上諏訪駅前のデパート5階にある温泉浴場。店内に天然温泉浴場が設けられているデパートは全国でもここが唯一らしく、湯量豊富な上諏訪温泉を象徴するかのような施設です。駅前なので、鉄道旅の途中で汗を流すにも非常に便利。
2004年にこのデパートは経営破綻してしまい、温泉浴場も閉鎖されましたが、2005年に見事復活、浴場は「なごみの湯」という名前でリニューアルされました。
地方の百貨店らしく店内はちょっと寂しいのですが、その店内をエスカレータで5階まで上がると、目の前が「なごみの湯」です。100円リターン式の下駄箱の鍵と引き換えに、受付で脱衣所のロッカーキーを受け取ります。フロントロビーは地方のデパートらしくないシックで大人っぽい雰囲気です。
古いデパート内の狭いスペースを何とかやりくりしてレイアウトしているため、脱衣所も浴室もちょっと窮屈で、アプローチがクネクネしていますが、木目の建材と間接照明を活かした内装デザインで、とっても綺麗で落ち着いた良い雰囲気です。洗面台は焼き物が使われていて、高級旅館のようです。
浴室はシャワーつき混合栓が6ヶ所、縁にヒバ材が使われている台形の浴槽、そして檜?の樽風呂がそれぞれ1つずつ。無色透明無味無臭で癖のないシンプルなお湯が張られています。台形の浴槽は6人ぐらいは入れそうな大きさ。お湯の投入を絞っているためか、湯加減はちょうど良かったのですが、幾分お湯がなまり気味だったような気がします(もちろん日によって異なるでしょう)。
一方、樽風呂はかなり熱めでしたが、お湯が新鮮だからか、キリッとした冴えとさっぱり感がお湯からしっかり伝わってきます。私はこっちの方が気に入りました。
この手の不特定多数を相手にするのお風呂は加温循環消毒だったりするものですが、さすが上諏訪、源泉温度が熱いので加水されているものの、その他は手が加えられておらず、完全放流式なのがうれしいところです。脱衣所には源泉や使用状況に関する実に細かな説明が掲示されており、お湯を大切にしている経営サイドの誠意が感じられます。
建物内部ゆえに外の景色は全く見られず、また大型換気扇の音も気になりますが、駅前という好立地、綺麗で使い勝手が良く、お湯は掛け流し、ロッカー・シャンプー類・ドライヤーが使える共同浴場は、とても貴重な存在だと思います。
湯の脇配湯センター・七ツ釜配湯センターの混合
単純温泉 47.0℃ pH8.31 溶存成分総計386.8mg/kg 加水あり
長野県諏訪市諏訪1-7-20 まるみつ百貨店5階 地図
0266-52-4111
ホームページ
10:00~19:00
500円
ロッカー・シャンプー類・ドライヤーあり
私の好み:★★★
コメント
休業するらしいです
残念ながら、まるみつ百貨店は今年2月20日を以って閉店しちゃうそうです。
http://www.e-marumitsu.com/
5階の温泉浴場については特に触れられていませんが、普通に考えれば一緒に閉店なんでしょうね。残念です。
ついに閉店
昨日まるみつ百貨店は45年の歴史に幕を下ろしました。温泉浴場についてもクローズのようです。http://www.shinmai.co.jp/news/20110221/KT110220ATI090005000022.htm
私はいま丁度長野県内にいるのですが、テレビのローカルニュースではまるみつ百貨店の閉店が繰り返し報じられています。
日本で唯一デパートに併設された温泉浴場であるというユニークさもさることながら、駅前という好立地や、綺麗で使い勝手が良いなど、とっても便利なお風呂だっただけに、今回の閉店は実に残念です。土地と建物は会社清算のために売却されるそうですが、買取手がどこになるかは不明。温泉浴場が復活するか否かも全くわかりません。また新たな形で、温泉の街上諏訪を象徴するようなお風呂が出来てくれたら嬉しいのですが…。
Unknown
先々週、上諏訪に行って参りましたが、このデパートの解体工事の真っ最中でした。もう四年も前に閉店してたんですね。
Unknown
うなぎさん、こんばんは。
実は私も今月上旬に諏訪を訪れていまして、その際にうなぎさんと同じように、私も解体現場を目にし、とても残念に思いました。便利な場所ですし、きれいなお風呂だったので、残して欲しかったのですが、解体となっては致し方ないですね。
もし私のブログをご覧になって、現地へ行こうとなさっていたならば、既に閉館されていることを記事中に補記していなかったことをお詫びします。近年は全国的に温泉施設の閉鎖が相次いでおり、記事への補記や訂正がちっとも追い付きません