仕事に疲れた半年前の某日のこと。誰にも邪魔をされず、ひとりで潮騒を耳にしながらぼんやりと時間を過ごして心を癒したい…。そんな衝動に駆られた私は、宇佐美の砂浜沿いに建つ民宿「中島荘」で一晩過ごすことにしました。某大手宿泊予約サイトを通じて、前日に予約を済ませました。宇佐美駅から徒歩5~6分でたどり着け、しかも国道135号線沿いで目の前が砂浜という好立地です。車で135号線を通るたびに目にしていた宿であり、お湯が良いという情報も目にしていたので、以前から気になっていたのでした。玄関は国道の反対側の路地に面しており、建物こそ小型のマンションのような規模ですが、玄関は民宿らしいアットホームな雰囲気です。
●客室・食事
今回通されたお部屋は海に面した10畳の和室。エアコン・テレビ・冷蔵庫などの備え付けのほか、洗面台やトイレ(洗浄便座付き)も部屋についており、お風呂以外はお部屋で全部済んじゃうのでとっても便利です。
お食事は夕朝とも部屋出しでした。上画像は夕食。鯵のお造りや車海老のグラタン、天ぷら、茶碗蒸しなど色とりどりの料理が並んだ他、ワタリガニとエビが入った豆乳鍋がとっても美味。さすが海沿いという場所だけあって、魚介中心の家庭的なラインナップでした。
上画像は、翌朝の日の出をちょっと過ぎた頃に、客室の窓から海を眺めた様子です。有り体な言い方をすればオーシャンビュー。国道135号を挟んだ目の前に砂浜が広がっており、宿泊中はこのパノラマを独り占め。そして一晩中、相模灘の潮騒をヒーリングミュージックにして過ごすことができました。場所柄、夏は海水浴客で賑わうのでしょうね。
朝の海を眺めて深呼吸した後は朝食です。伊豆名物のアジの開きをメインに、シラス、温泉卵や玉子焼き、サラダなど、ご当地らしい海の幸とともに家庭的な献立が並び、全部を平らげおいしくいただきました。
●お風呂
お風呂は1階の奥にあり、浴室は男女別にそれぞれ一室ずつ用意されています。お風呂には利用時間帯が設定されており、夜中0時から翌朝6:30までは入れませんが、私は夜2回、朝1回入っちゃいました。
民宿ですから脱衣室はコンパクト。せいぜい2~3人が精一杯かな。室内には髭剃りの古い自販機が括り付けられていましたが、現在使えるのかどうかは不明。
お風呂も小ぢんまりとしており、一見すると地味な造りなのですが、浴槽や床などお湯が触れるところには贅沢に伊豆青石を用いており、そのなめらかな肌触りには心が落ち着きます。洗い場にはカランが計3基設置されており、うち1基はシャワー付きで、カランから出てくるお湯は源泉使用です(このため石鹸類の泡立ちはよくありません)。
台形の浴槽は2人サイズ。一人ならばゆったりと入れますし、上述のように伊豆青石で拵えられていますので、湯船に体を沈ませ、腰をどっしりと底へ下ろした時の感触はとても上質です。浴槽の外側にはオーバーフロー用の塩ビ管が突き出ており、普段はここから洗い場へお湯が排出されているのですが、人が湯船に入るとこの管だけでは追いつかず、縁の上からザバーッと音を轟かせながら勢いよく豪快に溢れ出てゆきました。湯使いは文句なしの掛け流しです。
浴槽隅に据えられた岩の湯口からトポトポと注がれる湯は、館内表示の分析書によれば混合泉とのことですから、このエリアで共通して分配されているお湯を引湯しているのでしょう。浴槽上の壁にはコックがあり、これを回すことによってお湯の投入量を調整できます。湯口から出てくる時点で50℃以上あり、コックを全開にして出しっ放しにすると、湯船が熱くなりすぎて入れなくなっちゃいますから、もし入浴時にコックを開けたとしても、使用後は元の位置に戻しておくべきかと思います。なお私の初回入浴時には体感で45℃ほどありましたが、しっかり掻き混ぜることにより、加水せずに入浴することができました。ただ、常に熱さを保っているわけではないようでして、夜11時過ぎの2回目は湯口の時点で42℃あるかないかというぬるさであり、ちょっと物足りなかったのでコックを全開にさせていただきました。おそらく分配元の貯湯槽の時点で湯温が下がっていたのでしょう。なお翌朝はちゃんと50℃以上に上がっていました。湯温の調整って本当に難しいものなんですね。
お湯はほぼ無色透明ですが、僅かに貝汁のような濁りを呈しているような気もします。甘塩味にパラフィンのような薬味と苦汁味がはっきり感じられ、前々回の記事で取り上げた伊東「山喜旅館」のしょっぱいお湯から塩気を引っ込めた代わりに、苦汁味や芒硝感を際立たせて石膏感も加えたようなフィーリングであり、テイスティングするとかなり引っかかりのあるトゲトゲした味わいが口の中に広がってゆきます。湯中では食塩泉と硫酸塩泉の両方の個性が拮抗しあいながらもいかんなく発揮されており、具体的には無色透明の硫酸塩泉的なトロミとキシキシ感、カルシウムの仕業と思われるギシギシ浴感や全身への抱擁感、そして食塩泉らしい湯上り後の力強い温まりなどなど、いろんな浴感がてんこ盛りで一遍に楽しめます。特に深夜の2回目入浴時は、湯温の関係でじっくり長湯させてもらったのですが、しばらく浸かっていると、まるで子泣き爺に抱きつかれたかのようなドッシリとした重い負担感があり、しっかり体力を奪われ、湯上りはヘトヘトになっちゃいました(おかげで布団に入ったら即座に熟睡できました)。見た目は無色透明ですが決して侮ってはいけないヘビー級のパワーを持つお湯です。
料理とお風呂も家庭的でぬくもりたっぷり。手頃な値段でオーシャンビューの部屋に泊まれ、しかも宇佐美のお湯を掛け流しで楽しめる、コストパフォーマンスの高いお宿でした。
混合泉
カルシウム・ナトリウム-塩化物・硫酸塩温泉 60.2℃ pH8.7 溶存物質3.240g/kg 成分総計3.240g/kg
Na+:398.3mg(33.50mval%), Ca++:683.7mg(65.96mval%),
Cl-:1228mg(65.73mval%), Br-:1.7mg, I-:0.2mg, SO4–:852.2mg(33.66mval%),
H2SiO3:53.1mg,
JR伊東線・宇佐美駅より徒歩5~6分(約500m)
静岡県伊東市宇佐美1746-1 地図
0557-48-9489
ホームページ
日帰り入浴要問い合わせ(参考:宿泊客の入浴可能時間6:30~10:00, 15:00~24:00)
シャンプー類・ドライヤーあり
私の好み:★★★
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コメント
Unknown
こんばんわ^^。またお邪魔しております^^b
中島荘、私も以前に宿泊した事があります。
理由は全く同じです。いつも通り過ぎる時から
「良い場所に良い感じの民宿があるなぁ、、、」と^^。
確か、8000円程の宿泊費用だったにもかかわらず、
とっても美味しい二食が出て来て嬉しかった記憶が。
部屋も空きがあったので良い部屋にしてくれました。
しかし、お風呂が本当に熱く、1分が限界で、、、
1分を20セットくらい入った覚えがありますね^^;
しかし、隠れた良宿ですよね。
Unknown
こんばんわ^^。またお邪魔しております^^b
中島荘、私も以前に宿泊した事があります。
理由は全く同じです。いつも通り過ぎる時から
「良い場所に良い感じの民宿があるなぁ、、、」と^^。
確か、8000円程の宿泊費用だったにもかかわらず、
とっても美味しい二食が出て来て嬉しかった記憶が。
部屋も空きがあったので良い部屋にしてくれました。
しかし、お風呂が本当に熱く、1分が限界で、、、
1分を20セットくらい入った覚えがありますね^^;
しかし、隠れた良宿ですよね。
Unknown
こんばんわ^^。またお邪魔しております^^b
中島荘、私も以前に宿泊した事があります。
理由は全く同じです。いつも通り過ぎる時から
「良い場所に良い感じの民宿があるなぁ、、、」と^^。
確か、8000円程の宿泊費用だったにもかかわらず、
とっても美味しい二食が出て来て嬉しかった記憶が。
部屋も空きがあったので良い部屋にしてくれました。
しかし、お風呂が本当に熱く、1分が限界で、、、
1分を20セットくらい入った覚えがありますね^^;
しかし、隠れた良宿ですよね。
Unknown
ぬる湯好きさん、こんばんは。
こちらにお泊りになったことがあるんですね。好立地ですし、東伊豆を行き来する際には必ずと言って良いほど通過する場所ですから、以前から気になっていました。おっしゃるように、リーズナブルにもかかわらず、お湯は良いし、食事は美味いし、海は一望できる…。私は日頃の鬱憤が溜まった状態で一泊したのですが、おかげさまですっかりリフレッシュできました。たしかに熱いお湯でした。でもあの熱さが心身をきゅっと引き締めてくれました(笑)。
Unknown
ぬる湯好きさん、こんばんは。
こちらにお泊りになったことがあるんですね。好立地ですし、東伊豆を行き来する際には必ずと言って良いほど通過する場所ですから、以前から気になっていました。おっしゃるように、リーズナブルにもかかわらず、お湯は良いし、食事は美味いし、海は一望できる…。私は日頃の鬱憤が溜まった状態で一泊したのですが、おかげさまですっかりリフレッシュできました。たしかに熱いお湯でした。でもあの熱さが心身をきゅっと引き締めてくれました(笑)。
Unknown
ぬる湯好きさん、こんばんは。
こちらにお泊りになったことがあるんですね。好立地ですし、東伊豆を行き来する際には必ずと言って良いほど通過する場所ですから、以前から気になっていました。おっしゃるように、リーズナブルにもかかわらず、お湯は良いし、食事は美味いし、海は一望できる…。私は日頃の鬱憤が溜まった状態で一泊したのですが、おかげさまですっかりリフレッシュできました。たしかに熱いお湯でした。でもあの熱さが心身をきゅっと引き締めてくれました(笑)。