川渡温泉 越後屋旅館

宮城県


昨年購入した「鳴子温泉湯巡りチケット」の有効期限が切れそうだったので、正月休みを利用して鳴子エリアへ行ってきました。今回目指したのは、私が大好きな川渡温泉なのですが、なぜか訪問するたびに玉砕して今まで入浴することができなかった越後屋旅館へリベンジを果たすことにしました。


これまで3回も「掃除中」などの理由で入浴が果たせなかった越後屋さん。玄関の戸に手を掛けた時には「今回も断られるんじゃないか」という軽い警戒心を抱いたのですが、いざ帳場で宿の方に日帰り入浴をお願いすると、良い意味で私の思い込みを裏切って、快く受け入れてくれました。訪問4回目にしてやっと念願が叶い、館内を歩く足取りが俄然軽やかになったのですが、今までこんなに不運が続いたのは、単に私の訪問タイミングが悪かっただけですよ。

 
お風呂は「不動の湯」と「越後の湯」の2室があり、男女入れ替え制となっていました。それぞれのお風呂には異なる源泉が使われており、夜7時にチェンジとなるため、宿泊しないと両方には入れないんだそうです。この日の男湯は「越後の湯」でしたので、「不動の湯」はまたの機会に。


脱衣所は民宿のお風呂をちょっと大きくした程度のこじんまりとしたものですが、さすがしっかりとした旅館だけあって綺麗で清潔です。

 
脱衣所から内湯へはちょっとステップを下りるところがいい感じです。低い位置へ下ってゆく温泉は大抵の場合アタリですからね。室内には川渡ならではのクレゾールっぽい硫黄臭が充満しており、お湯に触れる前から期待に胸が膨らんでしまいます。浴槽は5~6人サイズで、温泉成分により全体的に黄色を帯びた白色にコーティングされているようでした。浴槽内は3段になっており、ひとつひとつの段に幅があるため、中央付近まで行かないと、しっくりくるような深さにはなりませんでしたが、どうしてこのような構造にしたのか不明。なお洗い場にはシャワー付き混合栓が3基。

 
木の桝でできた湯口からは源泉がそのまま注がれています。そのお湯はかなり熱いのですが、慣れれば直接手で触れることもできました。湯口には白い硫黄の湯の華がビッシリ付着しており、湯の流れに身を任せてユラユラ揺れていました。熱いお湯が加水されずに湯船に溜められるため、湯船の湯加減はちょっと熱めです。川渡らしい鶯色に濁り、お湯の混濁、そして大量に舞う溶き卵のような湯の華によって底は見えません。湯の華は底にも沈澱しており、湯船に体を入ると攪拌されて一気にブワッと舞い上がります。ツンと鼻孔を刺激する硫化水素臭に腐った卵黄のような匂い、そしてクレゾールのような刺激のあるアブラ臭が湯面から漂い、苦みや渋みに薄い塩味と僅かな甘味が入り混じった味覚が確認できました。川渡のお湯は、大雑把に分類すれば鶯色の重曹硫化水素泉ですが、源泉によりかなり個性が異なり、こちらのお湯の特徴はどこかに似ているなと脳みその中の記憶を辿って行ったら、同じ川渡の共同浴場にたどり着きました。後で分析表をよく見たら、案の定、共同浴場と同じ源泉を使っているそうでして、私の記憶もなかなかバカにできないなと一人ほくそ笑んでしまいました。

 
内湯の窓の向こうには、裏庭みたいな猫の額的スペースに露天風呂が設けられていました。あまりに小さいため、はじめ私は露天風呂の存在に気付かず、内湯だけで満足してそのまま出てしまいそうになったほどです。1~2人サイズの岩風呂で、温泉街の真ん中という立地上、周囲を高い塀に囲まれているため、景色を楽しむことはできません。

 
湯口からチョロチョロとお湯が注がれており、その投入量や外気による冷却の影響のためか、湯加減は内湯よりも入りやすい状態でした。当然ながらこちらのお湯も湯の華無数です。お湯は常時浴槽の切り欠けより排湯されていますが、同時に二人が湯船へ入ると、まるで洪水が発生したかのように、もの凄い勢いで溢れだしていきました。湯加減こそ露天の方がよいものの、屋外にもかかわらず構造上どうしても圧迫感から逃れられないため、私個人としてはお湯の鮮度が良くのびのびと入浴できる内湯の方がフィーリングが合いました。

川渡温泉は濃い硫黄的特徴と重曹泉ならではのソフトな浴感が同時に楽しめちゃう欲張りなお湯なので、何度入っても飽きません。今回も至極満悦させていただきました。今回入れなかった「不動の湯」にはお宿の自家源泉が用いられているそうですので、次回は是非「不動の湯」狙いで再訪してみたいものです。

新町有川渡支所前源泉
含硫黄-ナトリウム-炭酸水素塩温泉 52.6℃ pH7.6 蒸発残留物817.4mg/kg 溶存物質1128.3mg/kg
Na:223.4mg(79.09mval%),
HS:5.2mg(2.19mval%), S2O3:5.2mg(0.76mval%), HCO3:589.6mg(81.31mval%),
遊離H2S:2.7mg,

JR陸羽東線・川渡温泉駅より徒歩16~7分
宮城県大崎市鳴子温泉字川渡24-9  地図
0229-84-7005
ホームページ

日帰り入浴時間10:00~16:00
500円(湯めぐりチケット2枚)
シャンプー類・ドライヤーあり、貴重品は帳場預かり

私の好み:★★★

コメント

  1. ぱと より:

    Unknown
    川渡のお湯は激熱の印象しかないのですが唸りながらやっと浸かったのに、地元の方はすんなり浸かるのにはビックリしました!今年は再訪出来たらと思っています...

  2. K-I より:

    こんばんは
    今宵は帯広で常宿にしている「ふく井ホテル」に宿泊しています。モールのお湯は最高です。
    川渡温泉は熱いですけど、何時も入りたくなる魅力があって私は大好きです。

  3. K-I より:

    氷上露天風呂
    今日は長年の念願だった然別湖の氷上露天風呂を楽しみました。世界唯一?の珍しい温泉露天風呂を運良く独り占めできちゃいました。感動しきりです。今週末にはレポートを上げます。

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