あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。
さて新年最初の記事は、信州の小谷温泉を取り上げます。
(2025年4月訪問)
国道148号線から雨飾山の登山口へつながる県道114号線に入り、谷に沿って北東へ坂道をぐんぐん上がってゆくと、やがて小谷温泉へたどり着きます。かつて当地には複数の温泉宿がありましたが、現在は今回訪ねる「山田旅館」の一軒だけ。長年の風雪に耐え忍んできた木造三階建ての趣きある立派な建物からは、老舗ならではの重厚感と、厳しい環境を生き抜いてきた忍耐力が伝わってきます。
今回は日帰り入浴で利用しました。お宿のお風呂には年中入れる元湯と期間限定の外湯があり、「一杯風呂」と書かれているように、日帰りの場合はいずれか一方を選択することになります。玄関の引き戸を開けた先にある上がり框に日帰り入浴客用の紙が置かれていて、そこへ名前や連絡先を記入し、トレーへ湯銭を納める仕組みです。日帰り入浴の営業時間はちょうど清掃や支度などで忙しいため、このような形態をとっているものと思われますが、私の訪問時はたまたま宿の人がいらっしゃったので、その方へ直接お支払いしました。上述の通り無人状態を前提にした受付のため、日帰り入浴利用の際は予め小銭を用意しましょう。
今回私は期間限定の外湯を選択しました。本棟の隣隣するこの建物に外湯が設けられています。ちなみにこの建物は以前「太田旅館」だったはず。
外湯の建物へ向かう途中に飲泉場があり、新湯源泉のお湯を飲むことができます。外湯でも同じ源泉が引かれていますので、味や香りなどのインプレッションは後ほど述べますが、それにしても北国の絶景を眺めながら温泉を飲んだら、体も心もたちまちリフレッシュできちゃいそうですね。
外湯を擁する建物はかつて別の旅館として営業していたため、玄関廻りをはじめとして各部にその面影が残っており、引き戸を開けて中に入ると奥から女将さんの声が聞こえてきそうな雰囲気なのですが、実際には無人状態であり、館内は山の冷たく清らかな空気と静寂に支配されていました。
下足場にロッカーが設置されていますので、貴重品はそちらへ預けましょう。玄関を入って左側に紺と紅の暖簾が下がっており、その奥につながる更衣室は見た目こそシンプルですが清掃が行き届いており、洗面台にはドライヤーも用意されているので、快適に使うことができました。
外湯という名称とは裏腹にちゃんと内湯があります。この内湯にはシャワー付きカランが2つ設けられており、ボディーソープやシャンプーなども完備です。
総木造の湯船は5〜6人サイズで、新湯源泉が掛け流されており、実に良い湯加減が維持されていました。
内湯の引き戸を開けて屋外に出ると、目の前にお堂のような屋根と、その下に据えられた露天風呂の湯船が視界に入ってきます。
この露天風呂は崖の上に建てられており、眺望が大変素晴らしく、付近の景色を見下ろすのみならず、遠方には白馬連峰が望めました。私が訪ねたのは4月の連休でしたが、春の淡い青空、山の残雪、そして木々の新緑がそれぞれ目に鮮やかで、永遠に眺め続けていたくなるほど美しい景色でした。この日は外気が冷たかったため、湯船のお湯は若干ぬるめだったのですが、寧ろそのお蔭で体に負担なく長湯できたので、飽きるまでひたすらこの絶景を眺め続けたのでした。
亀さんが佇む湯口から注がれているのは内湯や飲泉所と同じ新湯源泉で、もちろん純然たる完全かけ流しです。湯船のお湯はやや緑色掛かった山吹色に懸濁し、特に露天風呂では同色の湯の花がちらほら浮遊していました。飲泉所のお湯を飲んでみますと、薄塩味と出汁味、弱炭酸味、そして弱金気味がそれぞれ渾然一体となって口の中に広がり、塩化土類泉によくある香ばしい香りが鼻から抜けていきます。泉質としては重曹泉に属しており、分析表の数値を見ても純重曹泉そのものなのですが、湯船に浸かると重曹泉的な滑らかなツルスベ浴感の他、塩化土類泉的な肌に引っかかる感覚も少々混在しており、ひとことでは表現が難しい複雑な浴感に包まれます。それゆえ一浴で複数の特徴がまとめて体感でき、この上なく気持ちの良い浴感が楽しめます。
青空に映える残雪と、桜や水仙といった春の花々。
まさに北国の春と言うべき素晴らしい景色でした。
小谷温泉新湯
ナトリウム-炭酸水素塩温泉 48.0℃ pH6.9 66.5L/min(自然湧出) 溶存物質3353mg/kg 成分総計3797mg/kg
Na+:809.1mg(90.80mval%), Ca++:37.7mg, Mg++:12.1mg, Fe++:1.1mg,
Cl-:70.8mg, HCO3-:2319mg(94.68mval%),
H2SiO3:64.9mg, CO2:444.0mg,
(平成26年6月6日)
加温加水循環消毒なし
長野県北安曇郡小谷村中土18836
0261-85-1221
ホームページ
日帰り入浴10:00~15:00(受付14:30まで)
元湯:年中入浴可
外湯:4月中旬~11月上旬入浴可
700円/約1時間・元湯か外湯のどちらか一方
ロッカー・シャンプー類・ドライヤーあり
私の好み:★★★


コメント
K-Iさん、こんばんは。小谷温泉の山田旅館、前々から行きたいと思っているので物凄く参考になりました。
昨年から長野の温泉へちょくちょく出掛けるようになり、その温泉大国っぷりに驚愕しております。
年末年始は沓掛温泉の満山荘へ行ったのですが、冬こそ「ぬる湯」、開眼しました(笑)
あつ湯も最高ですが、冬場は下手するとヒートショックもあるし、長湯できず・・・
ぬる湯だとじっくり長く湯浴みでき、躰の芯からジワジワ温まって、新陳代謝がスムーズに回る感じがして、体調絶好調でした。
インド旅行記も拝読させて頂きます!(まだ触りだけですが、既にワクワクしてます)
やっぱり温泉逍遥は私にとって聖典です。
MASAさん、こんにちは。小谷温泉の記事は日帰り入浴なので、かなり表面的なのですが、多少なりともお役に立てば幸いです。
おっしゃるように「ぬる湯」は最高ですね。体の芯までしっかり温めたければ、ぬる湯で長湯するのが一番かと思います。特に食塩泉だとその効果が高まりますね。沓掛温泉満山荘も素晴らしいお宿ですね。信州は温泉天国ですから、温泉巡りの楽しみが尽きません。
拙い内容で恐縮ですが、今後とも当ブログをよろしくお願い申し上げます。