初めてのインド鉄道乗車記 その4(ガティマンエクスプレスとデリーメトロの乗り継ぎ)

インド

(2025年3月訪問)
古都アグラでタージマハルとアグラ城を観光した私は、その日のうちにアグラからデリーへ移動して、まずデリーで一泊。そして翌日早朝6:30にデリー空港から出発するクル行の飛行機に乗ってヒマラヤの麓へ向かい、以前の記事で取り上げたような温泉巡りを楽しんだのでした。この計画を遂行するためには、まだ公共交通機関が運行されていない夜明け前にデリー空港へ到着する必要があるため、アグラから鉄道を乗り継いで、デリー空港至近のエアロシティにあるホテルを目指したのですが、さて、初めて旅する地でトラブル無く乗り継ぎができたのでしょうか。

Uberの車でアグラ・カント(Agra Cantt)駅へ。駅前は大混雑しているため、駅のかなり手前で降ろされました。前回記事で取り上げたように、まだこの駅にアグラメトロは到達していませんが、いずれ開業したらタージマハール観光も便利になるでしょう。

アグラ・カント駅からは、インド鉄道が運行する急行列車「ガディマンエクスプレス(Gatimaan Express)」に乗って、デリーに複数あるターミナル駅のひとつであるハズラット・ニザムディーン(Hazrat Nizamuddin)駅へ向かいます。チケットは以前の記事で紹介した「12GO」で既に予約済です。
まずは電光掲示でプラットホームの番線を確認。Gatimaan Expressは「2」番線ですね。出発時間は・・・液晶のドットが潰れて判読できませんが、手元のチケットには17:30と書かれています。

まだ発車時間まで余裕があるので、駅構内をうろうろしてみます。売店やフードコートのほか、一部ホームでは、屋根を支える柱にコンセントがあり、誰でも自由に充電できるので、私も売店で買ったドリンクを飲みながらスマホを充電させてもらっていたら、目の前のホームへ「Vande Bharat Express」が入線してきました。私がバラナス駅から乗った暖色系塗装の車両と異なり、こちらはネット検索でもよく出てくる白地に青いラインが入った塗装です。

大きなターミナル駅だけあって、駅には各方面から次々と列車がやってきます。

それぞれの列車は各車両から多くの乗客を駅へ降ろし、入れ替わりに大量の利用客が車両へと乗り込んでいきました。車両の出入口には溢れんばかりの乗客。これぞインドの鉄道ですね。乗客は転落しないのかしら。しかも窓が全開ということは冷房が無いわけで、蒸し暑くてギュウギュウ詰めの車内は、私には想像しがたい壮絶な環境かと思います。

インド鉄道の便利なスマホアプリ”ixigo”を見ながら、これから乗るべき列車の運行状況を確認したところ、10分弱の遅延が発生していました。その程度ならこの後の行程にも全然影響無いので、このままの状態でデリーまで行ってくれたら嬉しいなと願いつつ、念のため少々早めの17:15頃に「2」番ホームで待っていたところ、数分後に列車が入線してきたのですが、列車名も列車番号も車体に掲出された行先も明らかに違うではありませんか。先程見た駅の電光掲示のほか、”ixigo”でも入線番線は「2」と表示されているのに、この食い違いは一体何なのか。
もしやと勘づいて改めて駅構内の案内表示を確認したら、なんと隣の「3」ホームへ変更されていたのでした。初めに目にした情報を信じ込まず、変更があることを前提にしてこまめに確認を繰り返すことが大切なんですね。図らずもインドの駅で普遍的な人生訓を得てしまいました。

“ixigo”の時刻表示通り、数分遅れで「3」番線にハズラット・ニザムディーン行の「ガディマンエクスプレス」が入線してきました。

列車のサイドボード(行先表示板)。これは「E1」号車のものですが、私が乗車したのは「C4」号車です。

前々回の記事で取り上げた「Vande Bharat Express」ではエグゼクティブクラス(日本のグリーン車に相当)を利用しましたが、今回予約したのは普通車です。こちらの車内は東海道新幹線の普通座席と同様に2+3列のシート配列となっており、今回私が指定された席は3人掛けの真ん中(日本の新幹線だとB席に相当)でした。皆さんお疲れなのか、夢の世界にいらっしゃるお客さんの多いこと。列車に揺られると睡魔に襲われてしまうのは、インドでも日本でも同じですね。

出発してしばらく経つと、ジュース付きのおやつがトレイに載せられて配られたのですが、お菓子がメインで且つ量が多いので、2袋ほど開けたら残りは全部持ち帰りました。

上の画像は以前の記事でもご紹介した”ixigo”のスクリーンショットです。現在の走行時速が127km/hであること、Kosi Kalan駅を18:45に通過しHodal駅の6km手前を走行中であること、現在14分遅延であること、(この画面では表示されていませんが)終着駅の到着予想時間など、リアルタイムの運転情報を知ることができるので、乗車中に抱く不安を解消してくれます。見知らぬ土地で移動している際、先が読めると安心できますよね。

 

定刻の19:30より14分遅れて、終点のハズラット・ニザムディーン駅に到着しました。インドの鉄道は大幅遅延が当たり前と言われていますが、この程度の遅れで済んだのは有難かったです。列車から一気に吐き出された乗客により駅構内はごった返しており、私は人の波を縫うようにして出口へと向かいました。
さて、ここからデリー空港近くのエアロシティへと向かいたいのですが、
ガイドブックやネットの情報などによれば、ハズラット・ニザムディーン駅はデリーメトロと接続されていないような表現が見受けられます。となれば、近くにあるメトロの駅か、あるいは直接エアロシティのホテルまで、Uberで移動することも検討しましたが、しかし地図をよく見ると、Line7(ピンクライン)Sarai Kale Khan Nizamuddin駅が非常に近い位置にあり、両駅間は間違いなく歩いていけるはず・・・

そう確信した私は、ハズラット・ニザムディーン駅の東側(裏口)から出ることにしました。私の推測が正しいことを証明するかのように、駅構内の跨線橋にはSarai Kale Khan Nizamuddin駅まで200メートル(徒歩3分)である旨の案内表示が掲出されていました。

こちらが東側の出口です。薄暗い駅前は人混みがすごく、あちこちから客引きの声が掛けられます。

メトロの駅があると思われる方向へ伸びる道は、一応舗装されているのですが、凸凹だったりドロドロだったりと少々歩きにくいコンディションで、しかも暗い街並みからは場末っぽさが漂っており、強い不安感を抱きつつ、早くメトロの駅に着きたいと願いながら東の方角へ急ぎました。

無事にデリーメトロLine7のSarai Kale Khan Nizamuddin駅に到着です。
画像に残っている記録によれば、両駅間を2分半で歩いてきたので、跨線橋の案内表示に記されていた徒歩3分は本当だったのですが、不安と緊張の中で歩いたため、心情的には5分以上要したように感じられました。

エスカレーターで駅のコンコースへ降りると、たくさんの自動券売機が並んでいたのですが、(私の見落としかもしれませんが)アグラメトロ同様にここでも現金で切符を購入することができず、仕方なく有人窓口に並んでトークンを入手しました。
この駅からは、まずピンクラインで
Durgabai Deshmukh South Campus 駅へ向かいます。

電車は途中から高架区間を走行し、乗車してから22分でDurgabai Deshmukh South Campus 駅に到着しました。この駅には一般的な改札の他、ホームの西端にはエアポートエクスプレスのDhaula Kuan駅へ接続する専用の連絡通路が設けられています。ところがこの通路の長さはなんと920メートル。いくら動く歩道が設置されているとはいえ、乗り換えのために1キロ弱も歩かされるのですから、もうちょっと計画的に駅を配置できなかったものか、疑問を呈したいところです。

こちらがエアポートエクスプレスDhaula Kuan駅に設置されているピンクライン乗り換え専用改札です。ここまで来たら、あとはエアポートエクスプレスに乗って予約したホテルがあるエアロシティを目指すのみ。エアロシティは次の駅ですから、ゴールにたどり着いたも同然ですね。

連続して投稿してきましたインド関連の記事は今回までです。
次回から日本の温泉へ戻ります。

 

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