関東地方は例年より早く梅雨があけて猛暑の日々が続いていますが、節電が叫ばれる昨今、冷房の設定温度を上げるなどして、全身にしつこく纏わりつく高湿度の暑さに耐え忍ばねばならず、暑さに弱い私のような軟弱人間は今にも発狂しちゃいそうです。そこで避暑を求め、且つ日ごろの不摂生でたるんだ体を叩き直すべく、今年も夏登山をしてきました。第一弾として選んだ山は栃木県の名峰、那須岳。三斗小屋温泉に泊まる1泊2日の、時間的にも体力的にも余裕のある行程です。
1日目:2011年7月6日 晴れのち曇り 単独行
那須ロープウェイ山頂駅(1690m) 12:10
茶臼岳山頂(1915m) 12:40 / 12:50
峰の茶屋跡(1720m) 13:15
無間谷 13:30
延命水 13:40 / 13:45
三斗小屋温泉(1460m) 14:00
まずは1日目について書き綴ってみます。
まずはロープウェイに乗って高さを稼いじゃいます。18分毎の運行で山頂駅までわずか4分。
なお駅には登山届を投入するポストがあり、専用の用紙も用意されているので、しっかり記入して届け出ましょう。
【那須ロープウェイ山頂駅(1690m) 12:10】
ロープウェイを降りたら登山スタートです。上を仰ぎ見ると、これから目指す山頂が聳えています。また、目の前には早くも活動中の火山らしい荒涼とした広がっています。
麓の方を眺めると、那須が原はもちろん、福島県白河の市街地も明瞭に見えました。夏らしい青空だ。
火山灰や礫ばかりのガレ場なので足元が掬われちゃって歩きにくく、ロープウェイでここまできた観光客も、歩きにくさと急勾配ゆえに、みなさんすぐに引き返していきます。富士山を登っているような感覚で、意外にも疲れてしまいました。
途中に白い蒸気を上げる小さな噴気孔を発見。
その噴気孔の周りには高山植物が可憐な花を咲かせていました。これはマルバシモツケでしょうね。
【茶臼岳山頂(1915m) 12:40 / 12:50】
ガレ場をひたすら登り続けること約30分で鳥居が見えてきました。茶臼岳山頂に到着です。小さな祠があるのでこれからの無事を祈りました。
祠の傍には温度計が柱に設置されていました。下界は30℃を超える暑さだというのに、山頂は20℃ちょうど。暑くも無く寒くもない、ちょうどよい気温です。山頂を吹き抜ける風がとっても心地よい。
山頂の西側からは、無限地獄からの真白な噴気が、轟音とともにまるで雲のように吹き上がっています。
さて、一休みしたところで、茶臼岳の噴火口外縁をグルっと廻って、外輪山経由で峰の茶屋跡へと下りていきます。噴火口跡って本当に茶臼みたいにまん丸の臼状なんですね。西側には大小いくつかの噴気孔が白煙を上げています。
稜線の鞍部に峰の茶屋跡の避難小屋が見えてきました。その奥には那須連峰唯一の鋭鋒である朝日岳の頂上が聳え立っています。なるほどニセ穂高という異名を持つだけあって、切り立った岩が屹立する姿はなかなか勇ましいではありませんか。
避難小屋手前には柱だけが残る廃屋が。これがその茶屋跡?
そんな廃屋のそばにもマルバシモツケが。
【峰の茶屋跡(1720m) 13:15】
ここは風の通り道として有名で、しばしば強風に見舞われるんだとか。たしかに那須連峰の中でもガクンと低くなっている鞍部ですから、風がここに集中しやすいのも納得できます。でもこの日は太平洋高気圧が比較的安定していたので、そよ風程度でした。
峰の茶屋跡避難小屋から峠の茶屋方向を臨んでみました。右側のなだらかな山腹に筋が確認できますが、これが峠の茶屋へと続く登山道。利用者がとっても多い道ですが、今回私は利用しません。
同じく峰の茶屋跡避難小屋から、今度は朝日岳方向を眺めます。明日はこの画像の奥から手前側へと戻ってくる予定です。
さて、峰の茶屋跡から三斗小屋方面へと下りましょう。しばらくはガレの下りが連続します。雨が降ったら一部滑りやすそうな個所がありました。
ガレ場を抜けると森林帯へ突入です。どんどん下ります。
那須岳避難小屋の脇を通過。この辺りから勾配が緩やかになってきます。
【無間谷 13:30】
無間谷(という名前の沢)を渡ります。沢には立派な木造の橋が架かっています。河床が真っ赤に染まっているので、沢水には金気が多く含まれているのかも。
【延命水 13:40 / 13:45】
森林帯なので見晴らしはきかないものの、上り下りが少ない歩きやすい道が続きます。
無間谷から約10分で延命水に到達。澄みきった清水が湧いているので飲んでみると、まるで冷蔵庫で冷やしたようなキリっと冴えた冷たい水で、めちゃくちゃ美味しく、鋭気がたちまち蘇ってきました。なるほど、この水を飲んだら寿命が延びるかも。
ちなみにこの水場付近の木陰における気温は21℃でしたが、延命水の水温はなんと8.0℃。
三斗小屋へと続く道は、かつて那須岳で硫黄が採掘されていた時代には、荷物を背負った牛が行き来したらしく、その旨を説明したプレートが設置されています。この程度のイージーな道なら牛もそんなに苦労しないで歩けたことでしょう。この辺りは殆ど平坦です。
【三斗小屋温泉(1460m) 14:00】
藪の中から突然建物の軒が見えたと思ったら、すぐに視界が開けてきました。三斗小屋温泉に到着です。今夜はここで一泊。
【その2へつづく】
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