※1年以上前(2010年)に訪問した際のレポートです。現状とは異なるかもしれません。ご了承ください。
温泉巡りをしているうちに、ある一つの真理にたどり着く。すなわち、質素な施設ほどお湯は良い、ということです。裏磐梯の桧原湖付近にビニールハウスでできた温泉があると知り、行ってみることにしました。
まず場所ですが、桧原湖畔の県道64号線を桧原郵便局がある丁字路で西に折れ、集落に入ってしばらく進み、その集落が途絶える辺りの右側です。ネット上の情報によれば皆さん辿りつくまで結構迷っていらっしゃるようですが、どういうわけか私は一発で見つけることができました。
有志の方によって建てられたこの小屋。本当に農業用ビニールハウスを利用して造られているんですね。
内部に入ると、意外にもそこにはお座敷スペースが設けられていました。ちゃぶ台や食器棚が置かれていて、今すぐにでもここで生活ができちゃいそうな雰囲気。単にお風呂だけでなく、ちゃんと休憩する区画を用意しているところにこだわりが伝わってきます。浴室入口脇に置かれた料金入れに寸志を投入。撮影しませんでしたが、画像に写っている扉の向こう側の脱衣所内には、なんと飲料の自販機が設置されていました。ビニールハウスの中は、遊び心とサービス精神が凝縮されているようです。
浴室はひとつだけの混浴。石を並べてコンクリートで固めた浴槽には無色澄明無味無臭で癖のない優しいお湯が注がれています。ご覧のような建物ですから循環装置なんてあるはずもなく、間違いなく加温加水循環消毒なし、純粋な掛け流しだと思われます。
スベスベした気持ち良い浴感で、お湯の清らかさも相俟って、非常に軽く優しい肌触りです。溶存物質0.1722g/kg(成分総計0.1887g/kg)という数値は他ではなかなかお目にかかれない薄さであり、それだけお湯の質感が柔らかく優しいのも納得できます。
浴室には外へ出る引き戸があり、開けてみるとポリ浴槽の露天風呂が据えられていました。入ってみたかったのはやまやまですが、残念ながらこの時浴槽内は苔で覆われていたので、泣く泣く入浴を断念、内湯だけにしておきました。
好き嫌いがはっきり分かれそうですが、アウドドア派の方なら思わず触手が伸びてしまいそうなこの湯小屋。作り手の気持ちがひしひしと伝わってくる手作り感溢れる雰囲気がいい感じで、鮮度が良くて優しいお湯も素晴らしい。このような湯屋を開放してくださっている有志の方に感謝です。
なお、私は地元の方向けの施設はあまり公表すべきじゃないかと考えていますが、こちらの施設はNHKの「ふだん着の温泉」で取り上げられており、その有志の方も自ら「大衆浴場」と名乗っていらっしゃるので、ここで取り上げても差し支え無いだろうと判断させていただきました。
余談ですが、上記リンク先(NHK)で書かれている「語り:米澤 牛」って、何だかユニークな名前ですね。何をナレーションしてもモーモーとしか聞こえないのかもしれません。
なお、この桧原塾の現状(2011年6月現在)ですが、有志の方が書かれているブログによると、地震により浴槽にクラックが走ってしまい、お湯が混濁しちゃったそうです。浴槽については補修が終わったようですが、脱衣所がシロアリの被害に遭って今後修理するとのこと。つきましては、今後利用を検討されている方は現地にて状況をご確認ください(桧原集落には他にも「湖望」という評判の良い入浴施設もありますから、もし桧原塾がNGでしたらそちらをご利用ください)
アルカリ性単純温泉 47.0℃ pH8.5 195L/min(動力揚湯) 溶存物質0.1722g/kg 成分総計0.1887g/kg
(分析表発行日:平成21年4月22日)
福島県耶麻郡北塩原村大字桧原 地図
利用可能時間:不明(常識の範囲内で)
寸志
私の好み:★★★
コメント
素晴らしい
魅力的な施設ですね!お湯を楽しむのに余計な物は要らないですね!自分は好きです!
Unknown
こんにちは。
地図を見ましたが、僕が訪れた時(2000.08.13)は、↓の場所にありました。 移設したんですね。
https://goo.gl/maps/MEY3x55kpYT2
Gは同じだと思いますが、「古代の泉」は健在でしたか?
記載の成分表を撮ってありましたら、配信願えれば幸いです。
Unknown
齊藤@群馬さん、こんにちは。
かつては現在より湖寄りにあったのですね。Googleマップの航空写真には、現在の小屋のみならず、露天風呂までくっきり写っていてビックリしました(笑)
後ほど、分析書を送信させていただきます。