湯宿温泉 湯本館

群馬県


某日、湯宿温泉の「湯本館」に泊まってみました。私のような一人旅の風来坊でも受け入れて下さるので助かります。場所は「窪湯」のすぐ裏、温泉街の中心です。湯本を称するだけあって、こちらは独自源泉を有しており、共同浴場めぐりでは入れないお湯を堪能できるので、とっても楽しみ。


今回通された部屋は2階の正面や窪湯を見下ろす絶好のポジションでした。こんな広くて良い部屋を独り占めできるなんて幸せ。既に布団も敷かれていたので、いきなり風呂に入ってノンビリ横になることもできるぞ。そうときたら、早速風呂に行かなきゃ。

 
浴室は1階の廊下を進んだ奥の方。途中の中庭には、四阿が被せられた源泉がありました。これがこの宿ご自慢の独自源泉なんですね。お湯の中を覗いてみると温泉タマゴを茹でている最中でした。さすがに60℃以上ある高温のお湯ですから、立ち上る湯気の熱気がすごい。


浴室は大浴場、女性浴室、貸切風呂の3つで、いずれも内湯です。なお大浴場は混浴ですが、朝7:00~8:00は女性専用となります。

 
大浴場には真円の大きな浴槽が中心にデンと据えられており、無色透明の澄みきったお湯が湛えられています。その浴槽は少なくとも10人は余裕、15人なら入れそうな大きなサイズ。洗い場にはシャワー付き混合栓が6基。思わず目が惹かれてしまうのが湯口周りでして、礫がたくさん敷かれてその下からお湯が供給されているのですが、その礫の上にはまるで雪が積もっているかのように硫酸塩の真白な析出が分厚く付着しているのです。当地は冬季に相当の雪が積もるかと思いますが、その雪景色を連想させるかのような純白の析出は非常に美しく感動的です。
上述の源泉はこの浴室のすぐ隣ですから、そこから直にお湯を引いているこの浴室のお湯は当然熱く、たとえ飲泉するにせよ、置いてある柄杓で汲んで十分にフーフーと吹いて冷まさないと飲めません。しかしながら、浴槽に関しては湯面の表面積が広いためか、熱いお湯に入り慣れている人ならば水で薄めなくても浸かれる湯加減まで湯温が下がっていました。でも普通の方なら、やはり水で薄めないと入れないかも。
芒硝と石膏、それぞれの匂いと味が均等に感じられる極めてわかりやすい硫酸塩泉で、かすかにタマゴ臭や何かが焦げたような匂いも帯びています。引っかかりのあるキシキシ浴感。硫酸塩泉ならではの光の反射により、湯中の肌は青白く光って見えます。熱いお湯なのですが、お湯の鮮度と浴感が素晴らしいので、のぼせるのを承知で何度も入りたくなってしまいました。温まるパワーも強く、湯上り後もなかなか汗がひきません。


なお湯使いは加温加水循環消毒一切なしの掛け流し。人が浴槽に入る時以外はオーバーフローせず、パスカルの原理により浴槽縁付近のパイプから排湯されていきます。

 
こちらは貸切風呂の様子。特徴ある大浴場に比べると、極めてシンプルな造りです。浴槽は正方形に近い形状で2人サイズ。シャワー付き混合栓が2基。もちろんこちらも完全掛け流しで、浴槽の縁からしっかりオーバーフローしています。大浴場のお湯ではわかりませんでしたが、こちらでは薄い茶色の膜が千切れたような感じの小さな湯の花が浮遊していました。当然ながら熱いのですが、かき混ぜ棒でしっかり湯もみして、十分に掛け湯すれば、水で薄めなくても入れるかと思います。


ちなみにこちらが夕食。お部屋出しですのでわざわざ移動しなくても済みますし、時間もかなり融通を利かせてくれました。この時はたしかリーズナブルなプランでお願いしたのですが、それでも上州豚のしゃぶしゃぶに鮎の塩焼き、お刺身などかなりのボリュームで、とっても美味しく十分満足できましたよ。
アットホームな雰囲気で自家源泉の素晴らしいお湯を堪能できるお薦めのお宿です。

ナトリウム・カルシウム-硫酸塩温泉 62.7℃ pH8.3 自然湧出 蒸発残留物1.425g/kg 成分総計1.44g/kg

JR沼田駅・後閑駅・上毛高原駅から関越交通バス・猿ヶ京行で湯宿温泉下車(沼田駅から約50分、沼田駅発のバスは後閑駅と上毛高原駅を経由します)
群馬県利根郡みなかみ町湯宿温泉甲2381  地図
0278-64-0011
ホームページ

日帰り入浴時間は問い合わせされたし
600円
シャンプー類・ドライヤーあり

私の好み:★★★

コメント

  1. とんとん より:

    もしかして…
    ここの名物の円形の風呂に入って思ったのですが、ここの湯と窪湯は もしかして 同じではないでしょうか…
    入ってて そう思えてなりませんでした。

    また卓球台は何十年も あのままなのでしょうね。
    王貞治さんのサインがあり、何十年も昔 お泊まりになられたそうです。

  2. K-I より:

    Unknown
    とんとんさん、こんばんは
    >ここの湯と窪湯
    窪湯の分析表を見たことが無いので断言できませんが、湯本館は自家源泉、窪湯は窪湯源泉と、それぞれ異なっているようですから、両者は極めて似たお湯なのかもしれませんね(実は同じだったりして…)。
    >王貞治さんのサイン
    記事には載せていませんが、たしかに卓球台がありました(画像は撮っています)。何十年も昔ということは、まさか現役時代だったりして。もしそうだとしたら、客室で素振りしていたかも・・・なんて想像してしまいました。

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