小安峡の「小安温泉共同浴場」って、いつの間にかリニューアルしていたんですね。先日国道398号線を通っていたら、偶々この新しい湯屋が目に入ってきたので、慌ててUターンし、国道沿いの総合案内所の駐車場に車を止めて立ち寄ってみることにしました。玄関を入るとすぐ左手におばあちゃんが座っている受付があり、そこで料金を直接手渡して、引き替えに入浴券を受け取ります。券を10枚集めると、1回分が無料になるそうです。おばあちゃん曰く2010年にリニューアルしたんだとか。
敷地面積が限られているので室内はとてもコンパクトです。脱衣室には棚と洗面台があるだけで至ってシンプルですが、さすがに新しいだけあって、とっても明るくて清潔でした。初対面の人間と会うときは第一印象がその後のお付き合いを左右するものですが、浴場の場合は脱衣所がその鍵を握っていることが往々にしてあり、こちらの施設のようにたとえ狭くても明るく綺麗でしたら、全体的な印象もアップしますね。
壁や天井にスギ材、そして床や浴槽に石材タイルを用いた浴室は、共同浴場とは思えない風格と落ち着きが感じられました。浴槽は御影石のような石板タイル貼りで、約10人サイズ。旅館の内湯と言っても誰も疑わないような立派なお風呂ですが、とはいえ室内の隅っこに清掃用具が桶や腰掛けと一緒に並べられており、そんなところはいかにも日常生活に密着した共同浴場そのものであり、世の中うまい具合にバランスがとれているものだなと、一人で勝手に感心してしまいました。洗い場にはシャワー付き混合水栓が2基、スパウトのみの水栓が1基設置されています。水栓から吐き出されるお湯は激熱なので間違いなく源泉を使用しているものと思われます。またお湯と水道の配管が接近しているためか、水を出してもしばらくはお湯が出てきてしまうのが小安峡の温泉らしいところです。
カランの並びにステンレスのふたがあり、そこを開けてみたら中には赤と青のバルブがありました。当然ながら湯口における源泉や水の投入量を調整するためのものですね。お湯はそのままでは熱すぎるため湯口内でしっかり加水されています。
湯口から落とされるお湯は一旦小さな扇形の石板に当たってから湯船へと注がれてゆくのですが、その石板は熱で焼けちゃっのか、赤く変色していました。お湯は無色透明で、軟式テニスボールを思わせる硫黄の匂いや味が明瞭に感じられ、そして若干の甘みも有しているようでした。成分総計49.5mg/kgというめちゃくちゃ薄くてアッサリしたお湯ですから、変な癖が無いすっきりさっぱりとした浴感が楽しめました。
源泉が熱いので相当量加水されているわけですが、それゆえ浴槽から溢れ出るお湯の量も多く、ザブザブと浴槽の縁から絶え間なく溢れ出て、渦を巻いて排水口へと吸い込まれていました。言わずもがな放流式の湯使いです。
受付前の小さな冷蔵庫にはプリンが冷やされているので、湯上がりに150円をおばあちゃんに支払い、自分で取り出していただきました。地元のお店で作られているもので、タマゴの味が前面に出ている素直な美味しさと控えめな甘さが、湯上がりの火照った体にはとても良く合いました。
小安峡温泉
単純温泉 61.2℃ pH6.4 溶存物質47.5mg/kg 成分総計49.5mg/kg
Na+:4.0mg, Ca++:3.0mg, (陽イオン計8.0mg)
Cl-:4.2mg, SO4–:10.0mg, HCO3-:4.0mg,(陰イオン計18.7mg)
H2SiO3:20.8mg,
源泉の温度が高いため加水あり
秋田県湯沢市皆瀬小安峡
平日13:00~21:0、土日祝9:00~21:00
400円
備品類なし(販売も無し)
私の好み:★★★
コメント
小安峡温泉も行ってみたいです
運転にいまひとつ自信のない私でも川原毛や泥湯に行けたので、今度は小安温泉も。
秋田県は秘湯がいっぱいありますね。
玉川温泉も迫力ありました。
蔵王温泉の大露天風呂(といいましたか?)も川がお風呂!!って感じで感激でした。
Unknown
ナンバリングされた入浴券と温泉プリン、いいですね。浴場はきれいですが、昔ながらの風情がうかがえるいいお風呂ですね!
Unknown
>ちゃたろうくんさん
川原毛に行けたのでしたら、小安峡は楽勝ですから、是非現地で温泉入浴とともに大噴湯を見学なさってくださいね。
蔵王の大露天風呂もとっても広くて感激しますよね。東北には魅力的な温泉がたくさんあるので、何度行っても興奮しっぱなしです(^^)
>zataro50さん
建物を新しくしても昔ながらの風情を残しているところが、いかにも共同浴場らしくて良い雰囲気でした。こうした文化を残そうと努力なさっている地域の方に心から感謝です。