今回記事から3回連続で秋田県の十和田大湯温泉を取り上げます。まずは昨年秋に「上野旅館」で立ち寄り入浴した時の記録から。
こちらのお宿は国道103号線に面しているのですが、建物自体は通りから奥へ入り込んでおり、通りに面した駐車場の間口も狭く、通りには小さな看板が立っているだけなので、ややもすれば見逃してしまうかもしれません。アパートと見まがうよう地味な外観から想像できるように、現代版の商人宿とでも言うべきリーズナブルな旅館であり、この日も駐車場にはトラックやハイエース・プロボックスなど業務用の車ばかりが止まっていました。
玄関で声をかけて湯銭を直接支払い、館内へとお邪魔します。昭和の匂いがプンプン漂う廊下には、同じく昭和の香りを強く放っていた「マインランド尾去沢」のポスターが、色褪せた状態で貼り出されていました。長年にわたって掲出され続けているのでしょう。私は中学校の修学旅行でこの「マインランド尾去沢」を訪れた記憶があるのですが、現在では三菱マテリアルの子会社が買い取り、「史跡 尾去沢鉱山」として生まれ変わったそうですね。
館内には大浴場1室と家族風呂1室があるのですが、実質的には大浴場が男湯、家族風呂が女湯として使い分けられているそうです。私は紛いなりにも男なので大浴場へ向かいました。
脱衣室は決して広くないのですが、片隅には古いマッサージチェアーが置かれていました。これって動くのかな?
浴室には湯気が立ち込めており、見辛い画像になってしまいました。ごめんなさい。全面タイル張りの浴室には、窓下に横長の浴槽がひとつ据えられており、手前側に洗い場が配置されています。装飾の少ない実用的なお風呂です。
洗い場は出入口を挟んで二手に分かれており、合計6組のカラン(お湯と水の蛇口のペア)が並んでいます。常連のお客さん曰く、以前はシャワー付きの混合水栓だったそうですが、ある日にお客さんが壊してしまったらしく、それ以来はシャワーのないシンプルな水栓のままになっているんだそうです。なおカランから出てくるお湯は温泉です。
槽内に貼られているコバルトブルーのタイルがとっても鮮やかな浴槽は、(ガラス窓下の)横幅が約5m、奥行は長いところで2m、短いところで1.2mほどです。この浴槽には2つの湯口があり、ひとつは上画像に写っている配管です。この配管は温泉の他、水道の配管も並行しており、それぞれにバルブが付いているので、投入量を適宜調整することができます。
もうひとつ湯口は温泉の配管のみで、こちらにもバルブが付いていました。こちらの湯口の右手には、浴室内で唯一の飾りである石積みがあり、その形状から察するに、かつてこの石積みは湯口として使われていたものと思われます。お湯は完全放流式で、浴槽の縁より常時お湯が溢れ出ているのですが、私が訪れたのはお風呂が最も混雑する夕方6時頃であったため、本来透明でクリアに澄んでいるはずのお湯は、僅かに霞んで若干鈍り気味でした。
お湯の特徴としては無色透明で、微塩味があり、ほぼ無臭。スルスベの軽やかな浴感が得られるものの、個性的な主張が弱くてクセが少ないため、普段使いのお湯にはもってこいかと思います。なお脱衣室に立てかけられていた小さなホワイトボードによれば、お湯の湧出地は大湯上の湯なんだそうですが、それ以上の具体的な説明などは見当たらず、共有源泉なのか別個の源泉を引いているかはわかりません。
大湯温泉の中では比較的個性の弱いお湯であり、入浴中はさらっとした軽い感じのフィーリングだったのですが、さすが本物の温泉だけあり、湯上がりはとてもよく温まり、いつまでもホコホコとした温浴効果が持続しました。
温泉分析書見当たらず(ナトリウム-塩化物温泉)
秋田県鹿角市十和田大湯上ノ湯35-2 地図
0186-37-2066
日帰り入浴時間不明
300円
シャンプー類あり、ロッカーやドライヤーは見当たらず
私の好み:★★
コメント
Unknown
こんばんわ^^。
すこしずつ順番に記事を拝見してきまして、
いよいよ8月分に突入したのは良いのですが、
季節は11月に差し掛かるところ・・・
いつになったら先頭に追い付くのやら^^;
今回の記事、この写真を見ていると思い出すのです。
そう、かの逢友荘。廊下の感じとか、特に似てますよね。
この様な素朴な温泉宿が、後世まで残る事を祈ります。
我が家の近所にも、「湯らの里」「ヤマトの湯」などと、
天然温泉施設があるにはあるのですが・・・
どうも今一つ 本物感を感じられず残念に思います。
やはり、大勢が一気に入浴する事を想定しているため、
塩素の消毒臭が気になってしまうのですよね~・・・
やはり、自ら足を延ばして本物の中の本物を、
味わいに行くのが吉と言う事ですかね^^。
Unknown
こんばんわ^^。
すこしずつ順番に記事を拝見してきまして、
いよいよ8月分に突入したのは良いのですが、
季節は11月に差し掛かるところ・・・
いつになったら先頭に追い付くのやら^^;
今回の記事、この写真を見ていると思い出すのです。
そう、かの逢友荘。廊下の感じとか、特に似てますよね。
この様な素朴な温泉宿が、後世まで残る事を祈ります。
我が家の近所にも、「湯らの里」「ヤマトの湯」などと、
天然温泉施設があるにはあるのですが・・・
どうも今一つ 本物感を感じられず残念に思います。
やはり、大勢が一気に入浴する事を想定しているため、
塩素の消毒臭が気になってしまうのですよね~・・・
やはり、自ら足を延ばして本物の中の本物を、
味わいに行くのが吉と言う事ですかね^^。
Unknown
ぬる湯マスターさん、こんばんは。
ボリュームが多いわりに中身の薄い記事ばかりで恐縮です。いまアップしている記事は昨年の訪問記で、情報としての鮮度感に欠け、大変申し訳なく思っております。
>逢友荘
なるほど、言われてみれば確かに似たような雰囲気ですね。十和田大湯は篦棒に熱いお湯ばかりなので、ぬる湯マスターさんがお好きな長湯向けのお風呂が無いのですが、宿の雰囲気は気に入っていただけるかと思います。
どうしても都市部の温泉施設は衛生上の問題がありますから、消毒云々はやむを得ないですよね。そんな中、私が通う多摩境(東京都町田市)の「いこいの湯」は完全掛け流し槽があるので、回数券を購入するほど気に入っています。でもそんな施設は本当に例外的。温泉は雰囲気も重要ですから、おっしゃるように足を伸ばさないと、なかなか満足いく湯浴みができませんよね。
Unknown
ぬる湯マスターさん、こんばんは。
ボリュームが多いわりに中身の薄い記事ばかりで恐縮です。いまアップしている記事は昨年の訪問記で、情報としての鮮度感に欠け、大変申し訳なく思っております。
>逢友荘
なるほど、言われてみれば確かに似たような雰囲気ですね。十和田大湯は篦棒に熱いお湯ばかりなので、ぬる湯マスターさんがお好きな長湯向けのお風呂が無いのですが、宿の雰囲気は気に入っていただけるかと思います。
どうしても都市部の温泉施設は衛生上の問題がありますから、消毒云々はやむを得ないですよね。そんな中、私が通う多摩境(東京都町田市)の「いこいの湯」は完全掛け流し槽があるので、回数券を購入するほど気に入っています。でもそんな施設は本当に例外的。温泉は雰囲気も重要ですから、おっしゃるように足を伸ばさないと、なかなか満足いく湯浴みができませんよね。
Unknown
こんばんわ^^。
多摩境・・・意外に生息圏が近いのかもしれませんね^^!
我が家から多摩境へは15分もあれば行けますね。
そうですか、その施設は盲点でした!これは楽しみです。
出来れば、私もあまり好き嫌いをせずに、
熱めの温泉にも負けずに入ってみて良さを実感したいものですが^^;
どう頑張っても、42度までが限界なんですよねぇ、、、。
真夏に生まれたためか、夏の暑さには超絶強いのですが、
なぜか熱いお風呂が超絶苦手でして(苦笑)
今後の課題とします^^b
Unknown
こんばんわ^^。
多摩境・・・意外に生息圏が近いのかもしれませんね^^!
我が家から多摩境へは15分もあれば行けますね。
そうですか、その施設は盲点でした!これは楽しみです。
出来れば、私もあまり好き嫌いをせずに、
熱めの温泉にも負けずに入ってみて良さを実感したいものですが^^;
どう頑張っても、42度までが限界なんですよねぇ、、、。
真夏に生まれたためか、夏の暑さには超絶強いのですが、
なぜか熱いお風呂が超絶苦手でして(苦笑)
今後の課題とします^^b
Unknown
>ぬる湯マスターさん
多摩境の「いこいの湯」は結構熱めです。私の場合は、夏の暑さに弱く、お湯の熱さなら多少のことならへっちゃらという感じです(笑)。でもぬるいお風呂も大好きで、一般受けするちょうど良い湯加減が実はあんまり好きではなかったりします(笑)。
Unknown
>ぬる湯マスターさん
多摩境の「いこいの湯」は結構熱めです。私の場合は、夏の暑さに弱く、お湯の熱さなら多少のことならへっちゃらという感じです(笑)。でもぬるいお風呂も大好きで、一般受けするちょうど良い湯加減が実はあんまり好きではなかったりします(笑)。