旅館激戦区の中伊豆でも人気を集めているお宿「梅木温泉 神代の湯」で日帰り入浴しました。駐車場はいくつかの区画に分かれており、日帰り入浴客は専用区画(7台分)に車をとめることになります。玄関を入ってフロントで入浴をお願いしますと、とても丁寧に対応してくださいました。帳場で料金を支払った後は、食事処の裏手にある出入口から一旦本館の反対側へ出ます。
そして、下駄を履いて橋で向こう側へと渡ります。この橋の上から本館を振り返ると、宿泊客専用の浴場が見えました。
橋の途中で右手を見下ろすと、源泉施設と思しき構造物も。
橋を渡りきって浴場棟にたどり着きました。玄関に入ると、中には伊豆が発祥とされている吊し雛が飾られていました。
浴場棟の奥には休憩用の座敷が用意されています。この座敷は湯上がりに使わせていただくことにして・・・
はやる心に素直に従い、暖簾をくぐって脱衣室を抜け、まずは内湯の浴室へ。
大きな窓が採用されている内湯は明るいのですが、内装の材質により落ち着いた雰囲気です。具体的には、床や側壁の立ち上がりに伊豆青石が、そして壁には木材が用いられています。
洗い場にはシャワー付き混合水栓が4基並んでいるのですが、うち実際に使えるのは右側の3基。カランから吐出されるお湯は温泉です。各シャワーの前にはボディーソープの他、シャンプーとコンディショナーも完備されていますので、安物のリンスインシャンプーのように髪がパサつく心配がありません。カランのうち、左端の1基は客が使えないよう加工されており、ここからは温泉の余剰が捨てられていました。
内湯の浴槽は(目測で)1.8m×3.6mの長方形。縁には赤い御影石が、浴槽内には伊豆青石が用いられていて、湯船の中へ腰を下ろした時に肌へ伝わるの感触がとっても良好です。浴槽の隅っこに設けられた石材造りの湯口周りはベージュ色に染まり、温泉成分のトゲトゲが付着していました。この湯口から温泉が間断なく注がれており、吐出時点での温度は44℃。湯船を満たしたお湯は縁からしっかりとオーバーフローしていました。完全掛け流しの湯使いのようです。なお湯船の温度は41.1℃でした。
浴室内には「北投石ミストサウナ」と称する設備もあるのですが、これは所謂蒸し風呂で、羽目板敷きの床の上に木の枕が5つ置かれており、天井のあたりから北投石に触れさせたお湯のミストが噴射されています。北投石の効能云々についての言及は控えさせていただきますが、屁理屈抜きで、蒸し風呂が好きな方には気持ちよい設備かと思います。
つづいて露天風呂へ。周囲には塀が立てられているため景色を期待することはできませんが、全体的に日本庭園風の趣きに誂えられており、植栽された木々が四季折々の美しさを織りなしてくれるものと想像されます。私が訪れた時にはツツジが咲いており、シャクナゲの蕾がプックリと膨らんでいました。また内湯を背にして露天の湯船に入ると、高さ約1.5mのところに御簾がかかっており、これが良い雰囲気のみならず、閉塞的な空間に和の趣きをもたらすような視覚的効果をもたらしていました。
露天の湯船はおおよそ2.5m×3m。縁には木が、浴槽内には石材が、それぞれ用いられています。うっとりするような美しい色合いですね。そんな綺麗な湯船に張られたお湯の温度は、40.5℃という長湯仕様でした。外気の影響を受けるため、内湯より温度が下がるのでしょう。
湯船のお湯は木の縁を乗り越えて、しっかりと溢れ出ていました。上の小さな画像でもその流れが写っているように、オーバーフロー量は結構多く、実際に湯船のお湯から伝わる鮮度感も抜群でした。なお浴槽内の底や側面には何らかの設備が関連していると思しき穴が見られましたが、いずれも稼働している気配は無く、内湯と同様、完全掛け流しの湯使いとなっているようです。
露天風呂には筧からお湯が注がれており、その表面には温泉成分の析出がビッシリとこびりついていました。吐出口における温度は44.5℃ですから、内湯とほとんど変わりありません。
館内表示によれば、加水加温循環消毒が一切ない完全放流式の湯使いであり、2つの源泉をミックスしているとのこと。内湯・露天とも、湯船のお湯は無色透明で綺麗に澄んでいます。分析書のデータを見る限りでは明らかな芒硝泉なのですが、pH9.2というアルカリ性に傾いており、且つ炭酸イオンやメタケイ酸がそこそこ多いためか、お湯にはまろやかなトロミがあり、ツルツルスベスベの滑らかな浴感が特徴的です。確かに硫酸塩泉的な引っかかりも混在しているのですが、こちらのお湯に関しては引っかかりよりも滑らかさの方が勝っていました。お湯を口に含むと芒硝らしい味や匂いは感じられるものの、意外にも弱く、ほとんど無味無臭と表現しても良いような状態であり、むしろミシン油のような風味が印象に残りました。硫酸塩泉でありながらアルカリ性泉のような特徴を有する不思議なお湯です。
上述のように内湯ではしっかりと温まることができる湯加減である一方、露天風呂はいつまでも長湯したくなるようなぬるめのセッティングであり、好みに応じて湯船を入り分けることもできます。さすが人気が高いお宿だけあり、静かで綺麗、ゆったり寛げる環境つくりをしっかり守っている素敵なお風呂でした。日帰り入浴に関しては高めの料金設定ですが、これはおそらく客層を選るため、そして宿泊客を守るための意図的なものかと推測されます。多少高くても静かなお風呂でのんびりしたいというお客さんにはピッタリですね。
混合泉(梅木1号:56.8℃, 41.7L/min、梅木2号:46.8℃, 148L/min)
ナトリウム-硫酸塩温泉 47.4℃ pH9.2 溶存物質1.370g/kg 成分総計1.370g/kg
Na+:354.9mg(85.16mval%), Ca++:50.3mg(13.84mval%),
Cl-:77.9mg(12.20mval%), OH-:0.3mg, SO4–:653.2mg(75.39mval%), HCO3-:51.4mg, CO3–:39.0mg,
H2SiO3:132.2mg,
(平成28年3月22日)
加水加温循環消毒なし
静岡県伊豆市梅木367−15 地図
0558-83-5388
ホームページ
日帰り入浴10:00〜19:00(受付17:30終了)(休業日があるので、公式サイトでご確認を)
1500円
ロッカー・シャンプー類・ドライヤーあり
私の好み:★★+0.5
コメント
Unknown
こんにちわ^^。
さすがに神代の湯、とてもきれいな施設なんですね!
ここはトウシロの私でも名前を知っています^^。
芒硝泉、良いですよね~。とても温まります。
温泉だと、夏場のクソ暑い日でも長湯出来ます。
この時はK-1殿しかお客さんが居られなかった様で、
何と言う贅沢でしょうか!私なら露天風呂に2時間コースですね^^b
さて、こちらもそろそろ夏休みに入ります。
来週から、高室山温泉1週間入り浸りの旅へ。
ゴルフも1週間ビッシリ入ってますので、、、
温泉で超回復を繰り返しながら頑張ります^^b
Unknown
ぬる湯マスターさん、こんにちは。
さすが有名なお宿だけあって、とっても綺麗で寛げるお風呂でした。この時はたまたま独り占めできたので、余計にお湯を楽しめました。
今年のお盆休みは遠出できないスケジュールなので、車中泊しながらどこか関東近県の山へ登り、下山後に温泉にでも入ろうかと考えています。ここ数ヶ月は自分でもビックリするくらいに温泉へ出かけるペースが減ってしまっています(涙)。