としてのうれしさ、もう1つは安い施設ほどお風呂がシンプルで湯使いが良い傾向にあることです。
お風呂はロビー道路側の奥に位置しており、上画像の右側が男湯、左側が女湯です。
更衣室は韓国の温浴施設としては標準的なもので、タオルや垢すりは積んであるものが使えるほか、ロッカーの数もそこそこ多く、チムジルバンや運動器具なども備え付けられています。
浴室は質実剛健と表現したら良いのでしょうか、特に飾り気の無い実用本位の造りです。洗い場には座って使うシャワーが16箇所、立って使うシャワーが3もしくは4箇所あるほか、垢すり台や垢すり機など韓国の浴場ではお馴染みの設備も用意されています。なおシャワーから出てくるお湯はおそらく温泉ではないかと思われます。
浴槽の大きさは目測で2.5✕4メートルほどでしょうか。電気風呂やジェットバスなど設備は無い、ただお湯を張るだけのシンプルな造りで、浴槽内に循環口らしきものは無く、湯口からの投入と同量のお湯が縁からオーバーフローしていきます。おそらく放流式の湯使いではないかと思われます。
湯口からはかなり熱いお湯が注がれています。お湯は無色透明無味無臭でとても清く、さらさらスベスベの軽く滑らかな浴感が得られました。なかなか良いお湯ですよ。外観から得られた予想通り、渋い佇まいのお風呂で上々なお湯に出会えました。
ここでの宿泊についてはよくわかりませんが、日帰り入浴程度でしたら快適に利用できます。渋い施設が好きな温泉ファンでしたらおすすめの施設です。
泉質名など不明
慶尚南道昌寧郡釜谷面(詳しい所在地不明)
私の好み:★★+0.5
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