八甲田温泉 ぬぐだまりの里(旧遊仙) その2「らむね湯」再訪

青森県

前回に引き続き八甲田温泉「ぬぐだまりの里」のお風呂を取り上げてまいります。「ぬぐだまりの里」には前回紹介した今年開業したばかりの「龍神の湯」と、今回記事の主役である「らむね湯」という2つのお風呂が、それぞれ独立した湯屋となっており、私は既に「らむね湯」を「ぬぐだまりの里」の営業再開後まもない一昨年(2012年)5月に訪れておりまして、その際のことも当ブログにて取り上げております(その記事はこちら)。あれから2年経っていますが、何かしらの変化は見られるのでしょうか。

 
湯屋の外観は以前のまま。余計なことを申し上げれば、湯屋までのアプローチがいまだ鉄板敷きなことも以前のままでした。これまでは「龍神の湯」オープンに全力が注がれたのでしょうから、これからは各棟への連絡通路なども少しずつ整備されてゆくことかと思いますので、今後に期待しましょう。脱衣室の様子も以前と同様で、強いて言えば室内の衝立が撤去されたくらいです。

 
浴室の戸を開けてビックリ。あれれ? ここって本当に2年前と同じ浴室? 奥の方に板の間の床が増設されて、室内面積がかなり拡大し、しかもその拡大された2方向に大きな窓が設けられているではありませんか。比較のため2012年5月に記録した浴室の画像(赤枠で囲った画像)を並べてみましたが、その違いは一目瞭然。とても同じ浴室だとは思えません。以前は木造のシンプルな湯屋でしたが、現在では木のぬくもりと同時に開放感も得られる素敵な浴室へと変貌していました。それもそのはず、どうやら男女を2つの浴室で日替わりにしているらしく、私が2012年に入ったのは開放的ではない手前側の浴室、そして今回入った奥の浴室は2方向に対して開放的な造りになっているようです。

 
しかも私が訪問した時には窓が雨戸のように戸袋へ完全収納されており、ほとんど露天風呂と同じ吹きさらしの状態になっていました。気候に応じて窓を開閉するのでしょうね。しかも窓の外には人工物が一切なく、八甲田の大自然がただただ広がるばかりで、窓際に立って景色を眺めていると、小さな湯小屋の中にいるとは信じられないほど雄大な気分になれました。更には、日帰り入浴のお客さんは殆ど「龍神の湯」へ行ってしまうので、この静かで爽快な空間は空いている場合が多いのも嬉しいところであり、この時は私がほぼ独占していました。

 
2.5m×3mサイズの浴槽は、槽内がタイル貼りで縁には石材を使用。湯口からふんだんにお湯が投入されています。無論完全掛け流し。見た目はほぼ無色透明で、口に含むとレモン汁のような収斂酸味と炭酸味が感じられました。この日の温度は37.3℃という不感温度帯に近い湯加減であり、体への負担が少なく、じっくり長湯できちゃいます。

 
湯船に浸かると忽ち全身が炭酸の泡だらけになるのが、このお湯の素晴らしい特徴。2年前に入浴した時もその激しい泡付きに興奮しましたが、今回も泡に包まれた自分に思わず気分が高揚し、ついつい指先で「アワ」や「八甲田」なんて字を描いてしまいました。肌を拭えども拭えども、いくらでも気泡が付着してくれるので、何度でも書き直せちゃいます。


八甲田の山々を仰ぎ見る全開の窓からは、澄み切った清らかな山の微風が湯船の上へ流れ込んでくるのみならず、周辺の森で絶えず囀る小鳥たちの美声も聞こえてきました。しかもアワアワのぬる湯に浸かっていると、あまりの気持ち良さに時間を忘れてしまい、「龍神の湯」につづいてこちらでも微睡みの世界へ引きずりこまれそうになってしまいました。夏に訪れてこのお風呂に一度でも入ると、あまりの爽快さに後を引き、湯船から出られなくなってしまうこと間違いなしです。炭酸湯ならではの温浴効果もさることながら、温泉がもたらす健康への影響でかなりの部分を占める転地効果という意味でも、このお風呂は相当の実力を有しています。雰囲気に圧倒される「龍神の湯」も、コンパクトながら実力派の「らむね湯」も、どちらも甲乙つけがたい素晴らしいお風呂でした。

青森県青森市駒込深沢766-2  地図
017-738-8288
ホームページ

日帰り入浴10:00~17:00
大浴場600円・らむね館800円・大浴場+らむね館1000円
「龍神の湯」にはロッカー・シャンプー類・ドライヤーの備え付けあり
「らむね湯」には備品類なし

私の好み:★★★

コメント

  1. Lunta より:

    Unknown
    K-Iさん、台湾の温泉めぐりはいかがでしたか。
    ご紹介の八甲田温泉、あまりにも気持ちよさそうなので速攻10月に宿泊予約を入れてしまいました。
    ぬる湯は夏向きですが、源泉が4つもあるとのことなので今からとても楽しみです。
    ご紹介、感謝。

  2. K-I より:

    Unknown
    Luntaさん、こんばんは。
    先日の台湾温泉巡りでは、バイクに2時間近く乗り続けた南投県の奥地にある原住民のための共同浴場や、台北・陽明山北側の野湯など、個性的なところを巡ってきました。台湾の温泉は奥が深くて、巡るたびに新しい出会いがありますね。マンゴーもほぼ毎日食べていました。

    >八甲田温泉
    10月にお出かけになるんですね。例年でしたら紅葉の時期ですから、いい感じで色づいていると良いですね。二つの浴室のお湯は本当に素晴らしく、ぬる湯もあれば、熱いお湯もありますので、多少気温が低くても問題ないかと思います。浴室の雰囲気にも圧倒されました。青森県屈指の良泉です。

  3. プンタ より:

    Unknown
    私は去年も一昨年も手前の暗い方にしか当たってないので、羨ましいです!
    次はフロントで確認しようかな(笑
    それと私も腕に文字を書いちゃおっと。(^^;

    訪問した者にしかわからない事ですが、陰毛の泡付きが本当に凄い(グロイw)ですよね。

  4. あまちゃん より:

    Unknown
    夏のラムネの評判聞こえてて、今月立ち寄りしたいと青森にいく予定をたてましたが、写真みて改めて1000円払って両方体感したいと、思いました!
    記事ありがとうございます♪

  5. K-I より:

    Unknown
    >プンタさん
    この記事を書いているときは、てっきり「龍神の湯」のオープンに合わせて改築したのかと思い込んでいたのですが、記事公開後に念のため自分の過去の画像を調べたら、浴室の前後が逆であったことに気づきました。私は図らずも両方の浴室を体験できたわけですが、開放感のある浴室でアワアワの炭酸風呂に浸かるひと時は非常に爽快で、且つ空いていますので、個人的には「龍神」も「らむね」も甲乙つけがたく、両方とも気に入りました。
    この温泉と我が家との間に700km以上も隔たりがあるというこの事実が、とっても悔しく思います。はぁ…すぐに行けるプンタさんが羨ましいなぁ。

  6. K-I より:

    Unknown
    あまちゃんさん、こんばんは。
    青森県の温泉で1000円という湯銭は相当高い部類ですが、そんなことは気にならなくなるほど、素晴らしいお風呂&お湯でした。アワアワのお湯はぬるいのですが、炭酸の効果によって、長湯していれば体の芯から温まりますし、かと言って変な熱さは無いので、湯上り爽快です。是非お立ち寄りになってみてください。

  7. Lunta より:

    Unknown
    先週末、八甲田温泉に行ってまいりました。
    ご紹介通り、本当に素晴らしい温泉!
    ちょうど八甲田山の紅葉も見ごろで、同行者たちにもとても喜んでもらえました。
    記事にこちらへのリンクを貼らせていただきましたのでご報告です。

  8. K-I より:

    Unknown
    Luntaさん、こんばんは。
    ブログの記事、拝見しました。栗駒や八甲田へお出かけの日、私は同じく東北の八幡平・焼山や安比界隈で登山しつつ、野湯を楽しんでおりました。栗駒の紅葉、とても美しいですね。八幡平もちょうど見頃でした。いずれ私もその時のことを自分のブログにアップするつもりです。

    私の記事がLuntaさんのご旅行に役立つことができたようで幸いです。また、記事中で拙ブログをご紹介くださりありがとうございます。天候はあいにくでしたが、露天風呂から紅葉を眺めたり、ラムネ風呂でアワアワを楽しんだりと、八甲田温泉を満喫なさったようで、私も嬉しく思っております。さすがに10月にもなると、あのお湯はぬるく感じてしまいますが、また来年行けたら、是非再訪したいと思っております。

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