登山初心者の登山記 その1 2010年夏 尾瀬・至仏山

群馬県

今年から少しずつ登山をはじめました。その端緒として私が選んだは尾瀬と至仏山。
雨男の私には珍しく天気に恵まれ、素晴らしい景色の中を、気持ちよく歩くことができました。
登山を始めるきっかけとしてここを選んで正解でした。

2010年7月23日 晴れ

 (前日泊)
 6:55 赤田代・温泉小屋(1420m) 【出発】 地図
 7:20 東電小屋
 7:35 ヨッピ吊橋(分岐) 地図
 8:05 牛首分岐
 8:30 山の鼻(着)(1400m)【休憩・水補給】 地図
 8:45 同(出発)
 9:15 森林限界
 9:45 中間地点
 10:55 至仏山・山頂(着)(2228m) 【休憩・昼食】 地図
 11:30 同(出発)
 12:05 小至仏山・山頂  地図
 12:35 オヤマ沢
 13:20 鳩待峠(1591m) 【到着】 地図

 歩行距離:14.7km
 単独行
 (山の鼻~至仏山頂は植生保護のため、登りの一方通行)

 
【6:55 赤田代・温泉小屋(標高1420m)】
前日に福島県桧枝岐村の沼山峠から尾瀬へ入り、赤田代の温泉小屋で一泊しました。この上ない絶好の日和です。カッコウやホトトギスの囀りに耳にしながら、至仏山を目指すべく、まずは尾瀬ヶ原の縦断を開始。

 
赤田代分岐まで進むと、前方には、これから挑む至仏山が聳え立っていました。ちぎれ雲がちょこちょこと浮かぶ程度で、本当に気持ちのよい青空です。

 
尾瀬ヶ原の木道沿いには夏らしい花々が。

 

 
アザミにとまるシジミチョウがかわいらしい。


一面にニッコウキスゲが咲く湿原の中を進みます。といっても、シカの食害の影響で、花はかなり少なめ。


ヨッピ吊り橋近くの池塘を振り返ったら、まさに明鏡止水の水面に燧ケ岳が写りこむ「逆さ燧」状態になっていました。これは感動! でもちょっとしたそよ風が吹くだけで、すぐに池面には波が立ち、鏡は消えてしまいます。


【8:30/8:45 山の鼻(1400m)】
山小屋やビジターセンターなどが集まる山の鼻に到着。とりあえず尾瀬ヶ原の縦断は終了。ここで水を補給しつつ、軽く休憩です。これから尾瀬を散策する人たちで賑わっていました。また高々と荷物を背負ったボッカさんの姿も。

 
至仏山の山の鼻登山口。ハイキング客の多い尾瀬ヶ原サイドに比べて、登山道側は人影がかなり少なめ。
気合いを入れて、ここから828mの標高差を一気に登ります。気合いを入れて、いざ出発。

 
登山口ゲートには入山者数を記録するための赤外線式カウンターが設置されていますので、ちゃんとカウントできるようにゲートの右側を通ります。ここからひたすら登りです。

 
【9:15 森林限界】
登り始めて30分で森林限界。なるほど、目の前の視界が急に開けてきました。

 
運動不足の私はもう既にこの時点で息が上がって汗だく状態。でも登るペースは早いらしく、先行者を次々に追い越させていただきました。振り返ると、さっき歩いてきた尾瀬ヶ原、そしてその向こうに燧ケ岳が、くっきりはっきり一望でき、まるで絵画のような美しさ。この眺めだけでも疲れが一気に吹き飛びます。


【9:45 中間地点】
山の鼻と山頂の中間点。岩場をよじ登っていきます。至仏山ならではの蛇紋岩は足元が滑りやすく、また森林限界から上は直射日光を遮るものがないので、体力を消耗しやすい状況です。たまに周囲をブンブン飛び回るアブが鬱陶しいことこの上ない…。

 
鎖場も何箇所かあります。でも晴れていれば鎖を使うほどでもないかな。斜面で健気に咲くニッコウキスゲに励まされながら、先へと登りました。


途中、木製の階段が設置されている個所もありました。滑りやすい岩場を避けられる一方、一定間隔が続く階段の連続は、へたった体にはちょっと堪えるかも。

 
登りが若干ゆるくなると、高山植物がお花畑状態で咲き誇る高天ヶ原。

  
小さな花々が敷き詰められた絨毯のようにあたり一面で咲き乱れていました。

 
頂上が見えてきました。あと一息です。

 
彼方へ果てしなく伸びる尾根も実に優美。右側の画像はこれから通過する予定の小至仏山とそれに連なる稜線。

 
【10:55/11:30 至仏山・山頂(2228m)】
やっと山頂に到達できました。山頂の碑のほか、三角点もちゃんと撮影。
距離にして2.9km、828mの標高差を2時間25分で登りきることができました。標準は3時間なので、初心者にしてはまぁまぁのタイムじゃないでしょうか(自画自賛ですけど)。ここでお昼休憩です。

 
さすが日本百名山のひとつに数えられているだけあって、山頂は360度の大パノラマが広がっていました。谷川岳をはじめとする三国山脈、奈良俣湖などがよく眺められます。空の色が飛行機の窓から見る色と一緒だったり、視線と同じ高さに雲の下面が広がっていたりと、登山素人の私は、自分の足で高いところへ来られたことに感動しっぱなし。ここで頬張るおにぎりが本当に美味い。どんなシェフでも板前でも、あの美味しさは作り出せないだろうな。


もちろん尾瀬ヶ原や燧ケ岳の眺望も素晴らしい。下の方で眺めた時より、山も湿原も小さく見えますね。

 
さあ、下山しましょう。山頂からは小至仏を経由して鳩待峠へ下ります。しばらくは尾根の上を歩く爽快なルートです。

 
【12:05 小至仏山(2162m)】
今回のルート最後の登りを登りきると小至仏山頂。ここも360度のパノラマが楽しめます。振り返ると、先ほどまでいた至仏山頂だけが雲の真下の陰になっていました。

 
【12:35 オヤマ沢田代】
高山の湿地帯、オヤマ沢田代。清々しい景色ですね。点在する池塘がかわいらしいです。

 
登山道にはベンチが設置されており、彼方に望む尾瀬ヶ原や燧ケ岳を眺めながら休憩することも可能。また水場(沢)もあり、
ちゃっかりビールを冷やしている御仁も。山で飲むビールはうまいだろうな。俺も飲みてぇ!


再び樹林帯に入り、木陰の中をひたすら下りてゆくと・・・

おおっ! 建物が見えるぞ!

 
【13:20 鳩待峠(1591m)】
尾瀬の群馬県側の玄関口である鳩待峠に到着です。
登山初心者で単独行ながら、好天に恵まれたこともあって、標準タイムより大幅に早く、しかも何らのトラブルも無く、完遂することができました。登山ってめちゃくちゃ楽しいじゃないか。どうして今まで気づかなかったのか、自分を悔んでなりません。
運動不足の不摂生な体でも何とかなるもんですね。

・参考図書
関東日帰りの山ベスト100 1泊で行く名山10選も収録 (ブルーガイドぶらり山散歩)
決定版 日本いで湯百名山登山ガイド〈上巻〉

コメント

タイトルとURLをコピーしました