前回は赤湯温泉までの道のりを書き込みましたが、今回はお風呂の様子についてです。
私は日帰りでの利用ですので、あくまで日帰り入浴した場合のことを記します。
(↑画像クリックで拡大)
赤湯温泉の一軒宿「山口館」のお風呂は野湯を含めると計4ヵ所あります。
駐車場から登山道を歩いて現地までたどり着くと、
(駐車場方面)→赤湯2号橋→青湯→玉子湯・薬師湯→山口館(建物)→野湯→(苗場山頂上方面)
という順に位置しているので、まずは露天風呂群の横を一旦通過して建物まで行き、そこで料金を払ってからお風呂へ戻る、という手順になります。お風呂では大きな荷物や登山靴がNGと決められていますから(↑画像参照)、それらも建物の方へデポしておくことになります。
こちらが山口館の玄関付近。水場あり。
(↑画像は両方ともクリックで拡大)
立ち寄りで入浴する客は所定の料金箱にお金を入れ、指定のサンダルに履き替えてお風呂へ。
まずは、一番手前の青湯から。
こちらは日中は女性専用なので、誰もいないことを確かめた上で、見学のみにしました。
赤湯2号橋からよく見える場所なので、橋方向には目隠しが立てられています。
掘削自噴のお湯は、青白いというか鼠色っぽく、貝の潮汁のような濁り方です。弱い金気に加えて、はっきりとした芒硝と石膏の味及び匂い。後述する他の露天風呂と比べ、こちらは女性用であるためか綺麗に整えられ、誰でも入りやすい状態でした。
次は薬師湯。登山道の路肩下に設けられており、半透明のアクリル波板で作られた屋根&壁で囲われ、当地唯一の内湯になっています。石を組んで作られた歪んだ台形の小さな浴槽で、2~3人サイズ、縁は木材。底も石でゴツゴツしていました。
青湯と異なり、こちらは自然湧出。緑色を帯びた黄土色に濁り、この時の湯温は40.3℃と丁度良い湯加減。湯面には薄い油膜のようなものが浮いていました。薄い塩気、弱めながらもはっきり感じられる金気、そして芒硝らしさが感じられます。ツルスベとキシキシが混在するような浴感でした(後述の玉子湯よりはツルツル感がやや勝るか)。
お湯は山側の浴槽の縁(底)から湧出しているらしく、そこだけがピンポイントで熱く感じられ、うっかりそこへお尻を近づけて「あちっ」と飛び上がることを何度か繰り返してしまいました。湧出量が少ないのでしょう、オーバーフローしていますが、その様はとても静かで、湯面も全く波立っていません。
赤湯温泉で一番大きいお風呂がこの玉子湯。川沿いで屋根などは一切無い、すばらしく開放的なロケーションです。
浴槽はコンクリ造でやや浅く、3分割されています。手前がぬるく、この時は39.6℃(↑の左画像)。奥は熱くて45.0℃もありました(↑の右画像)。真ん中はその中間ぐらいの温度です(測り忘れました)。
自然湧出のお湯で、奥の浴槽が熱いということは、湧出箇所は奥の浴槽にあるわけで、その縁を見ていると、次々にプクプクと泡があがってきます。また、ぬるい手前側の浴槽でも、山側の縁(底)だけは熱いので、そこからも湧出しているのでしょう。どの位置に入っても湧きたてのお湯を楽しめるなんて最高ですね。
赤みを帯びた黄土色に濁ったお湯は、浴槽に付着した苔のためか若干緑色がかっているようにも見えます。濁り方は弱い方だと思いますが、浴槽が温泉成分の色で染まっているので、近くから観察しても濃く濁っているようにも見えます。薄いがはっきりとした塩気、弱い金気、石膏っぽさ、その後から遅れてほろ苦味も感じられます。ツルツルとキシキシが混在したような浴感でした。
玉子湯という名前から、てっきり硫黄的な泉質を想像していましたが、そのような知覚はあまり感じられず、どちらかといえば、北海道・然別峡の野湯群や青森県の田代元湯に近いお湯のように思われました。この手のお湯は、こまめに手入れしないとすぐに藻が増殖し、臭くなって入浴できなくなっちゃうんですよね。宿の方が苦労してお手入れされているものと想像します。感謝感謝。
山口館で管理されているお風呂は上記の3つですが、旅館の建物を通り過ぎてちょっと川の上流側(山頂側)へ歩くと、もうひとつ野湯状態になっているところがあります。河原にできた湯溜まりみたいなものです。湯面からは湯気がたちのぼり、底からプクプク泡が上がっています。野湯ですからこちらは無料。
湯温はかなりぬるめ。夏の暑い時期に汗を流すべく入浴するとちょうどいいかもしれません。お湯の質は玉子湯に近いものを感じました。
・青の湯
ナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩泉 50.4℃ pH6.7 15.5L/min(掘削自噴) 溶存物質1914mg/kg 成分総計1982mg/kg
・薬師の湯
ナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩泉 49.0℃ pH6.3 18.9L/min(自然湧出) 溶存物質2693mg/kg 成分総計2918mg/kg
・玉子の湯
ナトリウム・カルシウム-塩化物泉 56.6℃ pH6.4 14.9L/min(自然湧出) 溶存物質3657mg/kg 成分総計3942mg/kg
新潟県南魚沼郡湯沢町三国 地図
赤湯温泉連絡所025-772-4125
8:00~14:00 営業期間:4月29日~11月3日 (冬季休業)
入浴のみ:500円
片道徒歩2時間を要するので、トレッキングの装備が必要。熊除け鈴もあった方がいいでしょう。
温泉付近は携帯の電波が届きません。
私の好み:★★★
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