南郷温泉 しゃくなげの湯

群馬県

 
食事処と農産物直売所を併設する第3セクター運営の温泉浴場です。
旧村営らしく道の駅っぽい雰囲気が強く漂いますが、公営的なつまらなさや冷たさは無く、むしろウッディな暖かさと明暗のコントラストをはっきりさせ、アクセントのある色調を存分に生かした、いかにも今風なデザインで、きっと女性受けが良さそうに思われます。谷あいの敷地を存分に活用した横に長い建物の中央に玄関があり、「しゃくなげの湯」と染め抜かれた紺の暖簾(幕)が張られていました。外見といい、コンセプトといい、直売所併設といい、五日市の瀬音の湯に似たような佇まいです。


受付に下足箱のカギを渡して、引き換えにリストバンドをもらいます。これは館内での食事や買い物の清算で使用するもので、脱衣所のロッカーとは無関係です。
内部も木の温かみがそこここから伝わってくる優しいデザインで、とっても好印象。こちらには大浴場の他、家族風呂が2室用意されています。


お風呂は「石風呂」と「檜風呂」に分かれており、毎週金曜日に男女が入れ替わるんだそうです。訪問時、男湯は「檜風呂」でした。
脱衣所も綺麗で清潔。柱や梁、床、天井の他、ロッカーまで木材を使用、ロッカー背面や洗面台周りの壁面は土壁で、最近の旅館建築でよく用いられるモダン和風の手法が取り入れられています。


内湯は混雑のため、上の画像の1枚しか撮影していません。
内湯には大浴槽とジャグジーが設置された小浴槽の他、サウナと水風呂が用意されています。「檜風呂」と称するだけあって浴槽は総檜造り。大浴槽は一度に15人程入れそうな大きさで、源泉そのままのお湯が投入されています。この浴槽は湯加減の設定が絶妙だからか人気があって、訪問時は人が絶えることはありませんでした。大浴槽に沿って大きなガラス窓が連続しているので、浴室内は明るくいい雰囲気です。一方ジャグジーがある小浴槽にも源泉が注がれていますが、オーバーフローがあまり見られないので、おそらく半循環ではないかと思われます(もしかけ流しだったらゴメンナサイ)。

 
露天にも2つの浴槽が設けられ、いずれも檜風呂で源泉が掛け流されています。ふたつのうち、一方は大きめ、もう一方は小さめながらジャグジーが設置されています。浴槽から溢れ出るオーバーフローは客が歩かない側(塀側)へ流れるように設計されており、そんな細かな配慮も素敵です。

お湯は無色透明、明瞭なタマゴ味と薄いタマゴ臭が感じられる典型的なタマゴ湯です。陽イオンはナトリウムが圧倒的多数を占め、且つ強めのアルカリ性であるためか、ヌルヌル感がかなり強く、思わず何度も肌をさすってしまいました。そして湯上りさっぱり。とっても爽快なお湯です。檜風呂の場合は浴槽の縁に滑り止め防止のための溝が掘られているのですが、それでも足元はヌルヌル湯の影響でかなり滑りやすい状態です。
お湯の中(特に露天の大きい方)ではとても細かいグラスウールのような繊維状の浮遊物がたくさん舞っていましたが、これは湯の華なんでしょうか、あるい檜の繊維が溶け出ているものなんでしょうか。


お湯の良さは評判を呼ぶのでしょう、不便な山村に立地しているのに、休日だからか訪問時は大混雑でした。また駐車場の端っこにある温泉スタンドの前には、お湯を汲むためにタンクを積んだ車が列を成していました。第3セクター運営の温泉施設なので侮っていましたが、加水加温循環消毒が一切無い湯使いを実現し、かつ使い勝手が良い構造なので、十分に満足できました。

アルカリ性単純温泉 55.4℃ pH9.2 360L/min(掘削自噴) 溶存物質0.42g/kg 成分総計0.42g/kg

群馬県沼田市利根町日影南郷100  地図
0278-20-0011
ホームページ

10:00~21:00 4月~11月→第1・3木曜定休 12月~3月→毎週木曜定休
500円+税50円(2時間)
ロッカー・シャンプー類・ドライヤーあり

私の好み:★★★

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