奥藤七温泉 (2010年夏・東北野湯めぐり)

岩手県

奥藤七温泉の野湯はいままで2度訪れたことがあるので、今回の旅程では行く予定がなかったのですが、八幡平アスピーテラインを走っていたら、やっぱり入りたくなったので、立ち寄ることにしました。


場所は八幡平アスピーテラインと樹海ラインがぶつかる丁字路から、樹海ラインを1~2キロぐらい下ったところ、藤七温泉の手前です。八幡平頂上方面からだと道路右手です。道路から見える至近にあるので、東北の野湯の中では屈指のアクセスの良さを誇ると言ってもいいのでは。最も近い地点の路肩に1~2台駐車できるスペースがあり、ちょっと離れれば広い駐車帯もあるので、駐車の問題も大丈夫。道路の法面を下りれば、すぐに到着です。
なお野湯へ下りる途中にぬかるみがあるので、そこだけ注意しましょう(私は以前そのぬかるみで靴を泥だらけにしちゃいました)。

  
大きな湯船が二つ。まずは手前の湯船。結構熱めで約44℃、横からプクプク泡とともにお湯が湧いています。

  
次に奥の湯船。ぬるめの36℃。沢からホースが引かれていて水が大量に投入されているので、湯温が下がっているのでしょう。こちらも底からブクブク大量に泡が上がっています。足元湧出を実感できるので、見ていて楽しいですよ。景色もいいし、本当に極楽!

底には白い泥が厚く堆積しています。熱いお湯が底から湧出しているので、たまにお尻に熱さを感じることがあるのですが、それがピンポイントだけで済んでいるのは、きっと厚い泥が底の熱から守ってくれているのでしょう。
お湯は青白く濁り、鼻にツンとくる硫化水素臭、弱酸味+渋み+苦み+泥っぽい味、弱スベ感+いかにも泥湯なパウダー的浴感。日本人が大好きな典型的白濁硫黄のお湯です。


この日、下界の外気は35℃くらいでしたが、さすがに山は涼しくて20~23℃。しかも快晴。爽快な気候の中で、湧きたての白濁湯に浸かる幸せ…。ここは何度来てもいいですね。


ちなみに野湯ですから脱衣所も目隠しになるようなものもありません。道路から至近ということは、道路を通る人から丸見えです。画像の左側に見える白い物体は樹海ラインを登る自動車です。私が湯浴みしている最中、何人かの人が車を停め、物珍しそうに私の入浴姿を眺めていました。またバスの車内から全裸の私に手を振る人も。奇特動物の行動展示みたい。信州・地獄谷の入浴サルの気持ちがわかった気がします。

こんな感じで好奇の目に晒される可能性は否定できませんが、アクセスのしやすさ、お湯の良さ、そして環境の素晴らしさから考えると、温泉が好きな人なら入浴しなきゃ勿体ないと思います。

 
なお、ここから樹海ラインを下って藤七温泉を通り過ぎ、更にしばらく下ると、左手に小さな駐車帯があります(地図)。ここには「太古の息吹」と呼ばれる熱湯噴出地帯です。ボコボコ音を立てながら熱湯が湧いています。入浴したい衝動に駆られましたが、間違いなく即時に茹だってしまいそうだったので、あきらめました。熱いので、温泉卵をつくったり野菜をボイルするには良さそうです。
すごい人になると子供用ビニールプールを持ち込んで、熱湯をプールに引き、すぐ下を流れる沢の水を汲んで、即席のお風呂をつくってしまうそうですが、そこまで私は根気がないので、見学だけにしておきました。

野湯につき分析表なし(おそらく硫化水素型の単純硫黄泉)

岩手県八幡平市松尾寄木北の又 地図

野湯につき無料

私の好み:★★★

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