初めてのインド鉄道乗車記 その2( Vande Bharat Expressに乗車)

インド

●Vande Bharat Expressに乗る(乗車区間:バラナシ→アグラ)
2025年3月のインド旅行では、ガンジス川で有名なバラナシ(Varanasi)から、タージマハルで有名なアグラまで、私が大好きな鉄道で移動することにしました。超有名観光地を結ぶこの区間は外国人観光客の移動需要が多いと想像され、それなりの列車本数が設定されているものと思いきや、比較的長距離であるためか(600km弱)意外にも本数は多くなく、しかも運転時間が長いために0時以降の深夜か未明に発車もしくは到着する列車がほとんどという状態で、インド旅行初心者としてはその時間帯に不安を抱かざるを得ませんでした。そんな中、バラナシを15:20に発車して7時間後の22:20にアグラへ到着するという、一般的なの人間生活の活動時間帯に収まる便利な列車を見つけたので、出発前の日本にて、前回記事で紹介した「12GO」を利用してその列車を予約することにしました。

バラナシ(Varanasi)にはターミナル駅が複数あるようですが、今回乗る列車はBANARAS(バラナス)駅始発です。似たような名前で混乱しますが、駅名の頭文字はVではなくBです。宿の人に駅までのオートリキシャを手配してもらいました。バラナシ市街地の雑踏にまみれながらバラナス駅に到着です。

駅舎に入り、構内の発車案内でホームの番線を確認します。今回乗る列車の列車番号は15:20発の「20175」なので、向かうべきプラットホームは「8」番線ですね。ヨーロッパや韓国などと同様、駅に改札は無いので、いきなりホームへ向かって大丈夫。

跨線橋の上から駅構内を眺めます。さすがターミナル駅だけあってとっても広い構内ですね。

ホームには各号車の停止位置に合わせて小さな表示もあります。これで自分の乗車位置を確認。私が指定された号車は「E1」なので、その表示の前で待てば良い訳ですね。尤も、今回は乗るべき列車が既に入線していましたが、屋根下の「E1」の表示箇所に、ちゃんと「E1」号車が停まっていました。

これが今回乗車した”Vande Bharat Express”(ヴァンデ・バーラト・エクスプレス)です。ネットでこの車両を調べると、東海道新幹線の義理の親戚みたいな塗装、即ち白地に青いラインが引かれている電車の画像が表示されますが、どうやら2023年以降に登場した車両は塗分けが全面的に変更され、上画像の暖色系塗装になったそうです。つまりこれから乗る車両は運用開始から2年程度しか経っていない新車に近い状態と言えそうですね。
なおインドでは将来的に日本の新幹線を導入する計画があるそうですが、現時点におけるインド鉄道の高速列車といえば、この”Vande Bharat Express”になるんだとか。最高時速160km/hなので、世界各国の高速鉄道と比べるとまだ発展途上と言えそうです。

今回利用する20175列車はバラナス始発で、終点はアグラ・カント駅です。つまり私は始発駅から終着駅まで乗り通します。所要時間は7時間。”Vande Bharat Express”にはエコノミークラス(普通車)とエグゼクティブクラス(日本のグリーン車に相当)という2つの等級があるのですが、7時間の長丁場を乗り切らなければならないため、今回はエグゼクティブクラスを予約しました。

エグゼクティブクラスの車内です。エコノミークラスは日本の新幹線の普通車と同様、座席が2+3列なのですが、エグゼクティブクラスは新幹線グリーン車と同様の2+2列の座席配置になっています。

シートピッチが広々しており、背もたれも大きくリクライニングできます。なおシートの下にはコンセントがあり、USBによる充電も可能です。テーブルは2つのシートの間にあるひじ掛け下に収納されています。ただ、シート自体はちょっと安っぽく、足置きも簡素かな。

こちらは車端部のデッキを写した画像で、デッキと客席部を仕切る自動ドアが開いている状態で撮っています。トイレは洋式で清掃もちゃんと行き届いていました。

ほぼ定刻(15:20)に発車。出発してまもなくすると、乗客一人一人に一輪のバラが配られました。インドで1等車に乗るとこれが当たり前なのかしら。

“Vande Bharat Express”は食堂車が無い代わり、車内サービスが充実しています。バラが配り終わったら、今度はおやつの配布が開始されました。おやつとはいえ、その量が尋常ではなく、キャラメルポップコーン、麦のポン菓子、ヌガー、ナッツとドライフルーツのミックス、油っぽいパンのような物(トマトケチャップ付き)といった内容で、これにお湯で溶かす粉末のチャイ(お湯はスタッフが注いでくれる)も加わり、とても一人では食べきれません。半分近くは持ち帰りました。
お菓子を食べたら血糖値が上昇してしまい、その影響なのか、それとも旅の疲れがドッと出たのか、食後いつの間にか深い眠りに入ってしまった私。気づけばバラナシとアグラの中間地点を既に通過していました。

18:30頃、スナックが配られました。トマトスープは粉末ですから、カップに粉末を入れて待っていると、スタッフが巡回しながらお湯を注いでくれます。先程の膨大なお菓子に加えてこのスナックで、もう十分と感じていたら・・・

インド料理の王道と言うべき2種のカレーを中心にした夕食が提供されました。これまたすごいボリュームでしょ。しかもちゃんと美味しいんだから驚いちゃいます。
でも7時間電車に乗りっぱなしで体を動かしていないのに、こんなにたくさん食べ続けていたら益々デブになっちゃうよ。インド鉄道は我々を太らせたいのでしょうか。

食後にはアイスも提供されました。至れり尽くせり、そして肥えまくりです。ぶぅぶぅ。

長い乗車を経て、ようやくアグラ・カント駅に到着しました。アグラにはアグラ・フォート(Agra Fort)駅とアグラ・カント(Agra Cantt)駅という2つのターミナル駅がありますが、今回の列車は後者へ到着しました。さてこの列車ですが。定刻は22:20着の予定なのに、駅の時計は22:01を表示しているではありませんか。私のスマホも同じ時間を表示していたので、駅の時計が狂っているわけではありません。なんと19分も早着しちゃったんです。ネットで調べると、インドの鉄道は遅延が当たり前、と書かれていることが多いかと思いますが、遅延どころか大幅に早着することもあるんですね。いろんな意味で大らかなのでしょう。日本で19分早着の列車なんてありえませんね。でも初めての土地で夜遅くに駅からホテルへ向かう必要があったため、大幅に早着してくれてむしろ助かりました。

エグゼクティブクラス(1等車)を利用したためか、7時間弱の長時間乗車もほとんど苦にならないほど、快適に移動することができました。1等車と言っても日本の鉄道料金に比べればはるかに安いので、もし乗車の機会がありましたら、是非ともエグゼクティブクラスを選択してみてください。

22時とはいえ人でごった返すアグラ・カント駅。さすがインドはどこへ行っても人が多いですね。駅構内では客引きが煩いので、駅からちょっと離れたところでUberを呼び、この晩のホテルへ向かいました。

さて次回記事ではアグラの地下鉄(メトロ)について取り上げます。

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました