もうすぐ9月の連休。今年は暦の並びがよくないので、休みがブツ切れになっちゃいますが、猛暑から逃れられ、一気に外出したくなる時期には違いありません。
ちょうど一年前の去年(2009年)の9月連休、北アルプス北部の蓮華温泉に行ってきたので、その時の画像をアップします。今度の連休に行く予定のある方は参考にしていただければ幸いです。
まずこのロッジで料金支払い。白馬岳や朝日岳への登山基地なので、周囲は登山客だらけ。
日帰り入浴開始時間の30分前でしたが、快く受け付けてくれました。
露天風呂めぐりの開始。今回は反時計回りでぐるっと周回します。
なお蓮華温泉の露天風呂は全て混浴、脱衣所や目隠しはありません。
スタートから歩道(ゆるい階段)を登ること約10分。まずは三国一の湯。1~2人がやっとの小さな浴槽。無色透明・たまご臭・収斂味、湯口に白い繊維状の硫黄の湯の華付着。誰もいないので早速入ろうと思いましたが…
湯口で33.6℃、湯船だと27.1℃という低温で、とても入れたもんじゃないので、手だけジャブジャブして、入浴はパス。
三国一から仙気までは、およそ5分です。紅葉が色づきはじめていました。やがて白い噴気を上げるガレが見えてきます。
蓮華温泉のハイライト、仙気の湯。雄大な景色の中、ポツンと佇む小さな湯船。大自然の中にいるぞ、ってことを実感。もう余計な言葉は要りません。曇っていますが朝日岳も綺麗だ。果てしない広大さを堪能できる見晴らしの良さ。本当に絶景。
お湯は無色透明ですが白い細かいコロイドのために薄く白濁して見えます。薄ら硫化水素臭(湯口ではっきり。他では匂い弱め)と酸っぱい匂い、明礬的な味(それほど収斂するほどではない)。日本各地にある「仙気の湯」は大抵激熱ですが、ここは42~3℃で、ちょうどよい湯加減でした。
後姿が写っているのは白馬三山を単独行で縦走し白馬大池から下りてきたお兄さん。いかにも山男って感じの屈強な体ですが、実にジェントリーでした。軟弱な私には北アルプス単独縦走なんて無理だ…。すごいなぁ。
仙気の湯からちょっと上がると薬師の湯。ここの露天風呂群では最も高所に位置しています。草が迫って生えている関係で仙気より開放感が劣ってしまいますが、でも絶景は楽しめましたよ。
無色透明だがコロイドのため深緑色に濁って見える。強くないのだが何とも表現しようのない不思議な匂い。しょっぱい味+収斂する酸味で、蓮華温泉の中では一番味が濃い。
湯口で49℃以上あるお湯は、湯船だと一気に冷えて36.5℃とかなりぬるくなっていました。先客がえらく長湯していたので、どうしたものかと思っていたら、なるほど、ぬるくて外に出られなかったのかも。
仙気の湯や薬師の湯周辺のガレは噴気地帯となっており、あちこちから白い蒸気が立ち上っています。
残念ながら頂上部は雲に隠れていますが、朝日岳やそれに連なる山並みがとても綺麗。
次に坂を下って黄金の湯へ。まだ色づき始めとはいえ、赤や黄色に染まる紅葉がきれいでした。やっぱり山は秋の訪れが早いんですね。
途中、新黄金の湯跡を通過。杭が立っているだけで何にもなし。
黄金の湯。こちらは木々に囲まれているので景色は期待できません。
無色透明でトロミがあり、くすんだ灰色の湯の花が浮遊、石膏や芒硝的な味と匂い、そして土気っぽさもありました。
湯口で42℃、湯船では約40℃と、長湯にはもってこいの温度でした。
最後に内湯にも入らせていただきました。こちらは男女別。
ガラス張りで景色を眺めながら入浴できます。無色透明で白いコロイドが浮遊しているため
やや白濁して見えます。ちょっと熱め、少し引っかかりのある浴感、匂いはあまり感じられませんでしたが、甘みのあとに酸味が来るような味覚がありました。
それぞれのお風呂がすべて異なる特徴を持つお湯であるという、とても稀有な温泉。
そしてこの上ない絶景。ぜひ一度は行っておくべき温泉だと思います。
ちなみに今年は猛暑が長引いた影響か、例年より紅葉が若干遅れぎみとの話を聞きます。
今年の連休の紅葉は今回紹介した状況と異なる可能性がありますので、その点はご承知置きを。
三国一の湯:酸性-アルミニウム-硫酸塩泉 36.8℃ pH2.6 11L/min 成分総計1444mg/kg
仙気の湯:単純酸性泉 79℃ pH2.8 4.9L/min 成分総計375mg/kg
薬師湯:酸性-硫酸塩泉 53.8℃ pH2.1 12L/min 成分総計1075mg/kg
黄金湯:マグネシウム-炭酸水素塩泉 44.3℃ pH7.2 47L/min 成分総計1657mg/kg
総湯(内湯):酸性硫化水素型含硫黄泉 62℃ pH2.6 90L/min 成分総計933mg/kg
新潟県糸魚川市 地図
・平岩から約20キロ登る一本道は確かに険しくて狭隘ですが、路線バスが通るので、ちゃんと舗装してあり、随所に離合箇所があります。ですので山道だからといってあまりビビる必要はないかと思います。ただし、連休は登山客が集中するので駐車場が満車の可能性があり、そちらの方が心配。
直通090-2524-7237
ホームページ
糸魚川バス ホームページ
10:00~16:00 営業期間:3月下旬~10月20日(ただし車両通行できるのは6月下旬から10月20日頃)
露天・内湯両方:800円 露天のみ:500円 内湯のみ:800円
私の好み:★★★
コメント
Unknown
先日の平日、路線バスを利用して日帰り入浴してきました。平日だというのに駐車場は全国各地からの車でほぼ満車状態でしたね。ロッジも登山客で賑ってました。
4つの露天風呂と内湯に入りましたが、K-Iさんも書かれているように薬師の湯が一番酸っぱく濃かったです。どの湯も素晴らしかったですが、三国一の湯が自分としては特に良かったです。暑い日だったので温湯が気持ち良く、薬師の湯に次いでなかなか濃厚なお湯でした。夏向けの湯かもしれませんね。
Unknown
ぬる湯好きさん、こんばんは。
蓮華温泉へ行かれたんですね。白馬連峰を縦走する基地ですから、夏登山シーズンの今は平日でも多くのお客さんでにぎわっていたのかと思います。私は当地へしばらく行っていませんが、それでも仙気の湯の絶景ははっきりと記憶に焼き付いています。景色だけでなく、三国一や薬師など、それぞれ個性豊かなお湯も面白いですよね。またぜひとも行きたい温泉のひとつです。